著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Perlindungan Tanaman Indonesia (Universitas Gadjah Mada)

ライセンス: CC BY-SA 確認元: OpenAlex

研究のねらい

糖尿病の管理では、日々の食事の内容が重要です。研究チームは論文の冒頭で、食物繊維を多く含む食品が血糖のコントロールに役立つとするこれまでの報告や、糖尿病のある人には少量の食事をこまめにとり、間食を適切に取り入れる食べ方がすすめられていることを紹介しています。そのうえで、栄養面を工夫した間食用の食品を開発する余地があると述べています。

著者らが注目したのは、インドネシアで身近な食材であるカボチャと、水に溶けるタイプの食物繊維を多く含む寒天粉です。棒状のスナック食品「フードバー」はこれまでもさまざまな材料で作られてきましたが、カボチャをベースに食物繊維を多く含ませたものはまだ少ないといいます。そこで研究チームは、カボチャ粉の一部を寒天粉に置き換えたバーを試作し、置き換える割合によって栄養成分や食感、味の好まれ方がどう変わるかを調べました。

どのように調べたか

バーの主な材料はカボチャ粉、卵、マーガリン、甘味料のステビアです。カボチャ粉のうち寒天粉に置き換える割合を0%、5%、10%、15%の4段階に変え、それぞれ試作しました。生地は蒸したあと、温度を段階的に上げながらオーブンで焼いて仕上げています。

でき上がったバーについて、水分、灰分(ミネラル分の目安)、脂質、たんぱく質、炭水化物、食物繊維、β-カロテン、脂肪酸の組成を分析しました。さらに30人の訓練を受けたパネリストが、市販品と比べた硬さ・ほろほろとした崩れやすさ・べたつきを評価し、見た目や味、食感、全体の好ましさについても採点しました。最後に、複数の評価項目を総合して最もバランスのよい配合を選ぶ「デガルモの有効性指数」という手法で、最適な配合を決めています。

主な結果

寒天粉の割合を変えると、水分、灰分、脂質、たんぱく質、炭水化物、食物繊維の量に統計的に意味のある違いが出ました。食物繊維は寒天粉を使わないバーで13.06%だったのに対し、10%置き換えでは18.42%、15%置き換えでは22.03%に増えました。水分も寒天粉の割合が高いバーほど多い傾向がありました。著者らは、寒天粉が水を抱え込む性質によるものと説明しています。

一方、灰分、脂質、たんぱく質は寒天粉が増えるほど減りました。寒天粉はこれらの成分をほとんど含まないため、カボチャ粉と置き換えると全体に占める割合が薄まるためだと論文は説明しています。脂肪酸については、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸のいずれも量が変化しました。β-カロテンは、どの配合でも約2μg/gで、意味のある差はみられませんでした。

官能評価では、硬さ、崩れやすさ、べたつきといった食感の項目にも、全体の好ましさにも、配合による統計的な差は認められませんでした。寒天粉を15%まで使っても、パネリストの評価は大きく下がらなかったことになります。また、比較に用いた市販品と比べると、バーはやや柔らかいものの、崩れやすさやべたつきは同程度と評価されました。

選ばれた配合とその意味

総合評価の結果、研究チームはカボチャ粉と寒天粉を90対10で配合したバーを最適な配合として選びました。論文によると、このバー30gあたりのエネルギーは121kcalで、食物繊維は5.5g含まれ、これは1日の必要量の18%にあたります。

著者らは、このカボチャバーが高食物繊維の機能性スナックとして可能性があるとまとめています。ただし今回の研究は成分と食味を調べたもので、食べたときの血糖の反応などは調べていません。論文自身も、糖尿病のある人に適しているかどうかは脂質などの成分データだけでは判断できないと述べています。身近なカボチャ粉に寒天粉を加えることで、味や食感を大きく損なわずに食物繊維を増やせることを示した点が、この研究の成果といえます。

著者:Linda Windiarti(Department of Nutrition Sciences, College of Holistic Health Sciences, Jl. Kapten Halim KM. 9, Pondoksalam, Purwakarta 41115, Indonesia)、Swastika Dewi(Food Technology Study Program, Department of Agriculture, Faculty of Animal and Agricultural Sciences, Universitas Dipenogoro, Jl. Prof. Jacub Rais, Tembalang, Semarang 50275, Indonesia)、Aviani Harfika(Department of Nutrition Sciences, College of Holistic Health Sciences, Jl. Kapten Halim KM. 9, Pondoksalam, Purwakarta 41115, Indonesia)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Linda Windiarti, Swastika Dewi, Aviani Harfika Development, Physicochemical and Sensory Characterization of High-Fiber Snack Bar Based on Pumpkin Flour and Agar Flour. Jurnal Perlindungan Tanaman Indonesia (Universitas Gadjah Mada) 2026-10-09. DOI: 10.22146/agritech.119216. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。