著者の所属・活動拠点の国は、エジプトです。
掲載誌:Acta agriculturae Slovenica
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究のねらい
研究チームは、霜によるストレスを受けるマンゴーの木に、葉へ資材を吹き付ける「葉面散布」を行うと、木の状態や収穫がどう変わるかを調べました。対象は、エジプトのアボ・ガレブ・ロード沿いにある果樹園の砂漠土壌で育つ、樹齢10年の「ナオミ」という品種のマンゴーです。
調査は2024年と2025年の2シーズンにわたって行われました。以下は論文の抄録に記された内容にもとづく紹介です。
何をどのように調べたか
散布に使われたのは4種類の資材です。植物の防御反応に関わる物質として知られるサリチル酸、ケイ酸カリウム、植物が乾燥や低温などのストレスを受けたときに体内にためる物質の一つであるグリシンベタイン、そしてリン酸一カリウムです。それぞれ3段階の濃度が用意され、11月、12月、1月の中旬に葉へ散布されました。
効果は、比較の基準となる対照と比べて評価されました。調べられた項目は、葉の面積、葉の緑色の濃さを機器で測ったクロロフィル量(SPAD値)、葉に含まれる多量・微量の養分、収量、そして果実の特徴です。
主な結果
著者らの報告によると、どの散布処理でも、両シーズンを通じて対照より葉の面積、プロリン(ストレス時に植物内で増えるアミノ酸の一種)、葉のクロロフィル量が良好な値を示し、ナオミの果実の収量と品質に関わる特徴も改善しました。
処理の中で最も成績がよかったのは、グリシンベタインを1リットルあたり15グラムで散布した場合で、これにケイ酸カリウムを1リットルあたり15ミリリットルで散布した場合が続きました。これらは、調べたすべての項目で最も高い値を記録したと報告されています。
研究が示すこと
著者らは、これらの処理によってマンゴーの木の霜ストレスへの耐性が高まったと結論づけ、霜の影響を受ける環境で育つマンゴーの栽培管理の一つとして用いることを勧めています。砂漠土壌の果樹園で育つナオミ品種を対象に、冬の時期に散布する複数の資材と濃度を比べ、木の生育や収穫との関わりを示した報告といえます。
原著論文の著者・所属:Abd EL-RHMAN(Department of Plant Production, Desert Research Center, Cairo, Egypt)、Ibrahim AL-SAYED(Department of Plant Production, Desert Research Center, Cairo, Egypt)、Fatma Mohamed ABDALLA(Department of Plant Production, Desert Research Center, Cairo, Egypt)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Abd EL-RHMAN, Ibrahim AL-SAYED, Fatma Mohamed ABDALLA. The effect of some treatments with mitigated frost damage on mango trees under desert soil conditions. Acta agriculturae Slovenica 2026-09-29. DOI: 10.14720/aas.2026.122.3.27822. 原著ライセンス:CC BY.