この研究は、ブラジルの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Acta Scientiarum Animal Sciences
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
伝統的なスープの材料を調べる
大型の淡水魚ピラルクは、切り身だけでなく、頭や背骨もスープの材料として利用されています。しかし、こうした部位の栄養成分は十分に分かっていませんでした。研究チームは、頭と背骨を使ったスープの栄養的な特徴を知るため、これらの部位に含まれるミネラルと脂肪酸を調べました。
対象は養殖された体重8.1〜11キログラムのピラルク12匹です。研究チームは頭と背骨から試料を採取し、凍結させて水分を取り除く凍結乾燥などの処理を行いました。その後、ミネラルを測定するとともに、脂質を抽出し、脂肪を構成する脂肪酸の種類と割合を分析しました。
ミネラルと多様な脂肪酸を確認
著者らは、頭と背骨に鉄、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムが含まれ、特にカルシウムとマグネシウムの含有量が高かったと報告しています。ミネラルの測定結果は、成人の一日の摂取量の目安とも比較されました。
脂肪酸の組成では、飽和脂肪酸が54.69%、不飽和脂肪酸が39.95%と報告されました。不飽和脂肪酸のうち、複数の二重結合を持つ多価不飽和脂肪酸は8.24%でした。オメガ3脂肪酸のEPAとDHAも確認され、それぞれ分析した脂肪酸全体の1.09%、0.17%を占めました。これらは頭や背骨そのものの重量に対する割合ではなく、脂肪酸の組成を示す値です。
切り身以外の部位を生かす手がかり
著者らは、ミネラルやEPA、DHAを含むことから、ピラルクの頭と背骨を栄養面で活用できる部位と位置づけ、スープやソースなどの食品への利用を支持しています。今回の研究は成分を調べたもので、食べた人の健康への影響を直接確かめたものではありません。
研究が伝えるのは、加工時に残る頭や背骨にも栄養成分が含まれ、切り身以外の部位を食品として生かす意義があるということです。
著者:Antônia Valcemira Domingos de Oliveira(Universidade Federal do Acre)、Sarah Lima de Oliveira(Universidade Federal do Acre)、Ana Sabrina Coutinho Marques Rocha(Universidade Federal do Acre / Universidade Federal de Rondônia)、Maria Luiza Rodrigues de Souza(Universidade Estadual de Maringá)、Francisco Hermes Santos Silva(Universidade Federal do Acre)、Jerônimo Vieira Dantas Filho(Afya Centro Universitário de Ji-Paraná)、Jucilene Braitenbach Cavali(Universidade Federal do Acre / Universidade Federal de Rondônia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Antônia Valcemira Domingos de Oliveira, Sarah Lima de Oliveira, Ana Sabrina Coutinho Marques Rocha, et al. Mineral and fatty acid profiles in spine and head broth of pirarucu (Arapaima gigas). Acta Scientiarum Animal Sciences 2026-09-08. DOI: 10.4025/actascianimsci.v48i1.75991. 原著ライセンス:CC BY.