掲載誌:Quantum Wellness : Jurnal Ilmu Kesehatan

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的:思春期の「栄養の二重負荷」を背景に

思春期は急速な成長や体の変化が起こり、大人になってからも続きやすい健康習慣が形づくられる時期です。著者らによると、近年の思春期の栄養問題には「栄養不良の二重負荷」と呼ばれる傾向があります。これは、同じ集団の中に栄養不足の人と栄養過多の人が同時に存在する状態を指します。

論文は背景として、2023年にインドネシアの中高生を対象に行われた国際的な学校保健調査を紹介しています。この調査では、体重不足の生徒が12.1%、過体重が15.0%、肥満が4.6%でした。さらに78.9%の生徒が、過去7日間に1日60分以上の身体活動をしていなかったと報告されています。

こうした状況を踏まえ、研究チームはインドネシア南スラウェシ州マカッサル市の公立第27中学校で調査を行いました。目的は、座りがちな生活、間食(買い食い)の習慣、食事パターンの三つが、生徒の栄養状態とどのように関連しているかを明らかにすることです。

調べた方法

研究は、ある一時点の状態を調べて要因どうしの関係を見る「横断研究」として、2026年5〜6月に行われました。対象は7年生と8年生の生徒74人で、13歳と14歳がそれぞれ半数でした。対象者は、集団をいくつかのグループに分けたうえで各グループから無作為に選ぶ「層化無作為抽出」という方法で選ばれています。

データは質問票で集め、身長計と体重計も使いました。座りがちな生活は、思春期向けの座位活動質問票で把握しています。座位活動とは、座ったり横になったりして、エネルギーをほとんど使わずに過ごす起きている時間の活動のことです。

栄養状態は「正常」と「栄養過多」の二つに分けられました。栄養過多には、過体重と肥満の両方が含まれます。三つの生活習慣はいずれも二区分にされ、それぞれの区分で栄養過多の生徒の割合がどう違うかを、カイ二乗検定という統計手法で比べました。

主な結果

74人のうち、栄養状態が正常だったのは58人(78.4%)、栄養過多は16人(21.6%)でした。座りがちな時間が「多い」に分類された生徒は32.4%、間食習慣が「多い」生徒は37.8%、食事パターンが「正常でない」生徒は32.4%でした。

座りがちな時間が多い生徒24人のうち、栄養過多は41.7%でした。多くない生徒では12.0%にとどまりました。間食習慣についても、多い生徒では39.3%、多くない生徒では10.9%が栄養過多でした。食事パターンが正常でない生徒では41.7%、正常な生徒では12.0%が栄養過多でした。

三つの要因はいずれも、栄養状態と統計的に意味のある関連を示しました(座りがちな生活 p=0.009、間食習慣 p=0.010、食事パターン p=0.009)。ただし、これは同時点での関連を示すものであり、どちらが原因かを確かめたものではありません。

結果の読み方と意味

著者らは、解釈にあたって注意すべき点も挙げています。食事パターンの「正常でない」区分には、食べる量が必要量より少ない場合と多い場合の両方が含まれています。この二つは、体への影響の方向が異なります。また、間食が多くても正常な栄養状態の生徒は28人中17人いました。このことから著者らは、栄養状態が一つの行動だけで決まるわけではないと述べています。

このほか、座位時間は生徒の自己申告に基づいています。そのため、思い出し方の誤差で分類を誤る可能性があります。調査が一つの学校の74人に限られている点にも、著者らは触れています。

研究チームは、三つの習慣は互いに結びついていると考えています。たとえば、座って過ごす時間が長いと間食の機会が増える、といったつながりです。そのため、どれか一つを単独の原因とみなすのではなく、日々の活動、学校の食環境、間食、食事をまとめて見直す取り組みが望ましいと論じています。この研究は、特定の中学校の生徒の生活習慣と栄養状態の関係を具体的な数字で示し、学校での栄養状態の把握や健康的な食の選び方を考える手がかりを提供しています。

原著論文の著者・所属:Jingga Zulkarnaim(Universitas Tamalatea Makassar)、Jalil Genisa(Universitas Tamalatea Makassar)、Akmal Novrian Syahruddin(Universitas Tamalatea Makassar)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Jingga Zulkarnaim, Jalil Genisa, Akmal Novrian Syahruddin Hubungan Gaya Hidup Sedentari, Kebiasaan Jajan, dan Pola Makan dengan Status Gizi SMP Negeri 27 Makassar. Quantum Wellness : Jurnal Ilmu Kesehatan 2026-09-01. DOI: 10.62383/quwell.v3i3.3359. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。