著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Ilmu Peternakan Indonesia
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
牛肉は水分と栄養分が多く、微生物が増えやすいため傷みやすい食品です。傷みを遅らせる方法として冷蔵保存が広く使われていますが、冷蔵しても一部の細菌は活動を続けます。そこで研究チームが着目したのが、キャベツを発酵させてできる液体です。この液体には乳酸菌が含まれ、乳酸菌がつくる乳酸によって環境が酸性に傾きます。著者らは、酸性の環境は腐敗菌の増殖を抑えうるとしています。
この研究の目的は、キャベツ発酵液に浸した牛肉を冷蔵保存したとき、保存日数が肉の物理的な品質にどう影響するかを調べることです。あわせて、品質を保てる保存期間がどこまでかも確かめようとしました。
どのように調べたか
キャベツ発酵液は、刻んだキャベツに蒸留水とキャベツ重量の3%の塩を加え、密閉容器で37°Cのもと9日間発酵させ、ろ過してつくりました。牛もも肉は脂肪を除いて4×4×3cmに切り分けました。これを発酵液に30分間浸し、チャック付きの袋に入れて冷蔵保存しました。
比較したのは、保存しない場合、2日間、4日間、6日間冷蔵した場合の4条件で、それぞれ5回ずつ繰り返しました。測定項目は3つです。1つ目は酸性度を示すpHです。2つ目は保水性で、肉が組織内に水分を保つ力を指します。3つ目は加熱損失で、加熱調理のときに肉汁が出て重さが減る割合を指します。保水性が高く、加熱損失が低いほど、品質は良いとされます。
主な結果
統計解析の結果、冷蔵保存の日数は、pH、保水性、加熱損失のいずれにも明確な影響を与えていました。
pHの平均値は、保存なしで5.42、2日で5.16、4日で4.98、6日で5.18でした。4日目が最も低く、6日目にやや上がりましたが、保存なしよりは低いままでした。著者らは、pHが下がった原因として、発酵液の乳酸が肉にしみ込んだことを推測しています。
保水性は、保存なしで22.65%、2日で15.62%、4日で12.45%、6日で17.38%でした。保存によって低下し、4日目が最も低い値でした。著者らは、pHの低下にともなって、肉のたんぱく質が水を保つ力が弱まったためと考えています。
加熱損失は、保存なしで12.54%、2日で14.52%、4日で19.14%、6日で22.46%でした。保存日数が長くなるほど増えていました。それでも著者らは、これらの値は一般に報告されている範囲に収まっているとしています。
研究が示すこと
著者らは、キャベツ発酵液に浸した牛肉は、冷蔵保存中にpH、保水性、加熱損失が変化するものの、6日間までは冷蔵保存できると結論づけています。この研究は、身近な野菜からつくる発酵液と冷蔵を組み合わせた場合に、肉の物理的な品質が保存日数とともにどう推移するかを数値で示した報告です。
原著論文の著者・所属:Afriani, Afriani(Universitas Jambi)、Riani, Wanda(Universitas Jambi)、Alwi, Yun(Universitas Jambi)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Afriani, Afriani, Riani, Wanda, Alwi, Yun Pengaruh Lama Penyimpanan Pada Suhu Dingin Terhadap Kualitas Fisik Daging Sapi Setelah Direndam Dengan Cairan Fermentasi Kubis (Brassica Oleracea). Jurnal Ilmu Peternakan Indonesia 2026-08-24. DOI: 10.70134/jipena.v3i3.2024. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。