最新記事一覧

データに基づく独自の成分分析や、旬の食材・行事食のコラムなど、食品に関する最新記事をお届けします。

海のパイナップル、三陸ほやが磯の香りとともに旬を迎える 旬の素材

海のパイナップル、三陸ほやが磯の香りとともに旬を迎える

8月の三陸沿岸で水揚げがにぎわっているのが、独特の見た目から「海のパイナップル」と呼ばれるほやです。ゴムのような皮に無数のいぼをまとった卵形の体は、体長20cmほど、幅は10cmくらいあります。皮をむくと、ランプのほや(火屋)に似たオレンジ色の身が現れる——これがこの名の由来とされています。食用にさ…

2026年08月08日 06:39

モロヘイヤ、β-カロテンほうれん草の2倍の実力 旬の素材

モロヘイヤ、β-カロテンほうれん草の2倍の実力

八百屋の店先で、葉先までぴんと張ったひと束を見つけたら、それが食べどきの合図です。モロヘイヤ(茎葉・生)は、緑があざやかでみずみずしく、茎がしっかりして弾力のあるものが良品とされます。葉や茎の切り口が黒ずんでいないかどうかも、鮮度を見分ける目印です。旬は7〜9月ごろ、群馬・三重・沖縄などが代表的な産…

2026年08月07日 08:19

梨の甘さは果糖から、8月に涼をひと口 旬の素材

梨の甘さは果糖から、8月に涼をひと口

8月に入り、梨がいよいよ店先で存在感を増してきました。幸水をはじめとする早生の品種が出回る「走り」の時期にあたり、これからお盆を過ぎるころにかけて豊水などが加わり、甘みと果汁がぐっと乗ってくる季節です。かじった瞬間にあふれる水分と、すっと広がる甘さは、暑さで火照った体にうれしい涼やかさを届けてくれま…

2026年08月06日 09:16

西洋かぼちゃ、甘さの裏にリンゴ酸とクエン酸 旬の素材

西洋かぼちゃ、甘さの裏にリンゴ酸とクエン酸

8月上旬の店先に並ぶかぼちゃは、実はまだ本調子ではありません。かぼちゃの供給は9〜11月にかけてピークを迎え、そのころには北海道産が市場の大部分を占めるようになります。今出回っているものは、その主役交代を控えた名残と走りが入り混じる時期の一玉です。とはいえ西洋かぼちゃ 果実 生の甘い味わいは、この時…

2026年08月06日 05:25

土佐しょうが、皮のすぐ下にある本命の香り 旬の素材

土佐しょうが、皮のすぐ下にある本命の香り

「しょうがの皮、むいていませんか」。もしそうなら、実はいちばん香り高い部分を捨ててしまっているかもしれません。8月の高知は、初夏に始まった新しょうがの収穫がひと段落し、みずみずしい薄皮のものから少し貫禄のついたものまでが並ぶ、まさに旬のただ中にあります。高知県で育つしょうが 根茎 皮なし 生は、薬味…

2026年08月03日 10:20

廃棄率45%の裏にある、パインの本気の甘酸っぱさ 旬の素材

廃棄率45%の裏にある、パインの本気の甘酸っぱさ

今の時季、店先で切り分けられたパインアップルが目を引きます。沖縄でとれるものが国内流通のほぼ全量を占めていて、皮を落とした黄金色の果肉がごろりと並ぶ光景は、まさに盛りの果物ならではです。1/8玉が目安量でおよそ100g、片手に収まるひと切れに、あの強い甘みと鋭い酸味がぎゅっと詰まっています。

2026年08月02日 06:58

うぶ毛の香り、だだちゃ豆が走りを迎える7月 旬の素材

うぶ毛の香り、だだちゃ豆が走りを迎える7月

さやの表面に茶色いうぶ毛をまとい、ゆでるととうもろこしにも似た香りが立ちます。山形県鶴岡市特産の えだまめ 生 のブランド品種、だだちゃ豆の個性は、まずその香りと濃厚な甘みにあります。えだまめ全体は東京都中央卸売市場の令和6年データで6〜9月に出回り8月がピークとされますが、だだちゃ豆の旬はもう少し…

