肌荒れや口内炎が気になるとき、意識して摂りたくなるのが「ビタミンB2」です。リボフラビンとも呼ばれ、皮膚や粘膜の健康を保ち、食事から摂った栄養素の代謝を助ける重要な成分です。食事摂取基準では成人女性(30〜49歳)の推奨量は1日1.2mgです。
ビタミンB2といえば「レバー」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、食品成分表(100gあたり)の数値を見ると、意外な食品がトップに君臨しています。
堂々の1位は北海道の珍味「めふん」
日本食品標準成分表でビタミンB2含有量の第1位に輝くのは、白鮭(サケ)の背わたを塩辛にした北海道の伝統的な珍味「めふん」です。しろさけ(めふん)は、100gあたりのビタミンB2が6.38mgです。2位の豚(スモークレバー)は5.17mgで、その差は1.21mgです。めふんは塩辛という性質上、食塩相当量は100gあたり14.7gと高く、実際に食卓に上るのはごく少量です。100gまとめて食べる食品ではない点を踏まえたうえでの、成分表の100gあたりの順位です。
めふんはビタミンB2に加え、ビタミンB12やレチノール(ビタミンA)も含む食品です。数値は下の表にまとめました。
| 順位 | 食品 | ビタミンB2 | 参考:その他の主な成分 |
|---|---|---|---|
| 1位 | しろさけ(めふん) | 6.38mg | ビタミンB12 330µg、レチノール250µg、食塩相当量14.7g |
| 2位 | 豚(スモークレバー) | 5.17mg | モリブデン190µg、レチノール17000µg |
| 3位 | 酵母(パン酵母・乾燥) | 3.72mg | - |
| 4位 | 豚(副生物・肝臓・生) | 3.60mg | レチノール13000µg |
| 5位 | 牛(副生物・肝臓・生) | 3.00mg | - |
3位から5位は僅差、めふんとスモークレバーは一段上です
数字を並べてみると、3位の酵母(パン酵母・乾燥)と4位の豚(副生物・肝臓・生)の差はわずか0.12mgで、両者はほぼ並んでいます。4位と5位の牛(副生物・肝臓・生)の差も0.6mgと小さく、3位から5位はいずれも僅差で並ぶ一群です。一方、2位と3位の間には1.45mgという、隣り合う順位の中で最も大きな差が開いています。
レバーを食べるなら、「食べる量」にご注意を
「それなら、めふんやレバーをたくさん食べればいい!」と言いたいところですが、成分表の「100gあたり」という基準には大きな落とし穴があります。これらはどれも、一度に100gも食べるような食品ではないからです。塩辛であるめふんは、100g中に14.7gもの食塩を含みます。豚のスモークレバーと豚・牛のレバーは、ビタミンB2だけでなくビタミンA(レチノール)も際立って多いためです。ビタミンAには成人で1日2700μgRAEの耐容上限量が定められており、量で見ると、豚のスモークレバーは可食部およそ16g、豚の生のレバーはおよそ21gでこの上限量に達する計算になります。ビタミンAの過剰摂取による健康障害が報告されているのは、サプリメントや動物のレバーを大量にとった場合が多く、レバーを食べる日は量を意識したい成分です。豚のスモークレバーはこのほかモリブデンも100gあたり190µgと多く含んでいます。モリブデンは、体の中で尿酸を作る働きや、体に入った物質を無毒化する働きを助ける酵素の材料になる、ごく微量で足りるミネラルです。※これは栄養素一般の働きの説明であり、特定の食品の効果を示すものではありません。
毎日の食卓で、無理なくビタミンB2を
ここまでの上位食品は、めふんもスモークレバーも酵母も肝臓も、日々の食卓で100gをそのまま食べる食品ではありません。成分表の100gあたりで見た順位である点を踏まえると、ふだんの食事でビタミンB2を意識するなら、もっと身近な食品にも目を向けられます。たとえばあまのり(ほしのり)は100gあたり2.68mgのビタミンB2を含んでいます。アーモンド(乾)は1.06mg、だいずを使った糸引き納豆は0.56mgです。上位5食品ほどの数値ではありませんが、日常の食卓に並びやすい食品にもビタミンB2はしっかり含まれています。
ビタミンB2は、余分にとった分が速やかに尿へ排出されるため、通常の食事でとりすぎを心配する必要はないとされています。あまのりの2.68mgは、5位の牛のレバー(3.00mg)とそれほど変わらない量です。上位の珍しい食品を探さなくても、のりや納豆といった身近な一品を食卓に加えるだけで、この栄養素はしっかりとれます。
【摂取量の目安】豚(スモークレバー)は、ビタミンAが可食部およそ16gで耐容上限量2700μgRAE(ビタミンAとしての量)に達します。 豚(副生物・肝臓・生)は、ビタミンAが可食部およそ21gで耐容上限量2700μgRAE(ビタミンAとしての量)に達します。 ビタミンAは肝臓にたまり、とりすぎると肝臓の障害が起きることが知られています。妊娠中は胎児への影響が報告されているため、上限を超えないようにしましょう。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)および日本人の食事摂取基準(2025年版)のデータ等をもとに作成しました。
栄養素のはたらき・摂取基準の記述は、次の公的資料に基づきます:厚生労働省 食事摂取基準