著者の所属・活動拠点の国は、ナイジェリアです。
掲載誌:International Journal of TROPICAL DISEASE & Health
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
飲み水の安全性は、水源の水質だけでなく、くみ取り、運搬、保管、くんだ後の扱い方にも左右される可能性があります。しかし、ナイジェリア南東部の大学寮で暮らす学生がこうした行動をどの程度とっているかについては、情報が限られていました。
そこで研究チームは、イモ州オウェリにある大学の三つの寮に住む学部生を対象に、飲み水の扱い方と、いくつかの病気にかかったことがあるかという自己申告の病歴を記述することを目的に調査を行いました。
調べた方法
調査は、オウェリのアルヴァン・イコク連邦教育大学で、2026年6月から9月にかけて行われました。研究チームが目的に沿って選んだ三つの寮に住む学部生525人が、質問票に回答しました。ある一時点での状況を集団から聞き取る、横断調査と呼ばれる方法です。
質問票には、水の扱い方に関する17項目と、病歴に関する5項目が含まれ、回答は人数と割合で集計されました。抄録によると、飲み水の細菌などを調べる検査は行われておらず、回答された病歴が実際の診断と一致するかの確認もされていません。
主な結果
回答者525人のうち、男性は205人(39.0%)、女性は320人(61.0%)でした。
水の扱い方では、飲み水を煮沸していると答えたのは78人(14.9%)、飲む場所で塩素を加えて消毒する方法をとっていると答えたのは9人(1.7%)でした。水をくむ容器を毎回使う前に石けんと水で洗うと答えたのは64人(12.2%)、保管した水を扱う前に石けんで手を洗うと答えたのは218人(41.5%)でした。一方、ふた付きの容器を使っているという回答は多かったと報告されています。
病歴については、下痢があったと答えた人が329人(62.7%)、腸チフスが406人(77.3%)、赤痢が131人(25.0%)、胃腸炎が123人(23.4%)、型が特定されていない肝炎が9人(1.7%)でした。著者らは、これらの病気の区分は重なり得ること、どの期間を振り返った回答なのか、何を根拠に診断されたのかは確かめられていないことを示しています。
結果が示すこと
著者らは、煮沸や飲む場所での塩素消毒といった一部の水の扱い方はあまり報告されなかった一方、ふた付き容器の使用は広く報告されたと結論づけています。
同時に論文は、病歴の回答は確認されていない自己申告であり、水を介して広がる病気が実際にどれだけ起きているかを示すものとは解釈できないと述べています。また、この結果から、水が汚染されていたことや、水の扱い方と病気の間に関連があることは示されないとしています。この調査は、寮で暮らす学生の飲み水の扱い方の実態を記述した報告として位置づけられます。
原著論文の著者・所属:Mary Ndubuisi Fidelis(Department of Health Education, Alvan Ikoku Federal University of Education, Owerri, Nigeria)、Akhere Ibhafidon(Department of Health Education, Alvan Ikoku Federal University of Education, Owerri, Nigeria)、Justina Stella Oparah(Department of Health Education, Alvan Ikoku Federal University of Education, Owerri, Nigeria)、Keyna Chinyere Nwachukwu(Department of Health Education, Alvan Ikoku Federal University of Education, Owerri, Nigeria)、Chinenye Jennifer Nwaobiala(Department of Health Education, Alvan Ikoku Federal University of Education, Owerri, Nigeria)、Miriam Chinenye Chidomere(Department of Health Education, Alvan Ikoku Federal University of Education, Owerri, Nigeria)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Mary Ndubuisi Fidelis, Akhere Ibhafidon, Justina Stella Oparah, et al. Drinking-water Handling Practices and Self-reported Illness Histories among Hostel-resident Undergraduates at a Federal University in Owerri, Nigeria: A Cross-Sectional Survey. International Journal of TROPICAL DISEASE & Health 2026-11-02. DOI: 10.9734/ijtdh/2026/v47i111794. 原著ライセンス:CC BY.