研究論文紹介記事一覧
発表された国内外の研究論文のうち「CC BY CC BY-SA CC0」ライセンスが付与され、内容が要約できる研究論文を紹介しています。その他、毎時収集した研究論文一覧を見る
アルゼンチンの炎症性腸疾患患者の食事内容を調べた研究:食事量の差より「何から栄養をとるか」の違いが候補に
炎症性腸疾患(IBD)は、免疫の働きが乱れて消化管に慢性的な炎症が起きる病気の総称で、主に潰瘍性大腸炎とクローン病の二つに分けられます。潰瘍性大腸炎は大腸と直腸の粘膜に炎症が連続して広がり、クローン病は消化管のどこにでも、腸の壁の深い層まで及ぶ炎症が飛び飛びに起こるのが特徴です。食事は病気の発症や経…
公開日: 2026年10月15日 17:23
りんごとカシューの搾りかすから水素を多く含むバイオガスを得る試み——二段リアクター方式の実験報告
水素は燃やしても二酸化炭素を出さないため、化石燃料からの転換を支える有力なエネルギー候補とされています。ただし現在広く使われている製造法は天然ガスの改質など化石資源を原料とするもので、有機廃棄物を微生物に分解させて水素を得る方法はまだ開発途上だと論文は整理しています。
公開日: 2026年09月30日 05:59
ソバの生産量と収量は60年でどう変わったか — 世界11か国の長期統計を解析した研究
ソバ(Fagopyrum esculentum Moench)は、イネ科の穀物ではないものの穀物のように利用される「擬穀類(ぎこくるい)」と呼ばれる作物です。論文によれば、ソバの種実は穀類で不足しがちな必須アミノ酸のリシンを多く含み、抗酸化物質や食物繊維、ミネラルも豊富で、さらに天然にグルテンを含ま…
公開日: 2026年09月27日 08:01
アルゼンチンの食事調査を支える写真付き食品アトラス「Smart24Food」の開発
食べたものを正確に把握することは、栄養状態を知ったり、食事と病気の関係を調べたりするうえで欠かせません。しかし著者らは、食事調査には難しさが残ると述べています。とくに「どれくらいの量を食べたか」を思い出して答えるのは難しく、ここで生じるずれは、エネルギーや栄養素の摂取量を実際より少なく、あるいは多く…
公開日: 2026年09月26日 22:01
超加工食品の摂取を減らすと何が起きるか——アルゼンチンを対象にした試算研究
超加工食品(UPF)とは、工業的な加工を重ねてつくられた食品を指す分類です。その摂取を減らすことは、人々の健康を改善する方策として広く提案されてきました。しかし研究チームは、健康面だけでなく環境面でも同時に利点が得られるかどうかは、減らしたUPFの代わりに何を食べるかによって左右されると指摘していま…
公開日: 2026年09月25日 17:32
排便回数が多く軟らかい便に悩む健康な成人を対象に、加熱処理した乳酸菌の「ポストバイオティクス」の効果を検証した研究
おなかの調子の悩みは、必ずしも病気と診断される段階だけに生じるものではありません。研究チームは、便が軟らかく排便回数が多いものの、下痢と診断される基準には当てはまらない人がいることに着目しました。こうした状態は医学的な診断がつかなくても、本人が感じる生活の質を下げることがあると論文は説明しています。
公開日: 2026年09月25日 05:54
処理済み排水でデュラム小麦を育てたとき、医薬品成分はどこまで植物に入るのか
淡水の不足を和らげる方法として、下水処理場で処理した水(処理済み排水)を農業用水に使う取り組みが注目されています。ただしこの水には、人が使った薬の成分(医薬品由来化合物)がわずかに残ることがあり、土から作物へどう移動するのかが懸念されてきました。
公開日: 2026年09月18日 17:58
ブルーベリー搾汁かすから有用成分を取り出す──コリン塩化物系溶媒と処理条件の比較
ブルーベリーを低速圧搾してジュースを作ると、皮・種・残った果肉からなる湿った搾りかす(ポマス)が残ります。ポリフェノールなどの成分は果実の外側の組織に多く集まるため、この搾りかすには色素や食物繊維とともに有用な成分が残っています。著者らは、これを廃棄物ではなく二次原料としてとらえ、成分を回収する方法…
公開日: 2026年09月18日 07:18
考古学における「非定形炭化物」の研究手順を国際的に統一する試み
考古学の一分野に、遺跡から出土した植物の遺存体を調べる考古植物学があります。従来この分野では、種子や果実、木炭、脱穀のときに出る殻や茎といった、形がはっきり残っている材料が主に研究されてきました。しかし論文によると、実際の試料にはそれ以外に、炭になった有機物(ときには無機物を含む)の破片が含まれてお…
公開日: 2026年09月17日 12:19
キャッサバでんぷんを酵素と乳酸カルシウムで加工する――グルテンフリーパンづくりに向けた研究
ブラジルやコロンビア、エクアドルなど南米の一部の国では、「サワーキャッサバでんぷん」と呼ばれる材料がパンやビスケットに使われています。これは、すりつぶしたキャッサバの根から水でとり出したでんぷんを、水の中で15〜30日ほど自然に発酵させ、その後12〜48時間ほど天日で乾かしてつくるものです。この工程…
公開日: 2026年09月17日 07:29
アマゾン・シングー川のダム下流域、魚の水銀濃度はどう変わったか
大型ダムの建設は川の流れだけでなく、魚に含まれる水銀の量にも影響を与えることがあると報告されています。アマゾン地域で最大級の発電容量を持つベロモンテ水力発電所(ブラジル・パラー州、シングー川)が2016年に稼働を始めて以降、周辺の魚にどのような変化が起きているのかを調べた研究を紹介します。
公開日: 2026年09月06日 05:31
ガラクトオリゴ糖は『腸によい』だけじゃない? 凍結乾燥した脂質膜の酸化を防ぐ働きを検証した研究
ガラクトオリゴ糖(GOS)は、腸内の善玉菌を選択的に増やすプレバイオティクス成分として広く知られ、育児用ミルクや乳製品、パン類などにも使われています。しかし今回紹介する研究は、GOSの『腸によい』という栄養面の働きではなく、乾燥した食品や医薬品の中で脂質の酸化を防ぐという、あまり注目されてこなかった…
公開日: 2026年09月03日 06:37