カリウムをとりたいとき、思い浮かぶのは野菜や果物、海藻あたりでしょうか。日本食品標準成分表を可食部100gあたりの含有量で並べ替えると、上位に並ぶのはそのどれとも少し違う顔ぶれです。
カリウムは細胞の中の水分バランス(浸透圧)を保ち、正常な血圧を維持するのに必要なミネラルとされ、女性30〜49歳の目安量は1日2000mg。この数字を手がかりに、上から順に見ていきます。
まず驚くのは、塩が1位と2位に並ぶこと
いちばん多かったのは、減塩タイプの食塩(調味料不使用)で、可食部100gあたり25000mg。「減塩塩」とも呼ばれる、塩化カリウムを含む食塩です。カリウムが桁違いなのはそのためで、食塩相当量も45.7gあります。2位も同じ減塩タイプの食塩(調味料含む)で19000mg。塩はもともと水分をほとんど含まないので、同じ100gの中でカリウムの密度が際立つ、という理屈です。
3位からは、乾物の出番
3位は干しずいき。ずいきは、さといもの葉柄(葉の軸)で、干したものは「いもがら」とも呼ばれます。海藻を差し置いて畑の野菜の乾物が来た理由は、干してあること。可食部100gのうち水分はわずか9.9gで、そのぶん同じ重さの中にカリウムが濃く詰まっています。100gあたり10000mgもありますが、煮物1人分の目安は20gぐらいですから、実際に使う量ではおよそ2000mg——目安量1日分ほどに相当する計算です。
4位の刻み昆布(8200mg)、5位の板わかめ(7400mg)でようやく海藻が登場します。ただ、こちらも100gのうち水分は15.5gと7.2gしかありません。つまり上位5つに共通するのは「海藻かどうか」ではなく、乾燥で水分が抜けて成分が凝縮されていることでした。生の海藻がこの顔ぶれに入らないのは、水分をたっぷり含んでいるためと考えられます。
数字の裏側で、ひとつだけ気をつけたいこと
刻み昆布はヨウ素も非常に多く、100gあたり230000µg。耐容上限量3000µg/日の約77倍です。一度に100gも食べる食品ではありませんが、1人分の目安量の約5gで計算しても約11500µgと上限量の約3.8倍になります。日常的に多用するのは避け、量には気を配りたいところです。板わかめはビタミンKも1800µgと多く含みます(女性30〜49歳の目安量は1日150µg)。
もうひとつ、カリウムは水に溶けやすく、ゆでたり水にさらしたりすると流れ出るとされています。乾物を戻して煮るなら、煮汁ごといただく料理が向いていそうです。
まとめ
順位表を貫いていたのは「乾いていること」でした。カリウムは野菜やいも、果物、大豆製品、海藻など幅広い食品に含まれるとされていますが、生のままではこの上位には入ってきません。乾物を少しだけ使う、汁ごと食べる。数字の並びが教えてくれるのは、そんな日々のつきあい方でした。
※本記事は日本食品標準成分表(八訂)および日本人の食事摂取基準(2025年版)のデータ等をもとに作成しました。
栄養素のはたらき・摂取基準の記述は、次の公的資料に基づきます:厚生労働省 食事摂取基準・e-ヘルスネット「カリウム」(厚生労働省)