著者の所属・活動拠点の国は、インドです。

掲載誌:European Journal of Nutrition & Food Safety

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

フィッシュフィンガーは、魚肉を棒状に成形して衣をつけた加工食品です。研究チームは、コイ科の淡水魚ソウギョ(学名 Ctenopharyngodon idella)のミンチ肉を使ってフィッシュフィンガーを作り、その品質と冷凍保存中の安定性を調べました。あわせて、調理法として「揚げる」場合と「焼く」場合で製品の性質がどう違うかも比較しています。

製品の成分と冷凍保存中の変化

抄録によると、ソウギョから得られた肉の歩留まりは34.21%でした。作られたフィッシュフィンガーは、水分65.70%、粗タンパク質17.06%、粗脂肪3.14%、灰分(ミネラル分の目安)2.20%を含んでいました。

研究チームは、この製品をマイナス20℃で180日間保存し、変化を追跡しました。保存中に水分は61.59%まで減り、それに伴ってほかの成分の割合は相対的に増えたと報告されています。

品質の劣化はゆるやかだったとされています。魚の鮮度低下の目安となる揮発性塩基窒素(TVBN)は100gあたり4.24mgから9.91mgへ、脂質の酸化の目安となる過酸化物価は脂肪1kgあたり6.68から10.16mmol O₂へ、脂質の分解で生じる遊離脂肪酸(FFA)は2.68%から8.03%へと上昇しました。著者らは、これらの結果から冷凍保存中の脂質の分解や酸化は限られていたと述べています。

一方、一般生菌数(食品中の細菌数の目安)は1gあたり2.67×10³から0.089×10³へ減少しました。また、180日後の官能評価(人が味や見た目などを評価する試験)でも受け入れられやすさは良好で、総合評価は5点満点中4.0点でした。

揚げたものと焼いたものの違い

調理法を比べると、焼いたフィッシュフィンガーは揚げたものより粗脂肪が少なく、焼いたものが13.75%、揚げたものが16.02%でした。焼いたものはTVBN(100gあたり6.37mg)、過酸化物価(脂肪1kgあたり7.54mmol O₂)、遊離脂肪酸(3.28%)も揚げたものより低かったと報告されています。さらに、焼いたものは官能評価の総合得点で5.0を得ました。

研究が示すこと

著者らは、ソウギョは付加価値のあるフィッシュフィンガーの原料に適しており、冷凍保存性も良好だと結論づけています。また、焼く調理法は、高い官能評価を保ちながら脂肪の少ない仕上がりになる方法だとしています。研究チームは、この製品が手軽に調理できる食品として活用され、ソウギョをより有効に利用することにつながる可能性があると述べています。

原著論文の著者・所属:Geetanjali Jena(PG Department of Zoology, Berhampur University, Bhanja Bihar, Berhampur-760007, India)、Brundaban Sahu(College of Fisheries (OUAT), Rangailunda, Berhampur – 760 007, India)、Manoj Kumar Tripathy(College of Fisheries (OUAT), Rangailunda, Berhampur – 760 007, India)、Bikash Kumar Pati(College of Fisheries (OUAT), Rangailunda, Berhampur – 760 007, India)、Chandan Roul(College of Fisheries (OUAT), Rangailunda, Berhampur – 760 007, India)、Suryamani Patro(Rama Devi Women’s University, Vidya Vihar, Bhubaneswar- 751022, India)、Pooja Priyadarshini(College of Fisheries (OUAT), Rangailunda, Berhampur – 760 007, India)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Geetanjali Jena, Brundaban Sahu, Manoj Kumar Tripathy, et al. Quality Characteristics and Frozen Storage Stability of Grass Carp (Ctenopharyngodon idella) Fish Fingers: A Comparative Evaluation of Fried and Baked Products. European Journal of Nutrition & Food Safety 2026-10-22. DOI: 10.9734/ejnfs/2026/v18i112178. 原著ライセンス:CC BY.