著者の所属・活動拠点の国は、インドです。
掲載誌:Asian Journal of Dairy and Food Research
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
研究チームは、シコクビエ、トウジンビエ、コキビ、オーツ麦を組み合わせ、乳を使わないヨーグルト状の発酵食品を開発し、その成分、酸味や粘り、食べたときの好ましさを調べました。植物性のヨーグルト代替食品では、食感や風味、品質の安定性を整えることが課題となるため、複数の穀物を使って栄養面と食べやすさの両立を目指しました。
何を、どのように調べたか
研究チームは、4種類の穀物から得た抽出液を混合し、固形分を調整して安定剤などを加えました。これを90±2℃で10分間加熱し、冷却後に、通常のヨーグルト製造にも使うストレプトコッカス・サーモフィルスとラクトバチルス・デルブルッキイ亜種ブルガリクスの混合培養物を1%加えました。37.5℃で12時間発酵させた後、冷蔵しました。
できあがった食品について、酸性の強さを表すpH、酸の量、粘度、色、たんぱく質や脂質、ミネラル、食物繊維などを測定しました。分析はそれぞれ3回行いました。食物繊維は、酵素で消化されるでんぷんやたんぱく質を取り除き、残った成分を回収して測りました。
食べたときの評価には、一定の評価訓練を受けた大学院生と教員の計30人が参加しました。試料には番号を付け、提示する順序を無作為にして、色と外観、香り、味、口当たり、総合的な好ましさを9段階で採点しました。この評価では、通常の乳製ヨーグルトと比較しました。
主な報告結果
研究チームは、穀物の混合液を発酵させることで、粘りのあるヨーグルト状の食品が得られたと報告しました。pHは4.14、酸の量は乳酸換算で0.86%、粘度は1325 cPでした。著者らは、これらを発酵による酸の生成と、とろみのある構造が形成されたことを示す結果としています。
製品100 g当たりのたんぱく質は4.26 g、脂質は2.18 g、炭水化物は10.72 gでした。総食物繊維は5.24 gで、そのうち水に溶ける食物繊維は2.14 gでした。ミネラルも含まれ、100 g当たりのカルシウムは52.34 mg、鉄は1.72 mg、カリウムは124.38 mgと報告されています。
試食評価では、開発品のすべての項目が9点満点中8点を超え、総合評価は8.25点でした。一方、乳製ヨーグルトの総合評価は8.64点で、色と外観、香り、味、口当たりを含むすべての項目で、乳製ヨーグルトの方が統計的に有意に高い評価でした。研究チームは、乳製品の方が好まれたものの、開発品も評価者に好意的に受け入れられたとしています。
この報告が示すこと
著者らは、複数の雑穀とオーツ麦を組み合わせることで、食物繊維やミネラルを含み、食べやすさも備えた乳不使用の発酵食品を作れる可能性を示したと結論づけています。ただし、食物繊維の個々の成分や、腸内の有用な微生物を育てる働きは直接調べていません。また、ミネラルの含有量だけでは体内での吸収・利用のされやすさは判断できず、この報告は主に食品としての組成と品質を示したものです。
原著論文の著者・所属:Kishor Kashinathrao Anerao、Surendra K. Sadawarte、Harihar K. Kausadikar、Hemant W. Deshpande、Shailendra D. Katke、Rushikesh P. Mane、Girish M. Machewad
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Kishor Kashinathrao Anerao, Surendra K. Sadawarte, Harihar K. Kausadikar, et al. Development of a Functional Probiotic Millet-based Yoghurt from Composite Nutri-cereals: Physicochemical, Functional and Sensory Evaluation. Asian Journal of Dairy and Food Research(出版社:Agricultural Research Communication Center) 2026-11-07. DOI: 10.18805/ajdfr.dr-2540. 原著ライセンス:CC BY.