著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Kesmas dan Gizi (JKG)

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

研究の目的

2型糖尿病は、血糖を下げるホルモンであるインスリンの分泌が不足したり、インスリンが効きにくくなったりすることで、血液中のブドウ糖(血糖)が高い状態が続く慢性の病気です。血糖のコントロールは薬による治療だけでなく、食事や活動量、体格などの生活面の要因にも左右されると考えられています。

インドネシア保健省は糖尿病のある人に向けて、食事の「量(Jumlah)」「種類(Jenis)」「時間(Jadwal)」の三つを適切に保つ「3J」という食事の原則を勧めています。インドネシアのスラバヤ国立大学の研究チームは、この3Jに沿った食事の状況、座って過ごす時間が長い生活(座りがちな生活)、栄養状態の三つが、2型糖尿病の外来患者の随時血糖値とどのように関連しているかを調べました。随時血糖値とは、食事の時刻に関係なくその場で測った血糖値のことです。

調べた方法

研究は東ジャワ州のバンギル地域病院で行われ、定期的に通院している2型糖尿病の外来患者107人が対象となりました。データはある一時点でまとめて集める「横断研究」という方法で収集されています。

食事については、食品をどのくらいの頻度・量で食べているかを尋ねる半定量的な食物摂取頻度調査票を使い、エネルギー、炭水化物、たんぱく質、脂質の摂取量に加え、食品の種類や食事時間の規則性を評価しました。座りがちな生活の程度は国際的に使われている身体活動の質問票で、栄養状態は身長と体重から求める体格指数(BMI)で判定しました。随時血糖値は病院の内科外来で血糖測定器を使って直接測定されました。各要因と血糖値の関連の強さと向きは、順位をもとにした相関分析で調べています。

主な結果

対象者の特徴として、座って過ごす時間が1日5時間を超える人が97.2%を占め、BMIでは肥満(1度)に当たる人が46.7%と最も多くなっていました。炭水化物、たんぱく質、脂質の摂取が推奨量を上回る人もそれぞれ過半数を占め、食事時間が不規則な人は72.9%でした。随時血糖値が200mg/dL以上の高い値だった人は61.7%でした。

関連を調べた結果、論文は調べたすべての要因が随時血糖値と統計的に意味のある関連を示したと報告しています。とくに強い関連が見られたのは、栄養状態(相関係数0.728)、炭水化物の摂取量(0.681)、座りがちな生活(0.652)で、いずれもBMIが高いほど、炭水化物が多いほど、座っている時間が長いほど、随時血糖値も高い傾向がありました。

一方、エネルギー、たんぱく質、脂質の摂取量は、血糖値と逆向きの比較的弱い関連を示しました。また、食品の種類が推奨に沿っているほど、また食事時間が規則的であるほど、随時血糖値は低い傾向にあったと著者らは報告しています。

研究が示すこと

この研究は、一つの病院の外来患者を一時点で調べたもので、示されたのは要因と血糖値の間の関連であり、どちらが原因かを直接確かめたものではありません。そのうえで著者らは、2型糖尿病の血糖コントロールは薬だけでなく、食事の量・種類・時間の整え方、座りがちな生活の見直し、体重を含む栄養状態の管理と深く結びついていると結論づけています。

対象となった患者の多くが長時間座って過ごし、肥満の割合も高かったという実態とあわせて、日々の生活習慣が血糖値と密接に関わっている様子を、地域の病院のデータから具体的に示した研究といえます。

原著論文の著者・所属:Firda Tri Ayunda Maharani(Universitas Negeri Surabaya)、Wildan Alfira Gusrianto(Universitas Negeri Surabaya)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Firda Tri Ayunda Maharani, Wildan Alfira Gusrianto. The Association Between 3J Eating Patterns, Sedentary Lifestyle, and Nutritional Status With Random Blood Glucose Level in Type 2 Diabetes Mellitus Outpatiens at Bangil Regional Hospital. Jurnal Kesmas dan Gizi (JKG) 2026-10-28. DOI: 10.35451/bn42zh46. 原著ライセンス:CC BY.