著者の所属・活動拠点の国は、インドネシア、マレーシアです。
掲載誌:Jurnal Peternakan Integratif
ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
馬肉はタンパク質が約19.72%と多く、脂肪は4.84%と少ない肉だと紹介されています。一方で、筋線維や結合組織が多く食感が硬いことから、牛肉ほど好まれていないと著者らは述べています。
肉を調味液や酸性の液に漬け込む「マリネ」は、肉の保水性や柔らかさを高め、加熱時の目減りを抑える方法として知られています。研究チームは、天然のマリネ液としてパパイヤ酢に注目しました。パパイヤにはタンパク質を分解する酵素パパインが含まれ、酢には肉のpHを変える酢酸が含まれるためです。そこで、馬肉をパパイヤ酢に漬ける時間の違いが、肉の物理的な品質にどう影響するかを調べました。
何を調べたか
実験では、未熟なパパイヤと黒糖、水を使って発酵させたパパイヤ酢を用意しました。馬肉を、漬けない対照、15分、30分、45分漬けるの4条件に分け、各条件を5回ずつ繰り返しています。要旨によると、各処理でパパイヤ酢を25%の割合で用いています。
調べた項目は4つです。肉の酸性度を示すpH、肉が水分を保持する力である保水性、加熱によって失われる重さの割合を示す加熱損失、そして測定機器で測った柔らかさです。
主な結果
パパイヤ酢自体のpHは3.07と酸性でした。馬肉の平均pHは、対照の5.65から45分漬けた肉の5.27まで下がりました。漬ける時間が長いほどpHが低くなる傾向がみられ、統計的に有意な差が報告されています。
加熱損失の平均は、対照の24.88%から45分漬けた肉の24.25%まで小さくなりました。この差も統計的に有意とされ、論文は45分漬けを加熱損失が最も少ない結果としています。
保水性については、30分漬けた肉の平均が68.42%と最も高い値でした。ただし、統計的には有意な差は認められませんでした。柔らかさも同様に条件間で有意な差はありませんでした。論文は、45分漬けた肉の122.4 g/cm²を最も良い値として示しています。
なお、論文の結論は、漬け込みが有意に影響したのはpHと加熱損失で、保水性と柔らかさには有意な影響がなかったとまとめています。一方、要旨には保水性と柔らかさに有意な影響があったと書かれており、本文の結果とは記述が異なっています。
研究から伝わること
今回の実験では、パパイヤ酢に漬ける時間を延ばすと馬肉のpHが下がり、加熱による目減りがわずかに減ることが報告されました。一方で、肉の硬さを和らげるという点では、15分から45分の漬け込みで統計的に明確な違いは示されませんでした。硬さが課題とされる馬肉の扱い方について、身近な天然素材による下処理の効果を、測定値に基づいて検討した報告といえます。
原著論文の著者・所属:Bintang Hugi Prayoga(Universitas Sumatera Utara)、Nurzainah Ginting(Universitas Sumatera Utara)、Nurjama’yah Br.Ketaren(Universitas Sumatera Utara)、Syaheera N Ibrahim(Universiti Sultan Zainal Abidin)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Bintang Hugi Prayoga, Nurzainah Ginting, Nurjama’yah Br.Ketaren, Syaheera N Ibrahim The Effect of Papaya Vinegar (Carica papaya L) Marinating Time on the Physical Quality of Horse Meat (Equus caballus). Jurnal Peternakan Integratif 2026-07-30. DOI: 10.32734/jpi.v14i01.25275. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。