2026年08月01日 12:03

洋なしの形の甘み、いちじくの正体はぶどう糖 旬の素材

洋なしの形の甘み、いちじくの正体はぶどう糖

皮を割ると赤い果肉がのぞくいちじく 生は、洋なしのような丸みを帯びた形をしていて、酸味が少なく甘いのが持ち味です。7月末のこの時期に出回るのは、実が大きく育つ夏果と呼ばれるもので、いちじくの旬は9月、8〜11月にかけて出回るとされます。今はまだそのさきがけ、走りの時期にあたります。ひと足早くこの果実…

2026年07月31日 09:37

熊本すいか、出荷量全国トップと迎える7〜8月の盛り 旬の素材

熊本すいか、出荷量全国トップと迎える7〜8月の盛り

切り分けたばかりのすいかにかぶりつくと、口いっぱいに広がる果汁とともに、夏そのものを頬張っているような心地になります。その一玉の主産地が熊本県です。すいかの収穫量ランキング(農林水産省「作物統計」令和4年産)を見ると、熊本県は約48,000トンで全国第1位。2位の千葉県が約36,800トン、3位の山…

2026年07月30日 08:54

昆布のヨウ素は上限の約67倍、少量使いが基本になる理由 旬の素材

昆布のヨウ素は上限の約67倍、少量使いが基本になる理由

夏の食卓に涼やかな酢の物や冷たいだし茶漬けが並ぶこの時期、脇役として活躍するのがまこんぶ 素干し 乾です。乾物棚に一年中並んでいるため季節感を意識しにくいですが、水につければ数分でだしが引け、暑さで食欲が落ちる夏場ほど、その澄んだうまみがありがたく感じられます。何気なく戸棚から取り出しているこの乾物…

2026年07月29日 07:20

にがうりは、こぶが大きく色が薄いほど苦みがやわらぐ 旬の素材

にがうりは、こぶが大きく色が薄いほど苦みがやわらぐ

7月、沖縄や宮崎の畑ではにがうりが盛りを迎えている。旬は6〜8月とされ、いままさに最盛期にあたる時季だ。緑の濃い表皮に無数のこぶをまとった紡錘形の実は、沖縄の方言で「ゴーヤー」、和名では「ツルレイシ」とも呼ばれる。果肉に宿るあの苦みこそが持ち味だが、実はその苦みの強さは一本ごとに違う。見分け方を知っ…

2026年07月28日 07:41

水分93%、なすが夏の食卓を軽くする理由 旬の素材

水分93%、なすが夏の食卓を軽くする理由

汗ばむ日が続くこの7月下旬、食欲が細るこの季節にすっと箸が進むのがなす 果実 生だ。夏が旬の淡色野菜で、可食部の約93%を水分が占める。ビタミンやミネラルは控えめだが、その代わりに軽さそのものが持ち味になる野菜だと言える。焼いても煮ても揚げても、するりと食べられる感覚は、この水分量に支えられている。

2026年07月27日 05:31

獅子の口の奥に潜む、辛くない夏の一本 旬の素材

獅子の口の奥に潜む、辛くない夏の一本

唐辛子の仲間なのに、辛くない。京都万願寺とうがらしの面白さは、まずその矛盾から始まる。夏が旬のこの野菜は、実の先端がくぼんで獅子の口のように見えることから「ししとう」の名で呼ばれる仲間の一種で、ナス科トウガラシに連なる血筋を持ちながら、辛み成分のカプサイシンをほとんど持たない甘味種として育てられてき…

