貧血や体づくりの話になると、真っ先に名前が挙がるのがぶた [副生物] 肝臓 生だ。100gあたり鉄13mg、葉酸810µg、ビタミンB12 25µg、亜鉛6.9mg。うし [副生物] 肝臓 生も葉酸1000µg・ビタミンB12 53µg・銅5.3mgと並び、数字だけ見れば「つわり明けの体づくりはレバーで決まり」と言いたくなる。
ところが、妊娠期はこの「レバー一択」が単純には通用しない。理由はレバーにもう一つ突出している成分にある。ぶたレバーのレチノールは100gあたり13000µg、うしレバーでも1100µgだ。レチノールはビタミンAの一種で、視覚の維持や成長・生殖、皮膚・粘膜の健康に関わる働きがあるとされるが、脂溶性のため摂りすぎると体に蓄積しやすい性質がある。レバにら炒め1人分の目安量は約50gとされ、この量でもぶたレバーなら6500µg相当のレチノールを摂ることになる。
そこで代わりの主役になるのが、こまつな 葉 生やしゅんぎく 葉 生といった青菜だ。こまつなにはβ-カロテンが100gあたり3100µg、しゅんぎくには4500µg含まれる。β-カロテンはプロビタミンAと呼ばれ、体内で必要な分だけビタミンAに変わる性質を持つ。レバーのレチノールのように摂った分がそのまま体に入るのとは仕組みが異なり、過剰の心配をせずに済むのが青菜の強みだ。しゅんぎくにはさらに葉酸190µgも含まれており、レバーには及ばないものの、毎日の食卓に無理なく取り入れられる量として意味を持つ。1束の目安量はこまつなで約250g、しゅんぎくで約200gとされ、おひたしや汁物の具にすれば数十g単位で気軽に足せる。
ここでもう一段、意外な顔ぶれが加わる。だいず [納豆類] 糸引き納豆だ。鉄や葉酸の代打というよりも、ビタミンK 600µgとパントテン酸3.63mgが際立つ。ビタミンKは血液凝固や骨の形成に関わる栄養素とされる。納豆はレバーとも青菜とも違う軸で食卓に加わる存在で、1パック約40gという扱いやすさも日々の習慣にしやすい理由だ。豆腐を油で揚げただいず [豆腐・油揚げ類] がんもどきも中1個約70gが目安で、こちらは主要成分としてたんぱく質15.3g・脂質17.8gを含む一品として、青菜や納豆と組み合わせる副菜の選択肢になる。
実践としては、レバーはレバにら炒めなどで月に数回、少量たしなむ程度にとどめ、こまつなやしゅんぎくのおひたしを汁物や炒め物に日常的に組み込み、納豆を朝食の定番にするのが無理のない形だろう。がんもどきを煮物に加えれば、青菜・大豆製品中心の献立に厚みが出る。
レバーは鉄や葉酸、ビタミンB12を豊富に含む食品として知られている。ただし妊娠期は基準が特別で、鉄や葉酸の量だけでなくレチノールの量も同時に見る必要がある。主役をレバーから青菜と大豆製品に切り替えることで、量を気にせず毎日続けられる体づくりが見えてくる。
【摂取量の目安】ぶた [副生物] 肝臓 生は、ビタミンA(レチノール)が100gで耐容上限量2700μgRAEの約4.8倍、1食(約50g)で約2.4倍にあたります。 ビタミンA・Dは脂溶性で体に蓄積しやすいため、多量・連日の摂取やサプリメント併用、妊娠中は過剰摂取に注意が必要とされます(通常の食事で時折とる分には問題になりにくいとされます)。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)および日本人の食事摂取基準(2025年版)のデータ等をもとに作成しました。
栄養素のはたらき・摂取基準の記述は、次の公的資料に基づきます:厚生労働省 食事摂取基準・e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」(厚生労働省)