著者の所属・活動拠点の国は、ナイジェリアです。

掲載誌:Keffi Hospital Journal

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、ナイジェリアのタラバ州ジャリンゴで、2型糖尿病の成人に脂質異常がどの程度みられ、どのような組み合わせで生じているか、また動脈硬化性心血管疾患のリスクとどう関連するかを調べました。血液中の脂質の異常は、糖尿病患者の心血管疾患に関わる改善可能な危険因子ですが、この地域では実態を示すデータが乏しいことが背景にありました。

何を、どのように調べたか

研究チームは、ジャリンゴの糖尿病外来を受診する成人の2型糖尿病患者155人を対象に、一時点の状態や関連を調べる横断研究を行いました。参加者の平均年齢は56.13歳でした。質問票で社会的・人口学的な情報を集め、空腹時の採血で血中脂質と血糖を測定しました。また、妥当性が確認されたリスク推定ツールを用いて、今後10年間に動脈硬化性心血管疾患を発症するリスクを推定しました。

主な報告結果

著者らは、参加者の97.6%に脂質異常があったと報告しました。多かったのは、余分なコレステロールの回収に関わるHDLコレステロールの低値(78.6%)と、LDLコレステロールの高値(74.6%)でした。異常の組み合わせでは、LDLと総コレステロールが高くHDLが低い型が26.5%、LDLが高くHDLが低い型が25.8%でした。10年間の心血管疾患リスクが20%以上と推定された人は55.5%に上りました。推定リスクは、年齢、LDLコレステロール、中性脂肪と統計的に有意な正の相関を示し、それぞれの値が高いほどリスクも高いという関連がみられました。

この報告が示すこと

著者らは、対象となった患者集団では、動脈硬化につながる脂質異常と高い心血管疾患リスクへの対応が重要だと結論づけています。食事上の指示を守っていると答えた人が71.9%いたことも踏まえ、現在の食事の取り組みだけでは十分でない可能性を指摘し、地域の文化に合わせた脂質管理と栄養面の介入を強める必要があると述べています。ここで示された心血管疾患リスクは、実際の発症を追跡した結果ではなく、推定値です。

原著論文の著者・所属:Adamu Abdulkarim, Aisha(Department of Biochemistry, Bingham University Karu, Nasarawa Nigeria)、Oluchukwu, Ogechukwu Anunobi(Department of Biochemistry, Bingham University Karu, Nasarawa Nigeria; department of biochemistry and biotechnology, Nile university of Nigeria, Abuja, Nigeria)、Moses, Daikwo(Department of Biochemistry, Bingham University Karu, Nasarawa Nigeria)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Adamu Abdulkarim, Aisha, Oluchukwu, Ogechukwu Anunobi, Moses, Daikwo. Prevalence and Pattern of Dyslipidemia as a Risk Factor for Atherosclerotic Cardiovascular Disease among Type 2 Diabetic Adults in Jalingo, Taraba State, Nigeria. Keffi Hospital Journal 2026-10-20. DOI: 10.5281/zenodo.23505097. 原著ライセンス:CC BY.