最新記事一覧
データに基づく独自の成分分析や、旬の食材・行事食のコラムなど、食品に関する最新記事をお届けします。
香りが消える前に、鮎を食べる理由
7月になると、鮎の香りが薄れていく——これは鮎好きの間では知られた話だが、なぜそうなるかを説明できる人は少ない。答えは川底の藻にある。天然の鮎が食む藻類は季節によって種が変わり、6月の若い鮎が湛える青みがかった清冽な香気は、まさにその藻の組成から生まれる。脂がのる8月には、その香りと脂はトレードオフ…
2026年06月26日 01:47
じゃがいものビタミンCが加熱に強い理由
6月下旬、北海道では今まさに新じゃがいもが収穫の時期を迎えている。長崎や熊本産の春じゃがいもがひと足先に店頭を賑わせ、続いて北海道産が夏から秋にかけて主役に躍り出る——じゃがいもにとって、今は産地のバトンが渡る、にぎやかな季節だ。
2026年06月24日 17:16
海のパイナップルの正体 三陸ほや、6月の旬
「海のパイナップル」と聞いて果物を思い浮かべると、現物に少し驚く。いぼだらけのゴムのような外皮を割ると、ランプシェードを小さくしたようなオレンジ色の身が現れ、磯の香りが手にまとわりつく。口に入れれば、甘み・苦み・旨みが複雑にからまり合い、独特の歯ごたえが残る。パイナップルどころか、これは海に生きる動…
2026年06月24日 16:34
かたい根菜のぬるぬるな素顔、新ごぼう
6月下旬、梅雨の晴れ間に青果店の棚を見渡すと、土の香りをまとった細身の根菜が目に入る。新ごぼうだ。ごぼうの旬は一般に11〜2月ごろとされ、6月は「名残」にあたる時期。それでも初夏に出回る若採りの新ごぼうは皮が薄く、香りがやわらかで、この時期ならではの軽やかな味わいがある。
2026年06月24日 16:05
脂0.5gのきりり——6月だけの初がつおを食べておく
6月も下旬に入り、魚屋の店先に鮮やかな赤身が並ぶ。かつお 春獲り 生——いわゆる「初がつお」の最盛期が、今まさにここにある。
2026年06月22日 16:54
皮ごと食べてこそ、6月の新じゃがいも
六月も下旬に差しかかると、店先の新じゃがいもは最盛期をやや過ぎ、名残りの気配をまとい始める。それでも今週の八百屋やスーパーにまだ並んでいる皮つきのじゃがいもは、秋冬のじゃがいもとは別物の顔をしている。皮が薄くて指の腹でこすれば面白いようにむけ、土の香りが立ち、切り口の白さが眩しい。この「薄い皮」こそ…
2026年06月21日 22:11
走りのきゅうり、95%は水でできている
6月も下旬に差しかかり、日差しが肌に刺さるようになってきた。少し動いただけで汗が滲み、気づけば喉が乾いている。人の体は1日におよそ2500mLの水分が出入りしていて、汗が増える夏はそのバランスが崩れやすい。水を飲むのはもちろんだが、じつは食事からも約1000mLの水分を補っている——その担い手として…
2026年06月21日 18:55
地味な顔して、260%の豆——旬のグリーンピース
6月も半ばを過ぎると、青空の下に並ぶ野菜の顔ぶれがすっかり夏めいてくる。そのなかで、存在感は薄いけれど確かに出番を終えようとしているのが生のグリーンピースだ。旬は春から初夏。6月はまさに名残の季節であり、生のさやで出回る最後のひと波を逃すと、次の出会いはずっと先になる。
2026年06月21日 00:39
3〜4枚(約100g)でB1が1日分——夏の豚もも、にんにくと食べる理由
6月も中旬を過ぎ、梅雨の合間に夏の気配がじわりと押し寄せてくる。冷たいものを口にする機会が増え、食欲が乱れがちなこの時季、実は体の中では「エネルギーを生み出す力」がひそかに問われている。ご飯・パン・麺といった糖質をエネルギーに変える代謝の舞台裏では、ビタミンB1が補酵素として働いている。夏の食事を考…
2026年06月21日 00:39
脂を引いた分、栄養が前に出る——6月のカツオ(春獲り)
6月も中旬に入ると、高知の漁港に水揚げされる春獲りかつお(生)はまさに旬の名残に差しかかる。初ガツオの旬は3〜5月が中心で、6月はその旬の終わりにあたる時期だ。地域によっては6月のカツオも「初ガツオ」と呼ばれることがあるが、いずれにしても今がその最後のタイミングである。なお、成分表に高知一本釣りの個…
2026年06月18日 11:05
夏の青菜ようさい、一皿でビタミンKを補う
