この研究は、インドネシアの研究機関の研究論文です。

掲載誌:Inovasi Kesehatan Global

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、インドネシア・パレンバン市の伝統市場で販売されている生麺(ミー・バサ)について、販売者がホルマリンの混入に関してどのような知識を持っているかを明らかにすることを目的に調査を行いました。

ホルマリン(ホルムアルデヒドの水溶液)は刺激臭のある化学物質で、微生物の繁殖を抑える働きがあるため、安価な保存料として食品に不正使用されることがあります。しかし毒性があり、インドネシアでは食品添加物としての使用が法令で禁止されています。論文では、短期的には呼吸器・皮膚・目の刺激、長期的には肝臓や腎臓の障害やがんのリスクといった健康被害が指摘されていると紹介されています。

生麺は小麦粉を主原料とし、水分が多く常温での日持ちが短い食品であるため、ホルマリンの不正使用が起こりやすい製品として知られています。著者らは、パレンバン市の食品医薬品監督機関(BBPOM)の年次報告で、市内の複数の伝統市場においてホルマリン陽性の生麺が依然として見つかっていることを、この調査の出発点として挙げています。

調査の方法

研究は記述的な観察研究として、2026年2月から6月にかけてパレンバン市内の伝統市場29か所を対象に実施されました。市内で生麺を扱う販売者45人全員を調査対象とする全数抽出が用いられ、販売者本人と、その店で売られている生麺の両方が調べられました。

販売者の知識は、先行研究から採用した質問票を用いた聞き取りによって測られ、得点に応じて「良い」「まずまず(中程度)」「低い」の3段階に分類されました。生麺のホルマリン混入は、ホルマリン簡易検査キット(ラピッドテストキット)を使い、ポリテクニック校の環境保健学科の実験室で調べられました。検査では試料を水と混ぜた液に試薬を加え、一定時間後に紫色へ変化すれば陽性と判定します。

あわせて、においや色、食感といった見た目・感覚で分かる特徴を確かめる官能試験も行われました。集められたデータは、各項目の人数や件数の分布として整理・集計されています。

主な報告結果

販売者45人の知識の水準は、最も多かったのが「まずまず」の22人(48.9%)で、「良い」が12人(26.7%)、「低い」が11人(24.4%)でした。著者らは、多くの販売者がホルマリンについて一定の理解を持っているものの、十分とは言えない状態にあると述べています。

生麺45試料の検査では、8試料(17.8%)がホルマリン陽性、37試料(82.2%)が陰性でした。官能試験では、においが正常なものが88.9%、色が正常なものが68.9%、食感が正常なものが60%を占めました。

著者らは、見た目や感覚で疑わしいとされた試料が必ずしも検査で陽性になるわけではなく、その逆もあったと報告しています。このため官能試験は初期のふるい分け(スクリーニング)にとどまり、ホルマリンの有無を確かめるには実験室での検査と組み合わせる必要があると述べています。

また、調査対象の販売者の特徴として、女性が60%、中学校卒業より上の学歴(高校以上)が60%を占め、平均年齢は43.09歳でした。

この研究が示すこと

販売者の多くが中程度の知識を持ちながらも、生麺の一部からホルマリンが検出されたという結果は、禁止された添加物の不正使用がパレンバン市の伝統市場で今も起きていることを示しています。著者らはこの結果から、販売者への継続的な教育と、食品の定期的な監視・検査が引き続き必要だと結論づけています。

身近な食品の安全は、売り手の理解と行政による見回りの両方に支えられている、ということを改めて示す調査結果だと言えます。

著者:Niken Puti Indraswari Niken(Politeknik Kesehatan Kementerian Kesehatan Palembang)、Hendawati Hendawati(Politeknik Kesehatan Kementerian Kesehatan Palembang)、Intan Kumalasari(Politeknik Kesehatan Kementerian Kesehatan Palembang)、Khairil Anwar(Politeknik Kesehatan Kementerian Kesehatan Palembang)、Maksuk Maksuk(Politeknik Kesehatan Kementerian Kesehatan Palembang)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Niken Puti Indraswari Niken, Hendawati Hendawati, Intan Kumalasari, Khairil Anwar, Maksuk Maksuk Pengetahuan Pedagang terhadap Kandungan Formalin dalam Mie Basah yang Dijual di Pasar Tradisional Kota Palembang Tahun 2026. Inovasi Kesehatan Global 2026-08-31. DOI: 10.62383/ikg.v3i3.3414. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。