著者の所属・活動拠点の国は、ナイジェリアです。

掲載誌:Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: DataCite

研究の目的

ナイジェリア・リバーズ州のオイグボ西地方行政区では、公立中等学校の敷地内や周辺で食べ物を売る業者が、多くの生徒の朝食や昼食、軽食を担っています。自宅から学校が遠く、朝食をとらずに登校する生徒も多いため、こうした業者への依存は大きいと著者らは述べています。

一方で、食べ物の扱い方や本人の清潔さ、販売場所の衛生、食材の保管が不十分だと、食べ物が病原体などで汚染され、生徒が食中毒などの食品由来の病気にかかるおそれがあります。研究チームはこの懸念を出発点に、学校で営業する食品業者にどのような衛生習慣が必要か、また衛生を向上させるためにどのような取り組みが必要かを明らかにしようとしました。

調べた方法

研究は、対象者に質問して現状や意見を集める記述的な調査として行われました。対象は地域の公立中等学校で営業する食品業者186人全員と、無作為に選んだ35校の教員362人で、合わせて548人です。

食品業者には聞き取りを行い、「食べ物の衛生」「本人の衛生」「販売環境の衛生」の3分野について、挙げられた習慣が必要だと思うかどうかを「はい・いいえ」で尋ねました。半数以上が「はい」と答えた項目を、必要な習慣とみなしています。

さらに業者と教員の双方に、衛生を高めるための取り組み14項目について、「強く同意する」から「強く同意しない」までの4段階で評価してもらいました。平均点が2.50以上の項目を、必要な取り組みとして受け入れる基準としています。あわせて、業者と教員の評価に統計的に意味のある差があるかも調べました。

主な結果

食べ物の衛生については、調理場を清潔に保つこと、食べ物をネズミから守ることにそれぞれ86%の業者が「必要」と答えました。調理前に食材を洗う、期限切れでない缶詰を買う、食べ物にふたをして並べるといった項目も8割前後の支持を集め、尋ねた9項目すべてが半数を超えました。

本人の衛生では、毎日歯を磨くこと(86%)、販売中につばを吐いたりせきをしたりしないこと(80.6%)、定期的に入浴すること、販売中に喫煙しないこと(いずれも75.3%)などが必要とされました。販売環境の衛生では、販売場所を毎日点検すること(86%)や、ごみ箱に常にふたをすること(80.6%)などが挙げられています。

衛生を高める取り組みについては、14項目すべてが基準を上回りました。たとえば、学校に食品委員会を設けて販売前に食べ物を点検すること、業者が営業許可前に健康診断を受け、その後も少なくとも年1回は受診すること、営業開始時に衛生についての説明を受けること、衛生の手引きを作ること、生の食材と調理済みの食べ物を分けること、水を消毒すること、学期ごとに業者向けのセミナーを開くことなどです。

業者と教員の評価を比べたところ、平均点は業者が2.99、教員が3.23で、両者の間に統計的に意味のある差は認められませんでした。

研究が伝えること

この調査からは、学校で食べ物を売る業者自身が多くの基本的な衛生習慣を必要なものと認識していること、そして衛生向上の取り組みについて業者と教員の見方がおおむね一致していることがうかがえます。

著者らは、食べ物・本人・環境の衛生を適切に保つことが、生徒を食品の汚染や食品由来の病気から守るうえで欠かせないと結論づけています。そのうえで、行政や学校による業者の定期的な監督、健康診断、そして業者をはじめ関係者全体に向けた継続的な衛生教育やセミナーの実施を提言しています。

原著論文の著者・所属:*Ibegbulem, Udodi Marcia, **Professor Innime Righteous(School of Public Health, University of Port Harcourt)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):*Ibegbulem, Udodi Marcia, **Professor Innime Righteous. FOOD HYGIENE AND EXERCISES AMONG FOOD DEALERS. Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) 2026-10-19. DOI: 10.5281/zenodo.23464354. 原著ライセンス:CC BY.