6月も半ばを過ぎると、沖縄や九州の市場にはみずみずしい茎葉が並ぶ季節となる。ようさい——「空芯菜(くうしんさい)」の名でも親しまれるこの青菜は、中国原産の夏野菜で、これから旬を迎える。シャキシャキとした歯ごたえ、中心が空洞になった茎の軽やかさ、そして炒め物から和え物まで何にでもなじむ懐の深さが、暑い…
2026年06月18日 11:05
渦巻きの穂先、6月のぜんまいと葉酸
穂先がくるりと巻いたまま、白い綿毛をまとっている。山野に自生するしだ類の一種、ぜんまいの若芽は、その姿が新鮮さのしるしだ。旬は3〜6月ごろ。高知・徳島・新潟などの山里から届くぜんまいも、6月中旬には旬の終わりに差しかかる。綿毛が落ちて葉が広がると食べどきを過ぎるため、今週の食卓こそが「名残の旬」を楽…
2026年06月18日 11:05
薬味の1かけに、骨を支えるミネラルが潜んでいた
6月も半ばを過ぎると、台所に並ぶしょうがが少しずつ若々しくなってくる。高知県が全国出荷量のトップを走り、この時期は新しょうがが市場に出回り始める季節だ。1かけをすりおろして薬味に、千切りにして添え物に——そんな使い方が当たり前になるほど、しょうがは「主役より少し後ろ」にいる食材だった。
2026年06月16日 01:26
熊本から届く走りの一玉、6月のすいかを冷やして丸ごと楽しむ
6月の中旬、スーパーの青果コーナーに大玉が並び始めると、夏の入り口が見えてくる。出荷量で全国トップを誇る熊本県は、令和元年の農林水産省作物統計で収穫量約4.9万トンと全国シェアの約2割を占める主産地だ。6月の熊本すいかは「走り」の時期にあたり、最盛期は7〜8月だが、6月には早くも出荷が始まっている。…
2026年06月15日 18:11
冷やすと甘みが引き立つ、6月のびわを冷蔵庫へ
冷蔵庫から出したばかりのびわを口に入れると、ひんやりした果汁とともに、ふわりと広がる甘さ。これは気のせいでも、夏の暑さに感覚が鋭くなったせいでもない。びわに含まれる果糖には、温度が低いほど甘みが強くなるという性質がある。果糖を比較的多く含むびわは、冷やすと果糖由来の甘みが引き立ちやすい。6月中旬、旬…
2026年06月15日 10:36
1枚から始まる、6月のしその底力
6月中旬、食卓にそっと添えられる薬味がある。冷奴の上、刺し身の脇、素麺の小皿。生のしその葉は1枚わずか約1g、存在感は控えめに見える。ところが今ちょうど旬を迎えた愛知産のしそを手に取ると、葉先まで鮮やかな緑でピンと張り、香りが指先にまとわりつくほど強い。この香りの正体はペリルアルデヒドという成分で、…
2026年06月15日 10:36
清流の走り、6月の鮎が軽やかにおいしい理由
6月も中旬へさしかかるこの時期、琵琶湖では天然鮎の走りが始まる。まだ体が小さく、身が引き締まったばかりの若鮎。あの「スイカのような」とも「川の香り」とも形容される独特の清涼感は、成長とともに薄れていく。だから今、走りの鮎を食べることには、年に一度しか訪れない瞬間を味わうという意味がある。
2026年06月15日 10:36
軽いのに満ちる、6月のたこを食卓へ
六月も中旬に入り、市場の魚介コーナーにずっしりとした足を広げた皮つきの生のまだこが並んでいます。包丁を入れるとき指に伝わってくる独特の弾力、加熱すればふわりと立ちのぼってくる磯の香り——たこは見た目のインパクトとは裏腹に、食卓に上がると不思議なほどすっきりと胃に収まる食材です。
2026年06月12日 21:59
初夏の新ごぼう、しなやかな香りと5.7gの底力
6月の中旬に差しかかるこの時期、青果売り場で細く白い肌をした束が並ぶようになる。新ごぼうだ。晩秋から冬にかけて出回る秋ごぼうと同じ根菜でありながら、春から初夏にかけて若いうちに掘り上げられたごぼう 根 生は、皮が薄く香りが穏やかで、やわらかい。まさに今が旬の走りから盛りへと移る時季にあたる。
2026年06月11日 20:20
礼文の海から届く、6月のウニが輝くわけ
6月の上旬、北海道の礼文島・利尻島の漁港が静かに活気づく。生ウニ、とりわけエゾバフンウニの漁が本格的に始まる時期だ。ウニの旬は産地によって異なるが、道北の礼文・利尻エリアでは6月から8月にかけてが最盛期にあたる。今まさに走りの鮮度が市場に出回る、食べどきの入り口である。
2026年06月11日 19:56