著者の所属・活動拠点の国は、イラクです。

掲載誌:Revista Cultura Científica

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

収穫後の処理で品質を保てるか

研究チームは、リンゴ「グラニースミス」を収穫した後、ジャスモン酸メチル(MeJA)とγ-アミノ酪酸(GABA)の溶液に浸す処理が、冷蔵中の品質保持にどう影響するかを調べました。果実の硬さや重量、成分の変化などを比較した研究です。

濃度を変えて処理し、120日まで保存

研究チームは果樹園で収穫したリンゴを、MeJAでは0、0.75、1.5、2.5ミリモル毎リットルの溶液に5分間、GABAでは0、5、10、15ミリモル毎リットルの溶液に15分間浸す条件で比較しました。果実は温度1±1℃、相対湿度85~90%で保存し、30日、60日、120日の品質を調べました。

測定項目には、硬さ、重量の減少、酸の量、アスコルビン酸(ビタミンC)含量などが含まれます。また、120日後には、酸化に関わる物質を処理する酵素の働きも評価しました。

硬さなどは保たれたが、効果は項目によって異なる

論文は、2.5ミリモル毎リットルのMeJA処理では、MeJA濃度0の条件と比べて果実の硬さとビタミンC含量が高く保たれ、重量の減少も小さかったと報告しています。GABA処理でも硬さが保たれましたが、重量の減少、酸の量、ビタミンCへの影響は濃度によって異なりました。

一方、糖などを含む可溶性固形分と総フェノール含量については、MeJA、GABAそれぞれの処理濃度による全体的な効果に統計的な有意差は認められませんでした。120日後の抗酸化酵素の働きは処理した果実でおおむね高かったものの、最も強い反応を示す処理の組み合わせは酵素によって異なりました。

保存期間が長くなると、全体として硬さと酸の量は低下し、重量の減少と可溶性固形分は増加しました。研究結果は、MeJAやGABAへの浸漬処理が一部の品質を保つ可能性を示す一方、その効果はすべての性質に一様に現れるのではなく、測定項目や保存期間によって異なることを伝えています。

原著論文の著者・所属:Reber Khairadeen Ahmed Al-mzori(Department of Horticulture, College of Agriculture Engineering Sciences, Duhok University, Duhok, Kurdistan Region, Iraq)、Sarfaraz Fatah Ali Al-Bamarny(Department of Horticulture, College of Agriculture Engineering Sciences, Duhok University, Duhok, Kurdistan Region, Iraq)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Reber Khairadeen Ahmed Al-mzori, Sarfaraz Fatah Ali Al-Bamarny. Effects of Postharvest Methyl Jasmonate (MeJA) and γ -Aminobutyric Acid (GABA) on the Quality and Storability of Granny Smith Apple Fruit. Revista Cultura Científica 2026-11-01. DOI: 10.70517/revcc2624178. 原著ライセンス:CC BY.