最新記事一覧
データに基づく独自の成分分析や、旬の食材・行事食のコラムなど、食品に関する最新記事をお届けします。
香りが消える前に、鮎を食べる理由
7月になると、鮎の香りが薄れていく——これは鮎好きの間では知られた話だが、なぜそうなるかを説明できる人は少ない。答えは川底の藻にある。天然の鮎が食む藻類は季節によって種が変わり、6月の若い鮎が湛える青みがかった清冽な香気は、まさにその藻の組成から生まれる。脂がのる8月には、その香りと脂はトレードオフ…
2026年06月26日 01:47
干す知恵と戻す知恵は一対——精進膳が教える乾物の力
精進料理の膳に並ぶ干ししいたけ、昆布(乾燥)、ひじき、切り干し大根、干しぜんまい。五品に共通するのは「干す」という一工程だ。水分を抜くことで、栄養もうま味も同じ重さあたりにぐっと凝縮される。だが面白いのは、その凝縮が「いいもの」だけにとどまらないことだ。だからこそこの膳は、単なる健康食ではなく「干し…
2026年06月26日 01:47
素材の由来が順位を決める——芳香族アミノ酸ランキングの本当の読み方
芳香族アミノ酸の代表、フェニルアラニンとチロシンは、分子の中にベンゼン環を持つことから同じグループに括られます。フェニルアラニンは食事から補う必要がある不可欠アミノ酸で、チロシンはそのフェニルアラニンから体内で作られます。日本食品標準成分表(八訂)ではこの2種を「芳香族アミノ酸合計」として記録してお…
2026年06月26日 01:47
じゃがいものビタミンCが加熱に強い理由
6月下旬、北海道では今まさに新じゃがいもが収穫の時期を迎えている。長崎や熊本産の春じゃがいもがひと足先に店頭を賑わせ、続いて北海道産が夏から秋にかけて主役に躍り出る——じゃがいもにとって、今は産地のバトンが渡る、にぎやかな季節だ。
2026年06月24日 17:16
牛乳の約6倍、チーズで見直すカルシウムの密度
牛乳のカルシウムは100gあたり110mg。対してプロセスチーズは同じ100gあたり630mg——約6倍の開きがある。「カルシウムは牛乳で」という発想は間違いではないが、同じ乳製品でも密度という軸で並べ直すと、ここまで差が出る。表を見るまでは気づきにくい事実だ。
2026年06月24日 17:16
くるみだけが持つn-3系、種実6品の脂を読む
種実やナッツを「良質な脂の食品」として日々の食卓に取り入れている人は多い。脂の大半が不飽和脂肪酸で、飽和脂肪酸中心の動物性脂とは構造が違うのは確かだ。ただ「不飽和だから安心」で止まると、見落とすものがある。代表的な6品の脂肪酸の内訳を成分表で並べると、5品がn-6系のリノール酸に大きく偏り、n-3系…
2026年06月24日 16:34
海のパイナップルの正体 三陸ほや、6月の旬
「海のパイナップル」と聞いて果物を思い浮かべると、現物に少し驚く。いぼだらけのゴムのような外皮を割ると、ランプシェードを小さくしたようなオレンジ色の身が現れ、磯の香りが手にまとわりつく。口に入れれば、甘み・苦み・旨みが複雑にからまり合い、独特の歯ごたえが残る。パイナップルどころか、これは海に生きる動…
2026年06月24日 16:34
イソロイシン最多は「食卓に並ばない素材」だった
アミノ酸と聞くと、肉や魚や卵といった身近な食品が思い浮かぶかもしれません。ところが、イソロイシンの含有量ランキングを日本食品標準成分表(八訂)で並べてみると、上位を占めるのは食卓にそのまま出てくる食品ではなく、工業的にたんぱく質を濃縮・精製した加工原料ばかりでした。「数値が高い=日常食で活かせる」と…
2026年06月24日 16:34
豆ならどれも同じ、は損をする——繊維量10倍差の選び方
豆や豆製品は「たんぱく質が摂れる植物性食品」として広く親しまれている。確かにその通りだ。しかし、同じ大豆を原料としながら、食物繊維の量は食品によって大きく変わるという事実は、意外と見落とされがちである。そのまま食べられる状態どうしで比べてみよう。糸引き納豆の食物繊維は100gあたり9.5g、一方で絹…
2026年06月24日 16:05
ビタミンD上位3食品、なぜ全部「食べすぎ注意」?
