研究論文紹介記事一覧
発表された国内外の研究論文のうち「CC BY CC BY-SA CC0」ライセンスが付与され、内容が要約できる研究論文を紹介しています。その他、毎時収集した研究論文一覧を見る
肥育牛の飼料添加物、抗生物質モネンシンの代替になるか——エッセンシャルオイルとα-アミラーゼの組み合わせを検証
牛肉の生産現場では、肥育期間中の飼料に穀物の割合を高めることで、成長速度やエネルギー効率を高める工夫が進んでいる。しかしこの手法は、ルーメン(第一胃)内が酸性に傾く「ルーメンアシドーシス」という消化器のトラブルを招きやすいという問題を抱えている。これを防ぐために長年使われてきたのが、モネンシンナトリ…
公開日: 2026年09月09日 05:28
野菜工場のバジルは「量」と「質」を両立できるのか 水耕栽培と土耕栽培を比べた研究
植物工場のように光や温度、養分をすべて管理しながら作物を育てる方式は、都市化や気候変動、農地不足への対応策として注目されています。なかでも高密度の垂直農場(バジルなどの葉物を何段にも積み重ねて育てる屋内農場)は、限られた面積で多くの収穫を得られる一方、成長を速めすぎると香りや風味のもとになる成分が薄…
公開日: 2026年09月07日 06:36
食料の『持続可能な生産』は本当に持続可能か——貿易が環境負荷を動かす仕組みを指数で可視化する研究
世界の人口は今後60年ほどで100億人に近づくと見込まれています。食料生産を増やしながら、気候変動や地力の低下、水不足といった環境への負荷をどう抑えるか——この難題に取り組むため、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETHチューリッヒ)とマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らが、国ごとの食料供給…
公開日: 2026年09月05日 04:57
スイス・ティチーノ州の住民調査から見えた、塩分とカリウムの摂取バランス
高血圧や心血管疾患のリスクを語るとき、塩分(ナトリウム)の摂りすぎがよく話題になりますが、実はナトリウムと並んでカリウムの摂取量も重要な指標とされています。尿の中に排出されるナトリウムとカリウムの比率(ナトリウム/カリウム比)は、日々の食事内容を映し出す鏡であると同時に、心血管系のリスクとも関連づけ…
公開日: 2026年09月04日 06:31
発酵オーツ飲料は悪玉コレステロールを下げるか―フィンランドの臨床試験から
植物性ミルクやヨーグルト代替品(プラントベース・デイリー・オルタナティブ)は市場を広げている一方、大豆ベースの製品を除くと乳製品に比べてたんぱく質が少なく、食物繊維も製品によっては十分でないことが指摘されています。オーツ麦(Avena sativa)はたんぱく質や不飽和脂肪、そして血中コレステロール…
公開日: 2026年08月31日 21:38
全粒粉パンは食後の血糖上昇を抑えるか 前糖尿病の成人を対象にした管理食試験から
白いパンを全粒粉パンに変えるだけで、血糖値の上がり方は変わるのだろうか。米国オハイオ州立大学のJillian T. Piersonらの研究グループは、前糖尿病(糖尿病予備群)と判定された肥満傾向の成人39人を対象に、食事全体を厳密に管理したうえで全粒小麦パンと精製小麦(白い)パンの効果を比較するラン…
公開日: 2026年08月31日 17:02
動物園の動物の食事に「食物繊維」は足りているか──野生の食生活を模す新たな指標をめぐる考察
動物園で飼育される動物たちは、野生の仲間と同じ種であっても、口にしている食事の中身は大きく異なることがあります。今回紹介する論文は、伴侶動物(ペット)や産業動物、そして動物園動物に共通してみられるある栄養素の不足に着目し、その栄養素こそが「野生の食事をどれだけ再現できているか」を測るものさしになりう…
公開日: 2026年08月28日 00:30
食料システムは目標を達成できるか——44指標で世界の進捗を評価した研究
「食」は健康だけでなく、環境や経済、社会の公正さにも深く関わっています。近年、各国や国際機関は食料システム(生産から流通、消費までの一連の仕組み)を持続可能な形に変えていこうという取り組みを進めてきました。しかし、こうした取り組みがどれだけ進んでいるのかを測る「共通のものさし」は、実はこれまで十分に…
公開日: 2026年08月12日 19:32
精神科入院患者の食事、何が重視される?専門家26名への調査から
入院中の食事というと、多くの人は「治療の合間に出てくる給食」というイメージを持つかもしれません。しかし近年、病院食は単なるカロリー補給の手段ではなく、治療そのものを支える臨床ケアの一部として捉え直されつつあります。特に、重度の精神疾患を抱える患者は栄養失調や心血管代謝疾患のリスクが高いことが知られて…
公開日: 2026年07月30日 01:33
ボスニア・ヘルツェゴビナでの調査に見る乳糖不耐症の実態—牛乳よりヨーグルトが優しい理由とは
牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする、という経験がある方は少なくないでしょう。これは「乳糖不耐症」と呼ばれる現象に関係していると言われています。乳糖(ラクトース)は哺乳類の乳だけに含まれる炭水化物で、母乳や牛乳の重要な成分の一つです。人がこれを摂取すると、小腸にある「 β-ガラクトシダーゼ(ラクターゼ)」…
公開日: 2026年07月23日 01:29
伝統発酵飲料はなぜ『未来の飲料』になり得るのか——古代の知恵と最新食品科学をつなぐ総説
ヨーグルトドリンクや漬物の飲み汁、伝統的な穀物発酵飲料など、発酵という技術は世界各地の食文化を支えてきました。しかし発酵はもともと「おいしくするため」だけの技術だったわけではありません。冷蔵庫のない時代、傷みやすい牛乳や穀物、果物、野菜を長持ちさせ、社会が安定して食料を確保するための重要な手段でもあ…
公開日: 2026年07月16日 06:41