研究論文紹介記事一覧
発表された国内外の研究論文のうち「CC BY CC BY-SA CC0」ライセンスが付与され、内容が要約できる研究論文を紹介しています。その他、毎時収集した研究論文一覧を見る
エルゴチオネインが実験的大腸炎を和らげる――腸のバリア・炎症・腸内細菌への多面的な働きを報告
炎症性腸疾患(IBD)は腸に炎症が起こる病気で、腹痛や下痢、体重減少といった症状が現れます。研究チームによれば、世界で約800万人が影響を受けており、都市化や生活様式の変化を背景に有病率は上昇し続けているとされています。腸の上皮バリアの機能低下、腸内細菌のバランスの乱れ、免疫応答の異常が中心的な病態…
公開日: 2026年09月16日 05:11
ザクロの搾りかす由来成分とプロバイオティクスを一緒に包んだマイクロカプセル——胃酸に耐えて腸へ届ける工夫
プロバイオティクスは、十分な量を摂ったときに腸内で定着し、腸内細菌のバランスを整えて健康に寄与するとされる生きた微生物です。ただし論文によれば、腸に届く生菌数は1グラムあたり10の6乗〜10の7乗個以上が必要とされる一方で、菌は高温、低いpH、酸素、胃酸、胆汁酸塩、消化酵素といった過酷な環境にさらさ…
公開日: 2026年09月15日 20:29
腸内細菌由来の代謝物が肝臓の脂肪蓄積を抑える仕組みを報告した研究
代謝機能障害に関連する脂肪性肝疾患(MASLD)は、肝臓に脂肪がたまる病気です。これまでの研究から、腸内細菌叢(腸にすむ細菌の集まり)がこの病気の発生や進行に重要な役割を果たすことが知られていました。しかし、そこでどのような分子レベルの仕組みが働いているのかは、十分に解明されていませんでした。
公開日: 2026年09月15日 07:39
ナマコの病原菌ビブリオ・ハーベイに対抗する新しいバクテリオファージの分離と特性解析
マナマコ(Apostichopus japonicus)は中国の渤海・黄海沿岸で養殖される代表的な水産生物ですが、「皮膚潰瘍症」と呼ばれる病気によって大量死が起こり、産業に深刻な被害が出ています。この病気の原因となる病原体のひとつが、海水中に広く分布するグラム陰性菌ビブリオ・ハーベイ(Vibrio …
公開日: 2026年09月14日 21:51
プロバイオティクスの「芽胞」を運び手にした飲み薬 ― 腸と脳の両方に働きかけるパーキンソン病治療の研究
パーキンソン病は、脳の中でドパミンを作る神経細胞が失われることで、運動の障害や記憶の低下が起こる病気です。現在の治療の中心は、不足したドパミンを補う薬(レボドパなど)ですが、研究チームは、この方法では神経細胞そのものを守る働きが乏しく、病気の進行を抑えたり後戻りさせたりすることは難しいと指摘していま…
公開日: 2026年09月14日 19:49
酒づくりの「入れる順番」が変える米酒の風味と成分 ― セッコク(Dendrobium nobile)を加えた発酵の研究
日本酒や黄酒のような米を原料とする醸造酒では、酵母をどう組み合わせて発酵させるかが、香りや味わいを大きく左右します。近年は、アルコール発酵の主役であるサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae、いわゆる清酒酵母などの仲間)だけでなく、アルコールをつくる力は弱いものの…
公開日: 2026年09月14日 02:40
高地に暮らす人々の食事パターンと骨粗鬆症リスク――腸内細菌と血漿代謝物に注目した症例対照研究
この研究で著者らが調べたのは、ふだんの食事のとり方(食事パターン)と骨粗鬆症とのつながりです。骨粗鬆症は骨がもろくなる状態を指します。著者らはさらに、腸内細菌叢(腸のなかにすむ細菌の集まり)と血漿代謝物(血液の液体成分に含まれる、体内での物質のやりとりの産物)が、その食事と病気のつながりを橋渡しする…
公開日: 2026年09月14日 01:51
塩ストレス下で乳酸菌が示すチロシン代謝の変化を多層オミクスで探る
発酵食品には、原料のタンパク質が分解されてできるアミノ酸が蓄積します。その一つであるチロシンは、量が増えると製品の品質上の問題につながることが知られています。研究チームは、こうしたチロシンに関わる品質課題を管理する手がかりを得るため、発酵食品から分離した細菌に注目しました。
公開日: 2026年09月14日 00:25
腸の炎症をやわらげる酪酸菌「CB-a株」——腸内細菌と代謝産物のつながりから探る
わたしたちの腸には、無数の細菌が複雑な生態系をつくっています。研究チームはその序論で、食事の大きな変化や化学的なストレスによってこのバランスが崩れる状態(ディスバイオシス)が、炎症性腸疾患(IBD、腸に慢性的な炎症が起きる病気)の成り立ちと関わると説明しています。バランスが崩れた腸では、細菌の多様性…
公開日: 2026年09月13日 16:38
油かす(搾油かす)を発酵で活かす:飼料や機能性食品への応用に向けた研究動向
大豆油や菜種油などを搾ったあとに残る「油糧粕(ゆりょうかす)」は、タンパク質や食物繊維、ミネラルを豊富に含む副産物です。しかし、そのままでは消化を妨げる成分(抗栄養因子)が含まれているため、飼料や食品としての高付加価値な利用が制限されてきました。中国・江蘇大学食品科学工程学院などの研究グループは、微…
公開日: 2026年09月10日 08:39
腸内細菌が病原体の侵入を防ぐ仕組みとは:微生物代謝産物とコロニー形成抵抗性を整理した総説
お腹の中には無数の細菌がすみついていますが、これらは単なる同居人ではなく、食中毒や院内感染の原因となる病原体の定着を妨げる『防御ライン』としても働いていると考えられています。この現象は『コロニー形成抵抗性』と呼ばれ、腸内細菌が作り出す代謝産物が重要な役割を担うとされています。中国・鄭州にある河南工業…
公開日: 2026年09月08日 20:43
ペクチンから作るオリゴ糖、糖の組成の違いで腸内細菌への働き方が変わる可能性
食物繊維が腸内細菌のえさになり、健康にさまざまな影響を及ぼすことは広く知られています。なかでも果物や野菜に含まれる多糖類「ペクチン」を分解して作られる「ペクチンオリゴ糖」は、次世代のプレバイオティクス(腸内の善玉菌を増やす働きが期待される食品成分)候補として注目されています。ただし、ペクチンオリゴ糖…
公開日: 2026年09月08日 05:02