成分表での名前は「ようさい」。えんさい、空心菜(くうしんさい)とも呼ばれ、花がアサガオに似ているので朝顔菜(あさがおな)という名もあります。食べるのは茎と葉で、8月の沖縄や九州ではちょうど食べ頃を迎えています。シャキシャキとした茎とやわらかい葉のコントラストが持ち味で、旬は6〜8月ごろとされ、今はまさにその盛りにあたる時期です。炒め物にすればあっという間に食卓の一皿が完成する、夏の食欲を後押ししてくれる野菜です。
ようさい 茎葉 生は、100gあたりのエネルギーが17kcalと軽やかで、たんぱく質2.2g、脂質0.1g、炭水化物3.1g(食物繊維3.1gを含む)という数字が並びます。たんぱく質2.2gは、100gあたりで女性30〜49歳の推奨量50g/日の約4%にあたる量で、主役というよりは、夏野菜らしい軽さのほうが目立つ構成です。
ビタミンKは1日の目安量を上回る
100gあたり250µgというビタミンKの量は、女性30〜49歳の目安量150µg/日(日本人の食事摂取基準)を大きく上回る量にあたります。空心菜は1束がおよそ150gとされているので、1束をひと通り食べれば約375µgのビタミンKを摂る計算になります。ビタミンKは、出血したときに血液を固める働きに関わるほか、骨の形成にも関わるとされる脂溶性の栄養素です。詳しい基準量は日本人の食事摂取基準にまとめられています。
もうひとつ見逃せないのが、α-カロテン78µgという数値です。α-カロテンは体内でビタミンAに変わる、いわゆるプロビタミンAの一種で、緑黄色野菜らしい濃い葉色の裏付けともいえる成分です。エネルギーが低く食物繊維をしっかり含みながら、こうした成分がまとまって存在しているのが、空心菜という野菜の栄養的な顔つきだといえるでしょう。
※本記事の栄養素に関する記述は一般的な情報提供を目的としており、特定の食品の効果・効能を示すものではありません。
選び方と旬ならではの食べ方
おいしい空心菜を選ぶコツは、葉や茎にハリがあり、緑色が鮮やかでみずみずしいものを選ぶことです。買ってきたら、水で湿らせたキッチンペーパーなどに包んでからビニール袋に入れ、冷蔵庫で保存すると鮮度が長持ちします。炒めるときはにんにくやオイスターソースとの相性がよく、強火でさっと火を通すと茎のシャキシャキ感が生きます。麺類の青菜代わりに加えても、彩りと食感のアクセントになってくれます。
まとめ
空心菜は、100gで17kcalと軽いのに、ビタミンKが1日の目安量を上回る夏の葉野菜です。1束150gを目安に、旬の盛りである今のうちに食卓へ取り入れてみてはいかがでしょうか。次に売り場でこの束を見かけたら、茎が空洞だから空心菜、花がアサガオに似ているから朝顔菜——その二つの名前を思い出してみてください。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)および日本人の食事摂取基準(2025年版)のデータ等をもとに作成しました。
栄養素のはたらき・摂取基準の記述は、次の公的資料に基づきます:厚生労働省 食事摂取基準