著者の所属・活動拠点の国は、イラクです。

掲載誌:Scientific Reports in Life Sciences

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、水生シダの一種であるアゾラ(Azolla pinnata)を酵素とともに飼料へ配合すると、産卵鶏の肝臓や腎臓に関係する血液指標、血中脂質、血球の状態がどう変わるかを調べました。背景には、地域で生産できるアゾラを、既存の飼料原料に代わる栄養源として利用したいという狙いがあります。

何を、どのように調べたか

46週齢の白色レグホンの産卵鶏120羽を無作為に4群へ分け、8週間飼育しました。各群は30羽で、10羽ずつの3組から構成されました。乾燥アゾラを含まない対照群と、飼料の15%、20%、25%を乾燥アゾラとした群を比較しました。

酵素はアゾラ配合群だけでなく、対照群を含むすべての飼料に0.025%添加しました。使用したのは、植物成分などの分解を助けるキシラナーゼ、アミラーゼ、グルカナーゼの混合物です。飼料の粗たんぱく質は約17%、代謝エネルギーは約2,700 kcal/kgにそろえ、1羽当たり1日105 gを与えました。

試験終了時に採血し、肝臓に関係する酵素、血中たんぱく質、血糖、コレステロールや中性脂肪、腎臓に関係する尿酸やクレアチニンを調べました。また、赤血球数、白血球数、酸素を運ぶヘモグロビンの濃度なども測定しました。

主な報告結果

論文は、対照群に比べて15%配合群では肝臓に関係する酵素ALTが、20%配合群ではALPが有意に低下したと報告しています。また、20%配合群では血中の総たんぱく質と、その一部であるグロブリンが最も高かったとしています。一方、15%と25%の配合群では、総たんぱく質とグロブリンは対照群より低い値でした。

尿酸濃度は、アゾラを配合したすべての群で対照群より有意に低下したと報告されました。平均値は対照群の4.67 mg/dLに対し、15%配合群で3.93 mg/dL、20%配合群で3.47 mg/dL、25%配合群で3.37 mg/dLでした。

ヘモグロビン濃度は15%配合群が最も高く、平均10.20 g/dLでした。対照群は10.00 g/dL、25%配合群は8.83 g/dLで、配合割合を増やすほど高くなる結果ではありませんでした。総コレステロール、中性脂肪などの血中脂質や、血糖、赤血球数、白血球数には有意な差は認められませんでした。

この報告が示すこと

著者らは、酵素を加えたアゾラを15%または20%配合する方法について、産卵鶏の一部の生化学・血液指標を改善する飼料の選択肢になり得ると結論づけています。ただし、その結論は今回の8週間の血液検査に基づくもので、著者らが期待する産卵量の増加や飼料費の削減を直接示したものではありません。

原著論文の著者・所属:Alaa Hashim AlMoula, Sarmad Hashim Almaula, Nawaf Ghazi.Al-Tamee, Khalid Hadi Mustafa

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Alaa Hashim AlMoula, Sarmad Hashim Almaula, Nawaf Ghazi.Al-Tamee, Khalid Hadi Mustafa. Effect of enzyme-supplemented Azolla pinnata in laying hen diets on some biochemical and physiological traits. Scientific Reports in Life Sciences 2026-09-25. DOI: 10.5281/zenodo.22956788. 原著ライセンス:CC BY.