掲載誌:Pendas Jurnal Ilmiah Pendidikan Dasar
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
タペ(テープ)は、インドネシアで広く親しまれている伝統的な発酵食品です。蒸したキャッサバ(芋の一種)にタペ用の麹(ラギ)をまぶし、容器に入れて室温で数日置くと、甘みと独特の香りをもつ柔らかな食品になります。
研究チームは、品質を左右する要因の一つとして発酵期間の長さに注目しました。目的は、発酵日数の違いがタペの物理的な特徴と官能特性にどう影響するかを明らかにすることです。官能特性とは、香りや味など、人の感覚で捉える性質を指します。著者らは、より良い品質のタペを作るための目安を地域の人々や生産者に示すことも念頭に置いています。
何を調べたか
研究チームは簡易的な実験を行い、発酵期間を2日間と3日間の2通りに設定して比較しました。材料は生のキャッサバ、タペ用の麹、水です。皮をむいて洗ったキャッサバを切り分け、柔らかくなりすぎない程度に蒸しました。室温まで冷ましてから粉末にした麹を全体にまぶし、清潔な容器に詰めて密閉し、開けずに室温で保管しました。
観察した項目は二つに分かれます。物理的な特徴は、食感の硬さ、色、水分量です。官能特性は、香りと味です。
主な結果
研究チームの報告によると、3日間発酵させたタペは、2日間のものより食感が柔らかくなりました。色はより透明感のある黄色みを帯び、水分量も多くなっていました。著者らはこの変化について、麹に含まれる微生物がでんぷんを単純な糖へ分解し、キャッサバの組織が柔らかく湿り気を帯び、色も変化したためと説明しています。
香りと味については、発酵が長いほど香りがタペらしくなり、味も甘くなったと報告されています。一方で著者らは、発酵が長すぎると味がやや酸っぱくなる傾向も指摘しています。微生物が糖をアルコールや有機酸へ変える働きが続くためだと説明しています。
以上から研究チームは、発酵期間がタペの品質を左右する重要な要因であり、室温で約3日間発酵させると、2日間よりも物理的な特徴と官能特性が良くなると結論づけています。
研究から伝わること
この研究は、家庭や小規模な生産でも身近に作られる伝統食品について、発酵を何日続けるかという単純な条件だけでも、食感・色・香り・味が目に見えて変わることを示しています。2日間と3日間の比較では3日間の方が好ましい特徴を示した一方、長すぎると酸味が出るとされており、発酵期間を適切に見極めることがタペの品質の鍵になると伝えています。
原著論文の著者・所属:Muliana(Universitas Muhammadiyah Bone)、Alya revalina erga(Universitas Muhammadiyah Bone)、Sarma Fitri Ramadani(Universitas Muhammadiyah Bone)、Nur Aenil(Universitas Muhammadiyah Bone)、Nurul Atika(Universitas Muhammadiyah Bone)、Risna(Universitas Muhammadiyah Bone)、Muhammad Danil(Universitas Muhammadiyah Bone)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Muliana, Alya revalina erga, Sarma Fitri Ramadani, et al. PENGARUH LAMA FERMENTASI TERHADAP KARAKTERISTIK FISIK, DAN ORGANOLEPTIK TAPE SINGKONG. Pendas Jurnal Ilmiah Pendidikan Dasar 2026-10-27. DOI: 10.23969/jp.v11i04.70859. 原著ライセンス:CC BY.