著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Springer Link (Chiba Institute of Technology)

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: Crossref

研究の目的

年齢に比べて身長が低い状態が続く「発育阻害(スタンティング)」は、インドネシアで今も大きな公衆衛生上の課題とされています。研究チームは、たんぱく質の摂取不足や感染症を繰り返すことが、幼い子どもの身長の伸びを妨げる可能性があることに着目しました。

この研究は、スマラン市のバンダルハルジョ地域の一次保健医療施設の管轄区域に住む生後24〜59か月の子どもを対象に、たんぱく質の摂取量と感染症の負担が発育阻害とどのように関連しているかを調べたものです。

調べた方法

研究は、ある一時点で子どもたちの状態を調べる横断研究として行われました。抄録によると、層ごとの人数の比率を保ちながら無作為に選ばれた106人の子どもが対象です。

たんぱく質の摂取量は、食品をどのくらいの頻度と量で食べているかを尋ねる半定量的食物摂取頻度調査票で評価されました。感染症については、下痢と急性呼吸器感染症にかかった頻度と期間を、決まった質問項目による聞き取りで調べています。発育阻害は、同じ年齢の子どもの標準と比べた身長の指標(身長年齢zスコア)がマイナス2標準偏差を下回る場合と定義されました。データは相関の分析とロジスティック回帰分析で解析されています。

主な結果

対象児のうち発育阻害にあたる子どもは34.9%でした。平均たんぱく質摂取量は、発育阻害のある子どもで47.87グラム、ない子どもで58.91グラムと、発育阻害のある子どもの方が少なかったと報告されています。

発育阻害は、たんぱく質摂取量の少なさ、急性呼吸器感染症にかかる頻度、下痢が続く期間、急性呼吸器感染症が続く期間などと統計的に有意な関連を示しました。

さらに複数の要因をまとめて検討した分析では、下痢を頻繁に起こすことが発育阻害と最も強く関連する要因とされました。著者らの報告では、下痢を頻繁に起こすことに関するオッズ比(起こりやすさの比)は約7.9でした。

研究が示すこと

この研究は、対象地域の幼い子どもにおいて、発育阻害がたんぱく質の摂取不足だけでなく、下痢や呼吸器の感染症を繰り返すこととも関連していることを示しています。中でも頻繁な下痢が最も強い関連を示した点が、研究チームの主な結論です。

ただし、一時点の状態を調べた研究であるため、示されたのは関連であり、これらの要因が発育阻害を引き起こしたことまでを確かめたものではありません。

原著論文の著者・所属:Shinta Wahida Nurjannah(Department of Nutrition, Faculty of Medicine, Universitas Negeri Semarang, Indonesia)、Aryanti Setyaningsih(Department of Nutrition, Faculty of Medicine, Universitas Negeri Semarang, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Shinta Wahida Nurjannah, Aryanti Setyaningsih. Protein intake and infectious disease burden as factors associated with stunting among children aged 24 – 59 months. Springer Link (Chiba Institute of Technology) 2026-08-06. DOI: 10.1051/bioconf/202624705011. 原著ライセンス:CC BY.