著者の所属・活動拠点の国は、トルコです。
掲載誌:Frontiers in Nutrition
ライセンス: CC BY 4.0 確認元: 雑誌の掲載方針
キヌアを発酵させた4種類の試作品
研究チームは、植物性の食事への関心の高まりを背景に、キヌアを原料とする動物性原料を使わないヨーグルト様の発酵食品を開発しました。発酵に使う菌の種類や準備方法によって、成分、乳酸菌の生存、味や食感の評価がどう異なるかを調べることが目的です。
水と砂糖を加えて煮たキヌアをなめらかにし、2種類の市販の発酵用種菌を使いました。それぞれを直接加える場合と、あらかじめアーモンドミルクで活性化してから加える場合を組み合わせ、計4種類を作製しました。45℃で24時間発酵させた後、冷蔵し、成分分析などでは市販の米由来の植物性ヨーグルトを比較の目安にしました。
成分分析と冷蔵中の乳酸菌
著者らは、4種類すべてで酸性化が進み、発酵が成立したと報告しています。たんぱく質は100g当たり2.0~2.2gで、比較に用いた米由来の製品の0.7gに対し、約3倍でした。脂質も試作品のほうが多く含まれていました。これは今回調べた製品同士の比較です。
抗酸化作用に関わるフェノール性化合物の総量と、試料の抗酸化能を調べる試験では、混合種菌を事前に活性化せず加えた試作品が最も高い値を示しました。また、冷蔵保存の1、7、14、21日目に乳酸菌を調べた結果、著者らは、キヌアを使った試作品が冷蔵中も乳酸菌の生存に適した環境を保ったと解釈しています。
好まれやすさは種菌の準備方法でも異なる
出来たての試作品は、訓練を受けた12人と学生80人によって評価されました。アーモンドミルクで種菌を活性化した2種類は、風味と総合的な好ましさで高い評価を得ました。一方、外観や食感で評価された試作品は必ずしも同じではなく、作り方によって異なる特徴が現れました。なお、味や食感の評価は発酵後の1日目に限られます。
研究チームは、成分、乳酸菌の生存、食べたときの評価を合わせ、キヌアが植物性ヨーグルトの原料として有望だと結論づけています。今回の研究は、キヌアを使った発酵食品づくりでは、栄養成分だけでなく、種菌の選択や活性化の方法も製品の特徴に関わることを示しています。
原著論文の著者・所属:Emine Zülal Zor(epartment of Gastronomy and Culinary Arts, Faculty of Fine Arts, Design and Architecture, Başkent University, Ankara, Türkiye)、Emir Övenler(epartment of Gastronomy and Culinary Arts, Faculty of Fine Arts, Design and Architecture, Başkent University, Ankara, Türkiye)、İlkay Yılmaz(epartment of Gastronomy and Culinary Arts, Faculty of Fine Arts, Design and Architecture, Başkent University, Ankara, Türkiye)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Emine Zülal Zor, Emir Övenler, İlkay Yılmaz. Physicochemical, microbial, and sensory characterization of quinoa-based vegan yogurt as a functional plant-based fermented product. Frontiers in Nutrition 2026-11-01. DOI: 10.3389/fnut.2026.1915851. 原著ライセンス:CC BY.