研究論文紹介記事一覧
発表された国内外の研究論文のうち「CC BY CC BY-SA CC0」ライセンスが付与され、内容が要約できる研究論文を紹介しています。その他、毎時収集した研究論文一覧を見る
肥満と腸内細菌のつながりを整理した総説 ― 慢性的な炎症の仕組みと、腸内環境を立て直す試み
肥満は世界的に増え続けている健康課題であり、体型の問題にとどまらず、インスリン抵抗性や2型糖尿病、心血管疾患などの土台になると考えられています。著者らは、この背景にあるのが「慢性的で弱い炎症」だと説明します。けがや感染に対する急性の炎症が一時的で局所的なのに対し、こちらは全身に広がり、何年も静かに組…
公開日: 2026年09月21日 04:29
発酵豆乳ホエー豆腐は輸送中の温度変動でどう劣化するか——動態モデルと機械学習による予測の試み
発酵豆乳ホエー豆腐(FSW豆腐)は、豆腐づくりの際に絞り出されるホエー(乳清)を発酵させ、それを凝固剤として用いる伝統的な大豆製品です。化学的な添加物を使わずに作れることから、著者らは近年の「クリーンラベル」志向にも合う製品だと位置づけています。一方で、水分が多く(通常80%超)タンパク質も豊富(お…
公開日: 2026年09月17日 15:16
チコリ由来イヌリンを食品に使うと品質はどう変わるか――既存研究を整理したレビュー
著者らは、チコリの根から得られるイヌリン、市販のイヌリン、そしてイヌリンを含むチコリ抽出物が、さまざまな食品の品質にどのような影響を与えるかを、既存の研究をもとに整理しました。
公開日: 2026年09月17日 13:51
ザクロの搾りかす由来成分とプロバイオティクスを一緒に包んだマイクロカプセル——胃酸に耐えて腸へ届ける工夫
プロバイオティクスは、十分な量を摂ったときに腸内で定着し、腸内細菌のバランスを整えて健康に寄与するとされる生きた微生物です。ただし論文によれば、腸に届く生菌数は1グラムあたり10の6乗〜10の7乗個以上が必要とされる一方で、菌は高温、低いpH、酸素、胃酸、胆汁酸塩、消化酵素といった過酷な環境にさらさ…
公開日: 2026年09月15日 20:29
プロバイオティクスの「芽胞」を運び手にした飲み薬 ― 腸と脳の両方に働きかけるパーキンソン病治療の研究
パーキンソン病は、脳の中でドパミンを作る神経細胞が失われることで、運動の障害や記憶の低下が起こる病気です。現在の治療の中心は、不足したドパミンを補う薬(レボドパなど)ですが、研究チームは、この方法では神経細胞そのものを守る働きが乏しく、病気の進行を抑えたり後戻りさせたりすることは難しいと指摘していま…
公開日: 2026年09月14日 19:49
イヌリンでつくったナノ粒子で潰瘍性大腸炎の薬を大腸へ届ける試み
炎症性腸疾患(IBD)は、消化管に炎症が長く続く病気で、潰瘍性大腸炎とクローン病が含まれます。論文によれば、2017年時点で世界におよそ680万人の患者がいると報告されています。潰瘍性大腸炎では大腸の粘膜に炎症が起こり、腹痛や下痢、体重減少、血便などの症状が現れます。発症の詳しい仕組みはまだ解明され…
公開日: 2026年09月14日 19:17
歯周炎の基本治療にオメガ3脂肪酸を追加すると何が変わるか——無作為化試験9件をまとめた解析
歯周炎は、口の中の細菌のバランスが崩れることで歯を支える組織に炎症が続き、少しずつ組織が壊れていく慢性の病気です。研究チームによれば、2011年から2020年にかけての歯周炎の有病率は62%で、そのうち重度の歯周炎は23.6%を占めると報告されています。歯周炎は歯を失う主な原因の一つであり、全身の病…
公開日: 2026年09月14日 19:12
酒づくりの「入れる順番」が変える米酒の風味と成分 ― セッコク(Dendrobium nobile)を加えた発酵の研究
日本酒や黄酒のような米を原料とする醸造酒では、酵母をどう組み合わせて発酵させるかが、香りや味わいを大きく左右します。近年は、アルコール発酵の主役であるサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae、いわゆる清酒酵母などの仲間)だけでなく、アルコールをつくる力は弱いものの…
公開日: 2026年09月14日 02:40
炎症性腸疾患と「動物性か植物性か」——タンパク質の種類をめぐる研究の現在地
世界の食生活では、この70年ほどでタンパク質の摂取量が増え続けてきました。著者らは、40か国を対象にした系統的レビューで、北欧やアジアの一部では10年ごとに総エネルギーに占めるタンパク質の割合が0.5〜0.7%(およそ4〜6グラム分)増えてきたと報告されていることを紹介しています。同時に、環境への配…
公開日: 2026年09月14日 00:52
軽度認知障害・アルツハイマー病と腸内細菌叢の関係を探る研究
近年、腸内に住むたくさんの細菌(腸内細菌叢)が、消化だけでなく脳の働きにも関わっているのではないかという「腸脳相関」の考え方が注目されています。アルツハイマー病や、その前段階とされる軽度認知障害(MCI)についても、腸内細菌の構成に何らかの特徴があるのではないかと考えられてきました。しかし、こうした…
公開日: 2026年09月10日 09:04
食物繊維は免疫療法の効きめを後押しするか がん患者を対象にした研究のまとめ
がん治療の選択肢として、免疫の力を利用して腫瘍を攻撃する『免疫療法』が広がっています。近年、この治療の効果には腸内細菌の状態が関わっているのではないかという報告が増えており、腸内細菌に影響を与える身近な要素として食物繊維の摂取が注目されるようになりました。今回紹介するのは、がん患者における食物繊維摂…
公開日: 2026年09月04日 19:25
発芽キノアの成分が肥満マウスの記憶力低下を和らげた仕組み ― 腸内細菌が鍵に
肥満は体形や代謝の問題にとどまらず、学習や記憶といった認知機能の低下にも関わることが知られています。中国・西北農林科技大学などの研究グループが、アドバンスト・サイエンス誌に2026年7月掲載予定の論文で、発芽させたキノア(キヌア)を食べさせたマウスで、高脂肪食による認知機能の低下が和らいだと報告しま…
公開日: 2026年09月04日 15:28