この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Obat

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的と背景

近年、世界各地で「超加工食品(UPF)」の消費が大きく増えています。超加工食品とは、工業的な加工を重ねてつくられた食品を指し、研究チームはその特徴として、食物繊維や微量栄養素が少ない一方で、添加された糖分、飽和脂肪、ナトリウム(塩分)、食品添加物が多い点を挙げています。著者らは、こうした食生活の変化が、世界的に増えている肥満、過体重、高血圧をはじめとする代謝性疾患と関係づけられてきたと説明しています。

このレビューの目的は、超加工食品の摂取と、肥満および代謝性疾患のリスクとの関連について、これまでに報告されてきた科学的根拠を整理し、まとめて示すことにあります。

どのように調べたか

著者らは、医学文献のデータベースであるPubMedとGoogle Scholarを用いて文献検索を行いました。検索に使った言葉は「ultra-processed food(超加工食品)」「obesity(肥満)」「body mass index(体格指数)」「hypertension(高血圧)」「metabolic disease(代謝性疾患)」「NOVA classification(NOVA分類)」です。NOVA分類とは、食品を加工の程度によって分類する枠組みを指します。

対象としたのは、過去10年以内に発表されたコホート研究、横断研究、系統的レビューのうち、あらかじめ定めた選択基準を満たす論文でした。コホート研究は集団を一定期間追跡して調べる方法、横断研究はある時点での状態をまとめて調べる方法です。

報告された主な結果

論文によれば、検討した研究の多くが、超加工食品の摂取が多いことと、体格指数(BMI)の上昇、腹囲の増加、肥満リスクの高まりとの間に有意な関連を報告していました。肥満リスクについては、各研究を通じてオッズ比がおよそ1.2から1.9の範囲にあったとされています。オッズ比は、あるグループで問題が起こりやすさが何倍かを表す指標で、1より大きいほどリスクが高いことを示します。

また著者らは、超加工食品の摂取が、インスリン抵抗性、脂質異常症、高血圧、メタボリックシンドロームのリスク上昇とも関連していたと報告しています。その背景として論文が挙げているのは、エネルギー密度の高さ(少量でもカロリーが多いこと)、血糖値を上げやすい性質(高い血糖指数)、満腹感が得られにくいこと、腸内細菌叢の乱れ、そして食品添加物によって引き起こされる軽度の慢性的な炎症です。

なお著者らは、このレビューの結論として、因果関係の証拠をより確かなものにするために、超加工食品の入手しやすさを抑える栄養政策と、さらなる長期的な追跡研究が望まれると述べています。

この研究が示すこと

このレビューは、超加工食品を多くとることが、肥満や代謝性疾患のリスクの高さと一貫して関連して報告されてきたことを整理したものです。著者ら自身が、因果関係の根拠を強めるにはさらなる研究が必要だとしている点も含め、食生活と健康の関係を考えるうえで、加工の程度という視点が一つの手がかりになることを示しています。

著者:Rahmadia Siti Meisyarah(Universitas Mataram)、Rafi Radityo Daniswara(Universitas Mataram)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Rahmadia Siti Meisyarah, Rafi Radityo Daniswara The Effect of Ultra-Processed Food Consumption on the Risk of Obesity and Metabolic Disease: A Literature Review. Obat 2026-09-14. DOI: 10.61132/obat.v4i5.2462. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。