著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:INSOLOGI Jurnal Sains dan Teknologi
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的:甘い茶飲料と10代の体格
10代は体が急速に成長する時期で、十分でバランスのよい栄養が欠かせません。一方で、この年代では生活習慣や食べ方の変化から、砂糖入りの甘い飲み物を日常的に飲む習慣が広がりやすいとされています。著者らは先行研究を引き、インドネシアの甘いパッケージ入り飲料は1パッケージあたりおよそ37〜54グラムの砂糖を含むと紹介しています。砂糖をとりすぎると1日のエネルギー摂取量が増え、過体重や肥満につながるおそれがあります。
インドネシアでは、容器に詰めて売られるパッケージ入りの茶飲料が多くのブランドから発売されています。味のバリエーションや目を引く容器、積極的な宣伝もあって若者に人気があり、ミニマーケットや学校の食堂、周辺の店で手軽に買えます。甘い飲み物全般と栄養状態の関係を調べた研究はこれまでにも多くありますが、結果は一致していません。また、パッケージ入り茶飲料に絞って飲む頻度を調べた研究は限られていました。そこで研究チームは、中部ジャワ州バニュマス県にある国立職業高校SMKN 1 Purwokertoの生徒を対象に、パッケージ入り茶飲料を飲む頻度と栄養状態のあいだに関連があるかを調べました。
どのように調べたか
この研究は、ある一時点で生徒の飲用習慣と体格を同時に調べる「横断研究」です。対象は10年生(日本の高校1年生に相当)のうち、会計・財務系学科の生徒179人です。この中から各クラスの人数に比例するように無作為に123人を選びました。回答者の多くは16歳で、約9割が女子でした。
飲用頻度は「食物摂取頻度調査票(FFQ)」で調べました。これは、決められた食品や飲料をどのくらいの頻度でとっているかを答えてもらう質問票です。研究チームは市場調査をもとに、ブランドや容量、味の異なる173種類のパッケージ入り茶飲料を一覧にした独自の調査票を作りました。回答した頻度ごとに点数をつけ、全種類の点数を合計して、中央値を境に「あまり飲まない」群と「よく飲む」群に分けました。点数は、飲んだことがない場合が0点、1日3回以上の場合が50点です。
栄養状態は、体重と身長を測ってBMIを求め、同じ年齢の基準と比べた値(年齢別BMIのzスコア)で判定しました。生徒は「過体重・肥満でない」群と「過体重・肥満」群の2つに分けられました。そのうえで、飲用頻度と栄養状態に関連があるかどうかを、カイ二乗検定という統計手法で確かめました。
主な結果
123人のうち、パッケージ入り茶飲料を「あまり飲まない」生徒は64人(52%)、「よく飲む」生徒は59人(48%)でした。栄養状態では、108人(87.8%)が過体重・肥満ではなく、15人(12.2%)が過体重・肥満に分類されました。
過体重・肥満の割合は、あまり飲まない群で7.8%(64人中5人)、よく飲む群で16.9%(59人中10人)でした。過体重・肥満の生徒の約3分の2はよく飲む群に属していました。著者らはこれを、よく飲む生徒ほど過体重・肥満が多い傾向がうかがえるものとして記しています。ただし統計検定の結果はp値0.204で、統計的に有意とみなす基準(0.05未満)には届きませんでした。そのため論文は、パッケージ入り茶飲料を飲む頻度と栄養状態のあいだに有意な関連は認められなかったと報告しています。
関連が見られなかった理由について、著者らは主に次の点を挙げています。この研究が調べたのは茶飲料を飲む「頻度」だけで、ほかの食べ物や飲み物を含めた1日の総エネルギー摂取量や消費量は分析していません。体格は全体のエネルギーの出入りのバランスで決まるため、茶飲料をよく飲む生徒が必ずしもエネルギーをとりすぎているとは限りません。また著者らは、生徒が学校で課外活動への参加を求められていることから、ある程度体を動かしていたことも影響した可能性があると考察しています。
この研究が示すこと
この研究は、インドネシアのある職業高校の生徒について、パッケージ入り茶飲料という特定の甘い飲み物を飲む頻度と体格との関係を調べた報告です。今回の対象者では、よく飲む群で過体重・肥満の割合が高めに見えたものの、統計的に有意な関連は確認されませんでした。著者ら自身も、飲む頻度だけでは食事全体のエネルギーの収支をとらえられないことを限界として挙げており、一つの飲料の頻度だけで栄養状態との関係を判断することの難しさがうかがえる結果です。
原著論文の著者・所属:Nesya Anggita Rahmadhani(Universitas Muhammadiyah Surakarta)、Farida Nur Isnaeni(Universitas Muhammadiyah Surakarta)、Siti Zulaekah(Universitas Muhammadiyah Surakarta)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Nesya Anggita Rahmadhani, Farida Nur Isnaeni, Siti Zulaekah. Hubungan Frekuensi Konsumsi Minuman Teh Kemasan dengan Status Gizi Remaja di SMKN 1 Purwokerto. INSOLOGI Jurnal Sains dan Teknologi 2026-08-07. DOI: 10.55123/insologi.v5i4.9069. 原著ライセンス:CC BY.