著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Pengabdian kepada Masyarakat Nusantara

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

活動の目的と背景

尿酸は、食品などに含まれるプリン体が体内で分解されたときにできる最終産物です。血液中の尿酸の値が高い状態は「高尿酸血症」と呼ばれます。論文の著者らは先行研究を引きながら、高尿酸血症が生活習慣、飲酒、果糖の摂取、プリン体の多い食事、遺伝的要因などの影響を受け、メタボリックシンドローム、腎臓の障害、糖尿病、心臓病などと関連づけられていると説明しています。

この報告は、インドネシア中部ジャワ州スマラン県ウジルにある地域の保健拠点「ポシャンドゥ・セカルワンギ2」で行われた地域貢献活動をまとめたものです。著者らによると、この地域ではこれまで尿酸をテーマにした啓発が行われたことがありませんでした。参加者が高齢者であることも踏まえ、研究チームは尿酸値の検査による早期の確認と、尿酸に関する知識を高めるための教育を目的として活動を実施しました。

どのように進められたか

活動には48〜83歳の高齢者43人が参加しました。まず、講義の前に参加者の知識を確かめる事前テストを行いました。参加者が高齢のため、質問票への記入はチームが手伝いました。質問は10項目で、尿酸値が高いときによく現れる症状、尿酸値を上げやすい食べ物や飲み物、海産物、尿酸値を下げるのに役立つ果物や野菜、尿酸値を上げる体の状態、尿酸値の改善に役立つ運動と症状を悪化させる運動、症状が出たときの対処などが含まれていました。

続いて、講義形式で情報を伝え、参加者が主体的に関わる参加型の教育も取り入れました。講義と質疑応答の後に事後テストを行い、正答数にもとづく得点を事前テストと比べて知識の変化を確かめました。あわせて参加者の尿酸値も測定しました。データは数値を集計して要約する記述的な方法で分析されています。

論文の考察では、教育内容に関わる知見として、プリン体の多い食品、海産物や赤身肉・加工肉、甘い飲み物、アルコールなどが尿酸値の上昇と関連づけられていることが紹介されています。運動については、高強度の運動を続けると乳酸がたまり尿酸の排出が妨げられる可能性がある一方、軽度から中等度の運動を定期的に行うと血中の尿酸値を下げる助けになりうるという先行研究の見方が示されています。また、症状がぶり返したときの対処として、薬による治療のほか、痛む部分を冷やすことや十分な水分をとることにも触れています。

主な結果

尿酸値の検査では、43人のうち9人(20.93%)が高い値を示したと報告されています。論文では、正常範囲を男性で4.0〜8.5mg/dL、女性で2.7〜7.3mg/dLとしています。この基準により、男性は10人中4人、女性は33人中5人が高値に分類されました。

事前テストでは、多くの参加者が尿酸値が高いときの症状については理解していました。しかし、食べ物や飲み物、体の状態、運動、症状が出たときの対処など、そのほかの項目は十分に理解されていませんでした。講義と話し合いの後の事後テストでは理解が大きく向上し、知識は平均で55.35%上昇したと報告されています。

この報告が示すこと

この活動では、地域の保健拠点に集まった高齢者の約5人に1人で尿酸値の高さが確認されました。また、尿酸に関する知識は講義の前には限られていましたが、教育の直後には大きく伸びたことが示されました。著者らは、こうした尿酸値の確認と健康教育を各地域で定期的に行うことが、高齢者の生活の質を高めるうえで重要だとまとめています。

原著論文の著者・所属:Haswan, Dedi(Universitas Ngudi Waluyo)、Susanti, Olif Rina(Universitas Ngudi Waluyo)、Astuti, Astriyani Puji(Universitas Ngudi Waluyo)、Ayuningtyas, Dwi(Universitas Ngudi Waluyo)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Haswan, Dedi, Susanti, Olif Rina, Astuti, Astriyani Puji, Ayuningtyas, Dwi Edukasi dan Skrining Asam Urat untuk Meningkatkan Pengetahuan dan Pencegahan Hiperurisemia di Posyandu Sekarwangi 2 Wujil, Kabupaten Semarang. Jurnal Pengabdian kepada Masyarakat Nusantara 2026-08-06. DOI: 10.55338/jpkmn.v7i2.9290. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。