むくみ対策といえばバナナやアボカドが定番の食材として名前が挙がりやすい。どちらもカリウムを含む食品としてよく知られているが、実際の数値を並べてみると、印象とは違う顔ぶれが見えてくる。

バナナ 生は100gあたりエネルギー93kcal、炭水化物22.5gを含み、甘みの主体はしょ糖10.5gで、ぶどう糖2.6g・果糖2.4gがこれに続く。アボカド 生は果実類の中でカリウムが豊富とされ、100gあたり590mgを含む。脂質17.5gと果実類にしては高めで、「森のバター」と称されることもある。水溶性食物繊維も1.7g含まれており、これは一般にコレステロールの吸収をゆるやかにするとされる食物繊維の一種である。※特定の食品の効果を示すものではありません。

葉野菜が主役に躍り出る

ところが、ふだんそう 葉 生のカリウムは100gあたり1200mg。同じく100gで比べると、アボカドの590mgの2倍以上にあたる数値だ。ふだんそうはほうれん草の仲間として知られる葉野菜で、エネルギーは100gあたり17kcalとごく低い。同時にβ-カロテン3700µg、ビタミンK180µgも含む。β-カロテンは体内でビタミンAに変わるプロビタミンAの一種であり、ビタミンKは正常な血液凝固を維持し、骨の形成にも関わる栄養素として知られている。

カリウムは細胞内の浸透圧を保ち、正常な血圧の維持に関わる栄養素だ。食事摂取基準(2025年版)では、カリウムの目安量は18歳以上で男性2500mg・女性2000mg、目標量は男性3000mg以上・女性2600mg以上(いずれも1日あたり)とされている。塩分の摂取量が気になる人にとって、食塩相当量とあわせてカリウムの収録値に目を向けるのは理にかなった見方といえる。ちなみに食塩相当量の目標量は、18歳以上で男性7.5g未満・女性6.5g未満(1日あたり)とされている。ふだんそうの食塩相当量は100gあたり0.2gとわずかで、カリウムの数値の大きさが際立つ。

脇を固める豆とさといも

葉野菜だけがカリウム摂取の主役というわけではない。えだまめ 生は100gあたりたんぱく質11.7g、食物繊維5gを含み、葉酸320µgも目立つ。葉酸は核酸の生合成に関わり、赤血球の形成や胎児の発育に関わる栄養素とされる。食事摂取基準(2025年版)では、葉酸の推奨量は18歳以上で1日240µgとされている。えだまめはさやつき10さやで約30gが目安で、ゆでたては塩を振らずに味わうのも一つの楽しみ方だ。

さといも 球茎 生は中1個約50〜70gが目安で、エネルギーは100gあたり53kcalと控えめ。有機酸リンゴ酸0.5gがシュウ酸0.1gを上回り、独特のぬめりをもつ。だいずもやし 生は1袋約200gが目安で、こちらはモリブデン57µgが目立つ食品だ。モリブデンはプリン体の代謝や亜硫酸の無毒化に関わる酵素の構成成分として働く必須微量ミネラルとされる。

毎日の食卓への取り入れ方

ふだんそうは炒め物やスープの青みとして使いやすい葉野菜だ。加熱すればかさが減り、一度に食べられる量も増える。えだまめやだいずもやしは副菜としてそのまま食卓に並べやすく、さといもは煮物の具材として活躍する。塩分の多い外食や加工食品が続いた日は、これらを意識的に組み合わせることで、食塩相当量とカリウムの両方に目を配った献立を組みやすくなる。

カリウムの摂取と塩分の排出の関係については、成分表の数値だけでは説明しきれない部分も多い。むくみが気になるときの目安の一つとして、こうした食品ごとのカリウムの収録値を知っておくのは無駄ではないだろう。数値を見比べると、ふだんそうのような葉野菜がカリウムの主役として浮かび上がり、えだまめ・さといも・だいずもやしといった食品がそれぞれの持ち味で脇を固めている。次に成分表を開くとき、果実類だけでなく葉野菜の欄にも目を向けてみると、また新しい発見があるはずだ。

※本記事は日本食品標準成分表(八訂)のデータ等をもとに作成しました。

栄養素のはたらき・摂取基準の記述は、次の公的資料に基づきます:e-ヘルスネット「カリウム」(厚生労働省)e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」(厚生労働省)