著者の所属・活動拠点の国は、アメリカです。
掲載誌:Poultry Science
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
研究チームは、肉用鶏の親となる雌の種鶏に、プロピオン酸クロムを飼料へ添加したとき、インスリンの働きに関連する代謝応答がどう変わるかを調べました。特に、体がインスリンにどの程度反応するかを表す「インスリン感受性」に関わる指標に着目しました。
何を、どのように調べたか
31週齢の種鶏120羽を無作為に4群へ分け、飼料1 kg当たりのクロム添加量を0 mg(対照)、0.20 mg、0.40 mg、0.60 mgとしました。各個体を別々に飼育し、全羽に同じ量の飼料を1日1回与えました。研究開始91日目以降に、給餌2時間後、24時間の絶食後、絶食してから再び餌を与えた後の状態で採血と肝臓の採取を行いました。血液中のグルコースと非エステル化脂肪酸、肝臓に蓄えられる糖であるグリコーゲンを測り、インスリン感受性に関わる指標として比較しました。
主な報告結果
著者らは、給餌2時間後の状態では、飼料1 kg当たりクロムを0.20 mgまたは0.40 mg添加した群で、対照群より肝臓のグリコーゲン濃度と総量が高かったと報告しました。一方、絶食後と再給餌後には、クロム添加による肝臓グリコーゲンへの影響は認められず、血液中のグルコース濃度も添加量による影響を受けませんでした。また、絶食後は給餌後や再給餌後に比べ、血液中のグルコースと肝臓グリコーゲンの濃度が低く、非エステル化脂肪酸の濃度が高くなりました。
この報告が示すこと
研究チームは、クロムを0.20 mgまたは0.40 mg添加した群で肝臓のグリコーゲンが多かったことから、クロムがインスリン感受性を高めた可能性を示すと結論づけています。ただし、この研究ではインスリン感受性そのものは直接測定しておらず、この解釈は代謝の指標に基づくものです。
原著論文の著者・所属:Jerry W. Spears(Department of Animal Science, North Carolina State University, Raleigh, NC 27695-7621, USA)、Karen E. Lloyd(Department of Animal Science, North Carolina State University, Raleigh, NC 27695-7621, USA)、Becca Wysocky(Prestage Department of Poultry Science, North Carolina State University, Raleigh, NC 27695-7608, USA)、Kristi Krafka(Kemin Agrifoods North America, Inc., Des Moines, IA 50317, USA)、Kenneth E. Anderson(Prestage Department of Poultry Science, North Carolina State University, Raleigh, NC 27695-7608, USA)、Ramon D. Malheiros(Prestage Department of Poultry Science, North Carolina State University, Raleigh, NC 27695-7608, USA)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Jerry W. Spears, Karen E. Lloyd, Becca Wysocky, et al. Chromium propionate for broiler breeder hens: effects on metabolic responses associated with insulin. Poultry Science 2026-11-01. DOI: 10.1016/j.psj.2026.108075. 原著ライセンス:CC BY.