骨をつくる材料といえばカルシウムですが、そのカルシウムを腸でしっかり吸収するために欠かせない相棒がビタミンDです。油に溶ける性質をもつ脂溶性ビタミンで、日本人の食事摂取基準では、女性30〜49歳の目安量は1日9µgとされています。
2026年06月24日 16:05
かたい根菜のぬるぬるな素顔、新ごぼう
6月下旬、梅雨の晴れ間に青果店の棚を見渡すと、土の香りをまとった細身の根菜が目に入る。新ごぼうだ。ごぼうの旬は一般に11〜2月ごろとされ、6月は「名残」にあたる時期。それでも初夏に出回る若採りの新ごぼうは皮が薄く、香りがやわらかで、この時期ならではの軽やかな味わいがある。
2026年06月24日 16:05
地味食材の底力、郷土食は食物繊維の宝庫
「地味でカロリーが低いだけ」——そんなイメージを一つの数値が覆す。こんにゃく精粉の水溶性食物繊維は可食部100gあたり73.3g。食物繊維総量79.9gのほぼすべてが水溶性という驚くべき構成だ。精粉はこんにゃくいもを粉状にしたもので、板こんにゃくやしらたきの原料となる。一方、京都の伝統野菜である堀川…
2026年06月22日 16:54
脂0.5gのきりり——6月だけの初がつおを食べておく
6月も下旬に入り、魚屋の店先に鮮やかな赤身が並ぶ。かつお 春獲り 生——いわゆる「初がつお」の最盛期が、今まさにここにある。
2026年06月22日 16:54
有機酸ランキング1位は食塩だった——数字が語る意外な逆説
酢やレモンを口にしたとき感じる、あの酸っぱさの正体が「有機酸」です。酢酸・乳酸・クエン酸・リンゴ酸などがその代表で、食品標準成分表ではこれらカルボキシル基(酸の性質を生む原子のまとまり)を持つ有機化合物を合算した成分として収載されています。食品のエネルギー産生成分の一つとして計上される成分ですが、日…
2026年06月22日 16:54
脂がある食材ほどビタミンDが届く、旬の6品で骨を守る選び方
うなぎはカロリーが高い——そう思って遠ざけている人がいるとしたら、もったいない話かもしれない。うなぎ(養殖・生)の可食部100gあたりのビタミンDは18µg。脂質は19.3gある。この二つの数字が、今回の記事の背骨になる。
2026年06月22日 01:37
廃棄率が変える魚介の選び方——1尾・1ぱいで得る栄養
スーパーの鮮魚コーナーに並ぶ栄養表示は、すべて「可食部100gあたり」の数字だ。ところがまあじ(皮つき・生)を1尾買えば、廃棄率は55%——頭・骨・内臓を取り除いた後に実際に食べられる部分は約72gしかない。あさり(生)は殻付きで廃棄率70%、10個(殻つき80g)の可食部はわずか24g程度だ。「数…
2026年06月22日 01:07
たんぱく質は僅差、でも「脇役」で選ぶスポーツ後の回復食
運動後の食事で「たんぱく質を補おう」と考えるとき、よく並ぶのがささみ・豚もも・鮭・卵・納豆といった顔ぶれだ。成分表の数字(可食部100gあたり)を並べると、きはだ24.3g、ささみ23.9g、べにざけ22.5g、豚もも21.9g——確かに「どれも似たようなもの」と感じる。だが、たんぱく質を体で使い切…
2026年06月21日 23:08
発酵食品、塩分は「ゼロ」から「14.5g」まで開く
食品成分表の数字を並べると、同じ「発酵食品」というカテゴリの中に、塩分含有量に大きな開きがある。米みそ(淡色辛みそ)の食塩相当量は100gあたり12.4g、こいくちしょうゆは14.5g。一方、糸引き納豆は0g。この幅を把握しておくことが、一日の塩分管理につながる。
2026年06月21日 22:11
腸活で見落とされがちな数字、発酵食品6品の食物繊維を読む
発酵食品6品の食物繊維量を日本食品標準成分表(八訂)で並べると、最大10g超から推定ゼロまで開きます。菌を摂ることには意味があります。ただ、腸内の菌を育てるには「菌の餌」となる食物繊維が欠かせない——食物繊維は腸内細菌が発酵・分解できる基質であり、菌が活動するエネルギー源となる——その量が、発酵食品…
2026年06月21日 22:11
セレン、桁違いでも一食で最も近づけるのはかつお節5gだけ
「セレン」という名前を聞いたことはあるでしょうか。セレンは、体内にごく微量しか存在しない微量ミネラルです。肝臓や腎臓に多く分布し、活性酸素を分解する酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ)の構成成分として、抗酸化に関わるとされています。また甲状腺ホルモンの代謝にも重要な役割を担うとされるミネラルです。
2026年06月21日 22:11