最新記事一覧
データに基づく独自の成分分析や、旬の食材・行事食のコラムなど、食品に関する最新記事をお届けします。
卵白に宿る3200mg――メチオニンが多い食品の意外な顔ぶれ
卵を食べるとき、意識はどうしても黄身に向きがちです。濃い黄色と豊かな風味が、栄養の塊というイメージを呼び起こすからでしょう。ところがメチオニンという含硫アミノ酸(硫黄を含むアミノ酸)に注目すると、主役は静かに入れ替わります。
2026年06月30日 04:18
大豆油21mg、δ-トコフェロールを貫く「大豆の糸」
ビタミンEには4つの兄弟がいます。α・β・γ・δ——いずれも「トコフェロール」と総称される脂溶性の成分で、体内では酸化されやすい脂質の酸化を抑え、細胞膜の安定に関わるとされています。食事摂取基準でビタミンEの指標として使われるのは主にα-トコフェロールですが、δ(デルタ)-トコフェロールは食品成分表…
2026年06月28日 16:05
5種の砂糖がすべて同じ値──99.9gが教える「選び方」の本質
砂糖の主成分、しょ糖(ショ糖・スクロース)とは、ブドウ糖と果糖がひとつながりになった糖の一種です。消化されるとブドウ糖と果糖に分かれ、エネルギー源として体に使われます。過剰に摂り続けると肥満やう歯の一因となるとされており、量の意識は大切ですが、食事摂取基準にしょ糖そのものの推奨量や目安量は設定されて…
2026年06月27日 04:33
飽和脂肪酸ランキング、上位3品はすべてヤシの仲間だった
バターや肉の脂身が飽和脂肪酸の代表格だと思っていたなら、日本食品標準成分表(八訂)の数字は、その前提をあっさり覆す。可食部100gあたりの含有量を多い順に並べると、1位も2位も3位も、動物性の食品ではない。しかも上位3品を眺めて気づくのは、それが単なる「意外な植物油」の話ではないということだ。
2026年06月26日 08:29
酪酸の逆説:成分表の数字が大きいほど、「食べて摂る」から遠ざかる栄養素
食品成分表(八訂)で「酪酸(らくさん)」の含有量ランキングをつくると、上位はバターがずらりと占めます。ここまでは予想の範囲内です。ところが、上位食品のデータを読み込むほど、奇妙な逆転が姿を現す。成分表の数字が大きくなるほど、「その食品を選んで酪酸を摂る」という発想から遠ざかってしまうのです。出どころ…
2026年06月26日 01:47
ナイアシン当量の「上乗せ」を知ると食品選びが変わる
「ナイアシン当量」という言葉を目にしたとき、これがナイアシンそのものの含有量とイコールだと思う人は多いかもしれません。ところが実際は少し違います。ナイアシンは皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素で、体内の酸化還元反応を支える補酵素の材料にもなります。そのナイアシンの摂取量を評価するとき、日本の食事摂取…
2026年06月26日 01:47
素材の由来が順位を決める——芳香族アミノ酸ランキングの本当の読み方
芳香族アミノ酸の代表、フェニルアラニンとチロシンは、分子の中にベンゼン環を持つことから同じグループに括られます。フェニルアラニンは食事から補う必要がある不可欠アミノ酸で、チロシンはそのフェニルアラニンから体内で作られます。日本食品標準成分表(八訂)ではこの2種を「芳香族アミノ酸合計」として記録してお…
2026年06月26日 01:47
イソロイシン最多は「食卓に並ばない素材」だった
アミノ酸と聞くと、肉や魚や卵といった身近な食品が思い浮かぶかもしれません。ところが、イソロイシンの含有量ランキングを日本食品標準成分表(八訂)で並べてみると、上位を占めるのは食卓にそのまま出てくる食品ではなく、工業的にたんぱく質を濃縮・精製した加工原料ばかりでした。「数値が高い=日常食で活かせる」と…
2026年06月24日 16:34
ビタミンD上位3食品、なぜ全部「食べすぎ注意」?
