掲載誌:Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

ニーム(学名 Azadirachta indica)は、種子を中心に科学的・経済的に重要な植物とされています。種子などにはアザジラクチンという成分が含まれます。これは植物がつくる生理活性物質の一種で、昆虫の摂食を抑えたり、成長や繁殖を妨げたりする殺虫作用で広く知られています。

一方で、ニームの種子を人が安全に食べられるかどうかについての情報は、まだ限られていると著者らは指摘しています。そこで研究チームは、その基礎となる知見として、水への浸漬、アルカリ処理、焙煎という加工方法が種子の化学組成にどのような影響を与えるかを調べました。

何を調べたか

研究チームは予備的な検討をもとに、処理条件を決めました。浸漬は水に24時間、アルカリ処理は水酸化ナトリウム(NaOH)を用いて24時間行い、焙煎は160℃で10分間としました。それぞれの処理に200gずつの種子を別々に用い、比較の基準として処理をしない種子も用意しました。

分析したのは、食品の基本的な成分構成を示す「一般成分」と呼ばれる項目です。具体的には、粗たんぱく質、粗脂肪、粗繊維、灰分(燃やした後に残るミネラル分)、水分、炭水化物の量を測りました。あわせて、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、リン、カリウム、銅、亜鉛、鉄、マンガン、セレンの10種類のミネラルも測定しました。分析には、AOACと呼ばれる標準的な分析法が用いられました。

主な結果

論文によると、焙煎によって種子の粗脂肪の含有量が増えました。また、加工処理によって、ミネラル組成にも測定可能な変化が生じたと報告されています。

とくにアルカリ処理では、ナトリウム(100gあたり40.20mg)、マグネシウム(同49.10mg)、リン(同39.30mg)の濃度が高くなりました。著者らは、アルカリ処理が評価した複数のミネラルの値を高めたとしています。水への浸漬では、一般成分それぞれが占める割合の配分が変わったと報告されています。

研究が示すこと

研究チームは全体として、加工の条件によってニームの種子の栄養成分やミネラルの特徴が変わり、処理の方法ごとに異なる変化が現れると結論づけています。今回の研究で調べたのは化学組成の変化です。ニームの種子を食品として扱うかを考える際に、加工方法の違いが成分に関わることを示した報告といえます。

著者:SALAMI Latifat Olajumoke、AKINOSO Rahman、Lateef Oladimeji Sanni、OMONIYI Oluleye、Olatundun Esther Kajihausa、ADEBAYO Kafayat O.

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):SALAMI Latifat Olajumoke, AKINOSO Rahman, Lateef Oladimeji Sanni, et al. Effect of Roasting, Soaking and Alkaline Treatment on Chemical properties of Neem Seed (Azadirachta indica A. juss). Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) 2026-09-16. DOI: 10.5281/zenodo.22800041. 原著ライセンス:CC BY.