6月下旬、長野の畑でブルーベリーが色づき始める。青黒くふっくらとした直径1センチほどの果実は、走りから最盛期へさしかかる季節だ。摘みたてをそのまま口に入れてもおいしいが、一度冷蔵庫で冷やしてから食べると、甘みがぐっと増す。これは気のせいではない。ブルーベリーに含まれる果糖は、温度が低いほど甘みを強く感じさせる性質を持つからだ。夏の果実を「冷やして食べる」のは、理にかなった食べ方なのである。
「甘さ」の主役は、二つの糖
ブルーベリー100gあたりの糖の顔ぶれを見ると、果糖が4.3g、ぶどう糖が4.2gとほぼ拮抗している。この二つの単糖が、あの甘酸っぱい味わいをつくっている。
果糖は果実に広く含まれる単糖で、温度が下がるほど甘く感じられる。冷たいデザートと相性がよいのはこのためだ。もう一方のぶどう糖も、果糖とともにブルーベリーの素直な甘みを支える単糖で、両者がほぼ同量で同居していることが、この果実の味の輪郭を決めている。
エネルギーは100gあたり48kcalと、果物の中では控えめだ。加えて食物繊維が3.3gと、果物としてはしっかりした量を含む。軽やかな甘さと酸味、そして食べごたえが一粒に同居しているのが、ブルーベリーの個性といえる。
冷凍したら、そのまま食べればいい
旬の時期に多めに買って、そのまま冷凍するのが夏のブルーベリーの賢い付き合い方だ。ペーパーで包んでポリ袋に入れれば冷凍で約1カ月ほど保存でき、凍ったままでも食べやすい。解凍の手間がいらず、凍ったまま口に入れておいしいのは、この果実のうれしい性質である。
朝のヨーグルトに凍ったまま10粒(約10g)ほどぱらりと散らせば、見た目も涼しげな一皿になる。アイスクリームにのせれば、冷たさとほどよい酸味が引き立て役になる。ジャムや果実酒にするのも定番だ。
夏の一粒に、小さな発見
「冷やすと甘くなる」——この果糖ならではの性質が、ブルーベリーを夏の果物として際立たせる。旬を知ると、冷蔵庫や冷凍庫の使い方まで少し変わってくる。
国産ブルーベリーは長野・岩手・群馬などを産地に、6〜7月に出回りのピークを迎える。粒のそろうこの時期に、洗って水気をふき、小分けにして袋ごと冷凍庫へ。真夏の朝、ヨーグルトの上で旬の味がそのまま戻ってくる。今年はそんな「冷凍ストック」から始めてみたい。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。