2026年07月26日 19:20

利尻昆布、うまみを引き算した澄んだ一番だし 旬の素材

利尻昆布、うまみを引き算した澄んだ一番だし

7月も下旬、土用を迎えるこの時期は、冷たいめん類のつゆや浸し物など、だしのうまみが料理の決め手になる場面が増える季節でもある。澄んだ一番だしを仕込む家庭も多いが、実は同じ「昆布」でも産地によってうまみの濃さがまるで違うことは意外と知られていない。羅臼昆布は100gあたり2290〜3380mg、真昆布…

2026年07月25日 08:52

香りの陰に、B6という顔を持つ夏のにんにく 旬の素材

香りの陰に、B6という顔を持つ夏のにんにく

刻んだ瞬間に立ち上る、あの強い香り。7月の食卓でにんにく りん茎 生を手に取ると、まず主張してくるのはアリシンという香り成分だ。にんにくは野菜の中でもアリシンの含有量がトップクラスとされ、この香りこそが夏バテしがちな食卓に食欲を呼び込む立役者になっている。旬は5〜8月ごろとされ、青森・香川・兵庫など…

2026年07月24日 07:10

水分95%、きゅうりが体にくれる涼しさの理由 旬の素材

水分95%、きゅうりが体にくれる涼しさの理由

宮崎、群馬、福島の産地から、7月の青果売り場にはきゅうりが並ぶ。令和5年の出荷量では宮崎県が5.8万トンで首位、群馬県が4.9万トンで続き、埼玉・福島も上位に入る。7〜8月ごろが旬とされる作物で、今はまさにその入り口から最盛期にかかるタイミングだ。ハウス栽培もので一年中手に入る野菜だが、これからは露…

2026年07月23日 06:31

清流の女王、天然あゆが川から食卓に来る季節 旬の素材

清流の女王、天然あゆが川から食卓に来る季節

川底の石についた苔だけを食べて育つ魚がいる。あゆ 天然 生。その姿の美しさから「清流の女王」と呼ばれてきた。旬は6〜8月ごろで、茨城・岐阜・神奈川などが代表的な産地とされる。7月20日のいまはちょうど盛りの時季にあたり、天然もののあゆが店先に並ぶ、一年でもっとも短く貴重な期間にあたる。

2026年07月22日 05:31

とうもろこしは冷蔵3日、冷凍1カ月が甘さの分かれ道 旬の素材

とうもろこしは冷蔵3日、冷凍1カ月が甘さの分かれ道

7月も半ばを過ぎ、北海道のとうもろこし畑は最盛期を迎えている。中でも「ピュアホワイト」は、粒が白い甘みの強いスイートコーンで、生のままでも食べられるやわらかさが魅力とされる。皮をむいた瞬間の甘い香りにつられて、その場でかじりたくなる人も多いはずだ。だがこの甘さ、実は収穫した瞬間から刻一刻と失われてい…

2026年07月21日 06:51

沖縄パイナップル、酸味を支えるクエン酸 旬の素材

沖縄パイナップル、酸味を支えるクエン酸

丸ごと一玉の沖縄パイナップルを食卓に置くと、それだけで夏らしさが漂う。国内で流通するパイナップルは、ほぼ全量が沖縄県で作られており、令和5年産の沖縄の生産量は6750t。旬は6〜8月ごろとされ、ちょうど今、7月は盛りの時季にあたる。冬から春にかけて店先に並ぶのは主に海外産で、この時期の甘く濃い香りは…

2026年07月20日 07:36

山梨、白桃3割の里で味わう極上のとろけ心地 旬の素材

山梨、白桃3割の里で味わう極上のとろけ心地

7月中旬、山梨県の桃畑では白鳳やあかつきといった品種が次々と収穫期を迎えている。山梨県の桃収穫量は全国の約3割にあたる3.3万t(令和5年産)で、全国トップの座を保つ。福島(2.9万t)、長野(9650t)と続く産地の中でも頭一つ抜けた存在感で、まさに今が「盛り」と呼ぶにふさわしい時期だ。笛吹や一宮…

2026年07月19日 07:14