この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。
掲載誌:Procedia of Engineering and Life Science
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
報告の目的
ハーブティーは、植物の茎、葉、種子、根、花、果皮などを原料とする飲み物です。著者らは、インドネシア東ジャワ州シドアルジョにある受託製造企業CV GTSで行った学外実習(フィールドワーク実習)をもとに、同社のハーブティー「Kalon Tea」の製造工程と、製品の品質を保つための物理的品質検査がどのように行われているかを報告しています。
Kalon Teaは緑茶、サフラン、ゲッキツ(現地名ケムニン)、レモングラスを配合したティーバッグ製品です。論文では、品質を物理的、化学的、官能的(味や香りなど人の感覚で評価する性質)な面から管理することが、消費者の満足や市場での競争力につながると位置づけています。そのうえで、物理的品質の検査として行われているティーバッグの「漏れ試験」に焦点を当てています。
どのように調べたか
この報告は、製品を新たに分析した実験研究ではありません。著者らは、品質管理担当者や製造責任者などへの聞き取り、製造現場での直接観察、学術誌記事などの文献調査という三つの方法で情報を集め、同社の工程と検査の実態を記述しています。
製造工程と品質管理の様子
論文によると、原料は細かい粉末の状態で国内外から仕入れられます。受け入れ時には品質管理チームが、水分量が10%未満であるか、汚染や傷みがないか、注文どおりの原料かを確認します。合格した原料は、室温30°Cを超えない保管室で、床に直接置かず壁にも付けないようにして保管されます。湿気によるカビや劣化を防ぐためです。
製造では、まず決められた配合量の原料を、消毒した円筒形の混合機で30分間混ぜます。次にキャビネット型のオーブンで100°C、45分間加熱し、室温に戻るまで約45分冷まします。この段階で水分量を測り、10%未満に下がっていなければ再び加熱します。著者らは、水分量が少ないほど保存できる期間が長くなるという文献の知見を紹介しています。
続いて自動機で粉末を1袋2グラムずつティーバッグに詰め、ここで漏れ試験が行われます。包装待ちのティーバッグは、1週間以内に限り、袋の中に空気がたまらないようにして30°C未満の湿気のない場所で一時保管されます。包装は手作業で、20袋をアルミ箔の袋に入れ、湿気を吸う乾燥剤のシリカゲルを加えて重さを量ります。基準は62.5〜67.5グラムで、許容差は0.5グラムとされ、30分ごとの平均値が品質記録に書き込まれます。袋の口は窒素ガスを吹き込みながら密封し、箱詰め、外装フィルム、収縮包装を経て出荷されます。
検査以外の取り組みとして、清掃しやすい建物の配置や、製造区域で働く人へのマスク、手袋、帽子などの着用義務、衛生管理、HACCP(食品の危害要因を工程ごとに分析し、重要な管理点を監視する衛生管理の方式)の適用も報告されています。
漏れ試験と報告の意味
漏れ試験は、粉末を詰めたティーバッグが熱湯で淹れられたときに破れずに耐えられるかを確かめる検査です。同社では、ティーバッグを熱湯に2〜3分浸してゆっくりかき混ぜ、取り出して天板の上で軽く押しつぶします。粉末が紙の縁から外へ出てこなければ合格とします。この試験は製造中、毎日30分おきに実施されていると報告されています。
著者らは、淹れても漏れないティーバッグは消費者の満足につながると述べています。また、紙の切り口の整い方や縁に茶の染みがないことといった見た目も評価を高める要素として挙げ、同社がいくつかの工程で選別を行っていることを紹介しています。
結論として論文は、Kalon Teaの製造で物理的品質が重視され、定期的な漏れ試験や作業者の装備、原料から完成品までの適切な取り扱いによって、会社の定めた基準に沿った品質の維持が図られていると報告しています。小さなティーバッグ一つにも、水分、重さ、袋の強さを段階ごとに確かめる管理が組み込まれている様子が、現場の観察を通して伝わる報告です。
著者:Rahmah Utami Budiandari(Program Studi Teknologi Pangan, Fakultas Sains dan Teknologi, Universitas Muhammadiyah Sidoarjo)、Laila Tasnima Sofiyah(Program Studi Teknologi Pangan, Fakultas Sains dan Teknologi, Universitas Muhammadiyah Sidoarjo)、Maulidya Fitriani(3CV GTS, Jl. Parengan, Semawut, Balongbendo, Kec. Krian, Kabupaten Sidoarjo)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Rahmah Utami Budiandari, Laila Tasnima Sofiyah, Maulidya Fitriani. Testing of Physical Quality Parameters of Herbal Tea “Kalon Tea” CV GTS. Procedia of Engineering and Life Science 2026-10-02. DOI: 10.21070/pels.v10i1.1818. 原著ライセンス:CC BY.