研究論文紹介記事一覧
発表された国内外の研究論文のうち「CC BY CC BY-SA CC0」ライセンスが付与され、内容が要約できる研究論文を紹介しています。その他、毎時収集した研究論文一覧を見る
過敏性腸症候群で腸内細菌に働きかける治療を症状のタイプで選べるか:現時点の根拠と限界を整理したミニレビュー
過敏性腸症候群(IBS)は、排便に関係した腹痛が繰り返し起こり、便の回数や形が変わる病気です。診断は、適切な診察と検査で他の器質的な病気が除かれたうえで行われます。下痢が目立つ人、便秘が目立つ人、両方が混ざる人がいるほか、おなかの張りや痛みなど、どの症状がつらいかも人によって違います。感染性腸炎の後…
公開日: 2026年10月13日 18:25
地中海の樹木カロブ(イナゴマメ)の成分と働きを整理した総説
イナゴマメ(学名 Ceratonia siliqua L.、英語ではカロブツリーと呼ばれます)は、マメ科の常緑樹で、もともと地中海沿岸が原産地です。現在は世界各地で栽培が広がっています。古くから家畜のえさや天然の甘味料として利用されてきた植物ですが、著者らによれば、近年は栄養面・医薬面・産業面で多機…
公開日: 2026年10月01日 21:28
デンプンを水に強いプラスチック材料へ——「深共晶溶媒」を溶媒と触媒の両方に使う新しい手法
化石資源からつくられるプラスチックは、安価で成形しやすく、必要な機械的性質や熱安定性を備えているため、日常のあらゆる場面で使われています。論文は、化石資源由来のプラスチックの世界生産量が1990年の1億トンから2024年には約4億3000万トンへ増えたことに触れ、同時にその長期安定性が「両刃の剣」で…
公開日: 2026年09月30日 08:53
乾燥方法の違いが豆粉の性質とグルテンフリー・カップケーキの評価をどう変えるか
小麦などに含まれるグルテンを避ける必要がある人のための食品市場は拡大しています。研究チームによれば、セリアック病は世界人口のおよそ1%、非セリアック・グルテン過敏症は約6%に影響するとされ、現時点で有効な対処法は生涯にわたってグルテンを摂らないことだけだと説明されています。ところが従来のグルテンフリ…
公開日: 2026年09月29日 13:14
キヌアの栄養成分は調理法・品種・栽培地の組み合わせで変わる——ゆでると蒸すを比べた研究
キヌア(Chenopodium quinoa Willd.)は、気候変動に強い作物として世界的に注目されている穀物です。著者らによれば、その種子は必須アミノ酸のバランスが取れた良質なタンパク質を含み、食物繊維、ビタミン、必須ミネラル、健康的な脂質、生理活性成分に富むことが知られています。
公開日: 2026年09月25日 07:21
ラクダ乳の自然発酵を72時間追跡する——チュニジア南部の伝統的発酵乳を多角的に分析
乾燥・半乾燥地域では、ヒトコブラクダ(ドロメダリー)の乳が重要な食料資源として利用されてきました。冷蔵設備や集乳の仕組みが十分に整っていない地域では、乳を発酵させることが保存の手段であると同時に、地域の食文化そのものにもなっています。こうした伝統的な発酵は、市販のスターター(発酵を開始させるために加…
公開日: 2026年09月21日 06:55
ラマダン期の断食と若手エリートサッカー選手のけが ― チュニジア1部リーグの前向きコホート研究
イスラム暦のラマダン月には、信仰を実践する人々が夜明けから日没までのあいだ、飲食と経口薬の摂取を断ちます。競技スポーツの世界には、この慣習が広く根づく地域出身の選手が数多くおり、断食に加えて睡眠と覚醒のリズムの変化や回復の機会の制約が重なることで、心身の状態に負担がかかる可能性が指摘されてきました。
公開日: 2026年09月21日 05:50
チュニジアの天日干しメルゲーズ、乾燥にともなう成分と性状の変化を調べる
メルゲーズはチュニジアの食文化に深く根ざした腸詰めで、天日干しにしたもの(乾燥メルゲーズ)は独特の組成をもち、エネルギー消費の少ない製法で作られます。発酵させた食肉製品や機械で乾燥させた食肉製品とは異なり、天日干しメルゲーズは8〜12日かけて太陽光で自然に水分を抜くという、ただ一段階の工程だけで仕上…
公開日: 2026年09月20日 06:43
バジル精油によるスーシュヴィド調理アカシカ肉の保存性とリステリア抑制を調べた研究
加工度の低い食品やそのまま食べられる調理済み食品への需要が高まる一方で、食中毒の原因となる病原菌は公衆衛生上の重要な課題として残っています。論文の著者らは、植物由来の精油(エッセンシャルオイル)が抗菌性を持ち、微生物からの保護を高めて保存期間を延ばす有望な天然素材として注目されてきた点を背景に挙げて…
公開日: 2026年09月18日 11:34
枯草菌の脂質ペプチドに、細胞保護と抗菌の二面性 国際研究が分子レベルで解析
食品の保存性を高めたり、健康に役立つ機能性成分を微生物から見つけ出す研究は、天然由来の添加物や機能性食品素材への関心の高まりとともに進んでいます。今回紹介する研究は、バチルス属(Bacillus)の菌が作り出す『リポペプチド(脂質とペプチドが結合した化合物)』という物質に着目し、その細胞への影響や抗…
公開日: 2026年09月07日 03:31
ブドウ種子の粉末、大腸炎マウスで腸の炎症と腸内細菌の乱れを抑えたと報告
ワインづくりの過程では、果汁を搾った後にブドウの種や皮が大量の副産物として残ります。この廃棄されがちな部分に、実は食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれていることが知られています。フランスとチュニジア、カナダの研究者らによるチームは、このブドウ種子を粉末にしたもの(GSF)が、腸の炎症モデルであるマ…
公開日: 2026年09月02日 13:37
米粉ケーキの砂糖を減らして食感も改善?アマランサスとタイガーナッツ粉を使った研究
小麦アレルギーやセリアック病の人向けに作られるグルテンフリーのスポンジケーキには、実は大きな技術的課題があります。小麦粉に含まれる「グルテン」というたんぱく質のネットワークがないと、生地がうまく膨らまず、ふんわりした構造や食感を作りにくいのです。今回紹介する研究は、この課題に対して、米粉に「アマラン…
公開日: 2026年07月26日 03:44