著者の所属・活動拠点の国は、ガーナです。

掲載誌:Food as Medicine

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

食品原料としての品種ごとの特徴を調べる

ナツメヤシの果実であるデーツは、乾燥して粉末にすると、甘味や風味を加える食品原料として利用できます。研究チームは、メジョール(Medjool)、バルヒ(Barhee)、マクトゥーム(Maktoom)の3品種について、成分や色、水・油を取り込む性質を比較し、食品加工に関わる特徴を調べました。

研究チームは市場の3つの供給業者から試料を購入し、種を取り除いて洗浄した後、37℃で20分間マイクロ波乾燥しました。その後、粉砕してふるいにかけ、粒の大きさをそろえた粉末を測定に用いました。

色やたんぱく質、粗繊維に違い

著者らは、メジョールの粉末は他の2品種より赤みと黄みが強く、明るさの測定値も最も高かったと報告しています。また、粉末から水に溶け出す成分を測ると、メジョールとマクトゥームはバルヒより可溶性固形分が多い結果でした。著者らは、この違いが甘味や風味の強さに関わる可能性を示しています。

たんぱく質の含有率はメジョールが3.43%で、バルヒの2.90%、マクトゥームの2.71%より有意に高い値でした。一方、所定の酸・アルカリ処理後に残る繊維分として測った「粗繊維」は、マクトゥームが1.98%、バルヒが1.89%で、メジョールの1.48%より有意に多くなりました。水分、脂質、灰分、炭水化物の含有率には、品種間で統計的に有意な差は認められませんでした。

水と油を取り込む性質も品種によって異なる

粉末の加工特性では、マクトゥームが他の2品種より水を取り込んで保持する能力に優れ、水を加えた後の体積の増加率も高い結果でした。一方、油を取り込む能力はメジョールが最も高く、マクトゥームが最も低くなりました。水を加えた後の重さをもとに評価する「膨潤能力」はマクトゥームで最大でしたが、この指標には品種間の有意差はありませんでした。

著者らは、こうした成分や色、吸水・吸油特性の違いが、食品原料として品種を選ぶ際の手がかりになるとしています。同じデーツ粉末でも、求める色合いや水分・油分の保持特性に応じて、品種を使い分ける意味を示す研究です。

原著論文の著者・所属:Nihadatu Sawarugu Mohammed(Department of Agricultural Mechanisation and Irrigation Technology , Faculty of Agriculture, Food and Consumer Sciences , University for Development Studies , Tamale P.O. Box TL 1882 , Ghana;)、Matthew Atongbiik Achaglinkame、Evans Adingba Alenyorege(Department of Agricultural Mechanisation and Irrigation Technology , Faculty of Agriculture, Food and Consumer Sciences , University for Development Studies , Tamale P.O. Box TL 1882 , Ghana;)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Nihadatu Sawarugu Mohammed, Matthew Atongbiik Achaglinkame, Evans Adingba Alenyorege. Characterisation of Physicochemical and Functional Properties of Three Date Fruit Varieties. Food as Medicine 2026-11-02. DOI: 10.53941/fm.2026.100010. 原著ライセンス:CC BY.