著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:KnE Life Sciences

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

「発育阻害(スタンティング)」とは、年齢に対して身長が低い状態を指します。研究では、同じ年齢の基準と比べて身長がどれだけ離れているかを示す「年齢別身長Zスコア(HAZ)」が、基準から標準偏差の2倍を超えて下回る場合と定義されています。著者らは、発育阻害が子どもの身体的・認知的な発達を妨げると述べています。

研究チームは、インドネシア・中部ジャワ州ボヨラリ県で、発育阻害のある子どもに補助食(現地で「PMT」と呼ばれる追加の食事提供)を与えると栄養状態に影響があるかを調べました。論文の題名によると、この補助食は卵を用いた介入です。

どのように調べたか

研究には71人の子どもが参加しました。介入を受けるグループと受けない比較グループ(対照群)を設け、90日間の介入の前後で状態を比べる方法がとられています。

食事からの栄養摂取は、24時間に食べたものを聞き取る調査を2回行って評価しました。どれだけ多様な種類の食品を食べているかは、「個人食事多様性スコア(IDDS)」という指標で調べています。子どもの特徴や食事に関する情報は聞き取りで集め、栄養状態は直接の測定によって把握しました。

主な結果

著者らの報告によると、エネルギーの充足度、三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)、亜鉛、鉄の摂取に統計的に意味のある差がみられました。一方、1日のカルシウム摂取量には、介入後に意味のある差はみられませんでした。なお、抄録では、これらの栄養摂取の差がグループ間の比較によるものか、介入前後の比較によるものかは明記されていません。

介入後には、介入群と対照群の間で、食事の多様性、年齢別身長Zスコア(HAZ)、年齢別体重Zスコア(WAZ)に意味のある差があり、それぞれの改善幅にも差がみられたと報告されています。

これに対し、身長に対する体重のバランスを示す「身長別体重Zスコア(WHZ)」は、介入後の値も改善幅も、両グループ間で意味のある差はみられませんでした。

この研究が示すこと

この研究では、発育阻害のある子どもへの90日間の補助食提供のあと、食事の多様性と、年齢に対する身長・体重の指標で、比較グループとの差が報告されました。エネルギーや一部の栄養素の摂取にも差がみられたとされていますが、その差がどの比較によるものかは抄録からは分かりません。一方で、カルシウム摂取や身長に対する体重の指標には差がみられず、指標によって結果が異なっていたことも伝えています。

原著論文の著者・所属:Yannie Asrie Widanti(Food Technology Study Program, Faculty of Food Technology and Industry, Slamet Riyadi University, Surakarta)、Timothy Theodosius Yesha(Department of Community Nutrition, Faculty of Human Ecology, IPB University Bogor)、Ali Khomsan(Department of Community Nutrition, Faculty of Human Ecology, IPB University Bogor)、Dadang Sukandar(Department of Community Nutrition, Faculty of Human Ecology, IPB University Bogor)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Yannie Asrie Widanti, Timothy Theodosius Yesha, Ali Khomsan, et al. The Effect of Egg Intervention on the Nutritional Status of Stunted Children in Boyolali Regency, Central Java. KnE Life Sciences 2026-08-10. DOI: 10.18502/kls.v10i1.21470. 原著ライセンス:CC BY.