骨をつくる材料といえばカルシウムですが、そのカルシウムを腸でしっかり吸収するために欠かせない相棒がビタミンDです。油に溶ける性質をもつ脂溶性ビタミンで、日本人の食事摂取基準では、女性30〜49歳の目安量は1日9µgとされています。
2026年06月24日 16:05
有機酸ランキング1位は食塩だった——数字が語る意外な逆説
酢やレモンを口にしたとき感じる、あの酸っぱさの正体が「有機酸」です。酢酸・乳酸・クエン酸・リンゴ酸などがその代表で、食品標準成分表ではこれらカルボキシル基(酸の性質を生む原子のまとまり)を持つ有機化合物を合算した成分として収載されています。食品のエネルギー産生成分の一つとして計上される成分ですが、日…
2026年06月22日 16:54
セレン、桁違いでも一食で最も近づけるのはかつお節5gだけ
「セレン」という名前を聞いたことはあるでしょうか。セレンは、体内にごく微量しか存在しない微量ミネラルです。肝臓や腎臓に多く分布し、活性酸素を分解する酵素(グルタチオンペルオキシダーゼ)の構成成分として、抗酸化に関わるとされています。また甲状腺ホルモンの代謝にも重要な役割を担うとされるミネラルです。
2026年06月21日 22:11
料理の裏方だから多い——精製でん粉が食卓に届くまで
でん粉(デンプン)は植物が光合成で蓄えるエネルギー源の一種です。料理でいえば片栗粉やコーンスターチとして、とろみをつけたり食感を整えたりする「裏方」として私たちの食事を支えています。なお、日本人の食事摂取基準では、でん粉を単独で評価する定量的な基準(推奨量・目安量など)は設定されていません。炭水化物…
2026年06月21日 18:55
発酵が時間をかけて生む成分、ピログルタミン酸が上位5食品に集中する理由
「ピログルタミン酸」は、しょうゆなどの発酵・醸造の過程で、グルタミン酸(うま味の源となるアミノ酸の一種)から自然につくられる成分です。意図して摂るというより、発酵食品を食べることで知らず知らずのうちに口にしているもので、日本人の食事摂取基準にも定量的な目標値は設けられていません。体内でどんなはたらき…
2026年06月21日 00:39
脇役が主役だった――β-カロテンの最密度源は海藻と乾パセリ
にんじんや緑野菜がβ-カロテンの代名詞として語られることは多いですが、成分表のデータを眺めると、上位を占めるのは全く別の顔ぶれです。まず「β-カロテン当量」とは何かを確認しておきましょう。β-カロテンは黄色やオレンジ色の色素成分で、体内でビタミンAのもとになる物質(プロビタミンA)です。「当量」とは…
2026年06月21日 00:39
脂質は全部「100g」——でも中身は四極に分かれる
食用油を手に取ると、どれも「脂質100g」と表示されている。カロリーも880〜899kcalとほぼ横並びで、数字だけ見れば違いが見えない。ところが脂質の内訳——脂肪酸の組成——に目を向けると、同じ「100g」の油が、対照的な四つのグループに分かれていることがデータから読み取れる。
2026年06月18日 11:05
シスチンが多い食品の1位は乾燥卵白、でも順位だけでは選べない
シスチンは、硫黄を含むアミノ酸(たんぱく質を構成する最小単位)の一つです。体内ではたんぱく質をつくる材料として使われるほか、体内で別の物質をつくる際にも使われることが知られています。シスチンには日本人の食事摂取基準に推奨量や目安量といった定量的な基準が設定されていないため、「これだけ摂るべき」という…
2026年06月18日 11:05
ビタミンK最多は緑茶の茶葉 飲むだけでは摂れない理由
血が出たとき、体の中でそれを止めようとする仕組みに欠かせない栄養素がビタミンKです。血液を固める働きに関与し、丈夫な骨をつくるのを助けるとされる脂溶性ビタミン(油に溶ける性質のビタミン)で、欠乏すると出血しやすくなったり、骨がもろくなるリスクが高まるとされています。なお、血液を固まりにくくするワーフ…
2026年06月18日 11:05
えごま油が最高含有1位、でも「使えない」? n-3系脂肪酸の意外な真実
脂質の中に、体内でほとんど作れないため食事からとる必要があるものがあります。それがn-3系多価不飽和脂肪酸です。「多価不飽和脂肪酸」とは、分子の中に二重結合を複数持つ脂肪酸のこと。n-3系はその中でも特定の位置に二重結合を持つグループで、α-リノレン酸・EPA・DHAなどが含まれます。消費者庁は「皮…
2026年06月16日 01:26
バリンは乾燥・濃縮された高たんぱく食品に多い
バリンは、食事からしか補えない必須アミノ酸のひとつで、「分岐鎖アミノ酸(BCAA)」と呼ばれるグループに属します。分岐鎖アミノ酸とは、他のアミノ酸とは異なり主に筋肉で代謝される種類のことで、バリンは筋肉のエネルギー代謝に深く関わっているほか、たんぱく質の同化作用——つまり体の組織をつくり維持する働き…
2026年06月15日 18:11
葉酸が多い食品、1位は酵母・2位タイはのり──B群が一緒に揃う理由
葉酸は、ビタミンB群の一種です。細胞の設計図であるDNAをつくるときに補酵素として働き、細胞が新しく生まれるのを支えます。赤血球の形成を助ける栄養素でもあり、この働きにはビタミンB12との連携が必要とされています。とくに胎児の正常な発育に関わるとされることから、妊娠を考える方や妊娠初期の方は意識的に…
2026年06月15日 10:36