著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Economics and Business Journal (ECBIS)

ライセンス: CC BY-SA 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

市場を訪れたい気持ちを調べる

研究チームは、伝統市場への好意的なイメージやTikTokでの宣伝が、消費者の「訪れたい」という気持ちとどう関係するかを調べました。対象は、インドネシアのマカッサルにあるチドゥ市場です。近代的な小売店やネット通販との競争が強まるなか、市場への来訪意向に関わる要素を明らかにすることが目的でした。

特に注目したのは、消費者が感じる「買い物のしやすさ」です。これは、市場まで行きやすいか、目的の場所を見つけやすいか、買い物を進めやすいかという主観的な評価を指します。研究チームは、市場のイメージやTikTokでの宣伝が、この評価を介して来訪意向につながるかも検討しました。

130人の回答に見られた関係

研究チームは、市場を訪れた経験があり、TikTokを利用して市場に関する宣伝コンテンツを見たことのある、マカッサル在住のミレニアル世代とZ世代を対象に質問紙調査を行いました。分析した有効回答は130人分で、回答者の77.7%はZ世代でした。市場のイメージ、TikTokでの宣伝、買い物のしやすさの認識、来訪意向の関係を、統計モデルで分析しました。

著者らは、市場のイメージとTikTokでの宣伝の評価が高いほど、来訪意向も高いという、統計的に有意な関係を報告しました。市場のイメージには、品ぞろえ、商品の品質、価格の手頃さ、市場の雰囲気などが含まれます。また、市場のイメージとTikTokでの宣伝は、買い物のしやすさの認識ともそれぞれ正の関係を示し、買い物をしやすいと感じる人ほど来訪意向が高いという結果でした。

買い物のしやすさを介する関係は確認されず

一方、市場のイメージやTikTokでの宣伝が、買い物のしやすさの認識を介して来訪意向につながるという間接的な関係は、どちらも統計的に有意ではありませんでした。つまり、買い物のしやすさ自体は来訪意向と関係していても、それが市場の魅力や宣伝と来訪意向を結ぶ仲立ちになっているとは確認されなかったのです。

著者らは、この市場では、買い物のしやすさの認識を介する経路よりも、市場そのものの魅力やTikTokのコンテンツと来訪意向との直接的な結び付きが重要だと解釈しています。今回扱ったのは実際の来訪者数ではなく、訪れたいという気持ちです。研究は、伝統市場への関心を理解するうえで、行きやすさだけでなく、市場に抱く印象や動画で伝わる魅力にも目を向ける意味を示しています。

原著論文の著者・所属:Muh. Arsyad Yusuf(Program Studi Manajemen Fakultas Ekonomi dan Bisnis, Universitas Negeri Makassar)、Hety Budiyanti(Fakultas Ekonomi dan Bisnis, Universitas Negeri Makassar)、Isma Azis Riu(Fakultas Ekonomi dan Bisnis, Universitas Negeri Makassar)、Hasnidar(Fakultas Ekonomi dan Bisnis, Universitas Negeri Makassar)、Azlan Azhari(Fakultas Ekonomi dan Bisnis, Universitas Negeri Makassar)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Muh. Arsyad Yusuf, Hety Budiyanti, Isma Azis Riu, Hasnidar, Azlan Azhari Market Image, TikTok Promotion, and Visit Intention: The Mediating Role of Perceived Shopping Accessibility in a Traditional Market. Economics and Business Journal (ECBIS) 2026-08-29. DOI: 10.47353/ecbis.v4i6.541. 原著ライセンス:CC BY-SA 4.0.

本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。