著者の所属・活動拠点の国は、ブラジルです。
掲載誌:Revista fisio&terapia.
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
著者らは、超加工食品を多く食べることと、心臓や血管の病気、高血圧との関係を整理するため、既存の研究をまとめました。病気の発症との関連として確認された結果と、その関連を説明する生物学的な仕組みの仮説を区別することも目的としています。
超加工食品とは、食品から抽出・加工した成分や、家庭の調理では通常使わない物質などを組み合わせて工業的に製造した食品です。清涼飲料水、一部の包装されたパン類、スナック菓子、調理済み食品などが含まれます。ただし、同じ分類でも成分は大きく異なるため、著者らは一括して扱う際の注意点にも目を向けています。
何を、どのように調べたか
この論文は、2024年と2025年に発表され、分析用に提供された4本の科学論文を読み合わせた叙述的レビューです。先行研究の結果を統計的にまとめた論文、集団を長期間追跡した論文、食品摂取と血液中のたんぱく質の関係を調べた論文を扱っています。
著者らは、それぞれの研究目的、対象集団、食事の調べ方、結果、限界を比較しました。特に、新たな病気の発症、死亡、血液中のたんぱく質との関連を別の結果として整理し、新たな統計解析は行っていません。
主な報告結果
レビューで取り上げた20研究・110万1,073人のメタ解析では、計5万8,201件の心血管イベントが報告されていました。超加工食品の摂取が1日当たり1ポーション増えるごとに、心血管イベントのリスクが相対的に2.2%高いという推定結果でした。これは複数研究をまとめた相対的な差であり、個人が病気になる確率が2.2ポイント増えるという意味ではありません。心臓に血液を送る血管の病気である冠動脈疾患との関連もみられましたが、脳血管疾患については統計的に有意な関連が認められませんでした。
英国の7,138人を対象にした研究は、約10年間の摂取パターンと、その後の健康状態を調べました。摂取量が少ない群と比べ、多い状態が続いた群では、心血管疾患のリスクが相対的に23%、冠動脈疾患のリスクが32%高いと報告されました。一方、心血管疾患による死亡、冠動脈疾患による死亡、すべての原因による死亡には、統計的に有意な関連はありませんでした。
開始時に高血圧の診断を受けていなかった米国の成人8,923人を追跡した研究では、追跡期間の中央値13年で、超加工食品の摂取量が最も多い群は最も少ない群より、高血圧を発症するリスクが15%高いと報告されました。この研究が調べたのは高血圧の発症であり、心筋梗塞や脳卒中の発症そのものではありません。
また、米国の9,361人を対象とした研究では、超加工食品の習慣的な摂取と関連する血液中のたんぱく質が8種類見つかりました。追跡期間の中央値22年で、そのうち3種類は冠動脈疾患とも関連していました。ただし、これらのたんぱく質が病気を引き起こすことを示した結果ではないと、レビューは説明しています。
この報告が示すこと
著者らは、超加工食品の習慣的な摂取を減らすことは、心血管疾患の予防を考えるうえで整合的な方向性だと述べています。ただし、すべての超加工食品が同じ影響を持つとはいえず、特定の商品を別の食品に置き換えたとき、個人のリスクがどれだけ下がるかを示すものでもありません。
このレビューが扱ったのは4本の論文で、根拠は観察研究とその統合に基づき、摂取を減らす介入によって発症予防を直接確かめた試験は含まれていません。食事の質問票には記憶や食品分類の誤差が入り得るほか、比較した集団の違いを完全には考慮できない可能性もあります。そのため、この報告は、食習慣と病気との関連を整理するものであり、加工そのものが病気の原因だと確定するものではありません。
原著論文の著者・所属:Maria Eduarda Santana Bruneto(Centro Universitário de Brasília (CEUB), Brasília, Distrito Federal, Brasil)、João Victor Santana Bruneto(Centro Universitário de Brasília (CEUB), Brasília, Distrito Federal, Brasil)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Maria Eduarda Santana Bruneto, João Victor Santana Bruneto. Relação entre o consumo de alimentos ultraprocessados e o desenvolvimento de doenças cardiovasculares. Revista fisio&terapia. 2026-10-31. DOI: 10.69849/s7kwyr62. 原著ライセンス:CC BY.