著者の所属・活動拠点の国は、アゼルバイジャンです。

掲載誌:Вестник науки

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

甘味と酸味、色のバランスを探る

研究チームは、赤いデザートワイン「カゴール型」の原料として、カベルネ・ソーヴィニヨン、マドラサ、メルローをどう組み合わせるかを検討しました。目指したのは、糖分、酸味、色や味わいに関わる成分の特徴を生かした配合です。

カゴール型は、つぶしたブドウを加熱し、発酵やアルコール添加を行って造る、甘味と濃厚な味わいを特徴とする赤ワインです。研究では、その原料に適した組み合わせを考えるため、3品種の成分と搾汁時の特徴を比較しました。

3品種に異なる特徴

著者らは、糖類、酸度、フェノール性化合物、ビタミンC、ペクチンなどを標準的な方法で測定し、清澄処理前の濁った果汁が得られる割合も調べました。また、各品種からワインの原酒を造り、3品種を混ぜたカゴール型デザートワインも製造したと報告しています。

論文本文の説明では、マドラサは総糖量が100ミリリットル当たり25.6グラムと最も高く、色や渋みなどに関わるフェノール性化合物も多い品種とされています。著者らは、この特徴が、色の濃さや味の厚みを持つ原酒づくりに適していると捉えています。

カベルネ・ソーヴィニヨンは、酸の量を表す滴定酸度が1リットル当たり8.2グラムと最も高いと報告されています。一方、メルローは滴定酸度が7.2グラムと最も低く、果汁の得られる割合は75.4%で最も高かったとされています。著者らは、3品種の搾汁率自体は近い値だったとも述べています。

特徴を補い合う配合を提案

これらの比較をもとに、著者らはカベルネ・ソーヴィニヨン40%、マドラサ30%、メルロー30%という配合を提案しました。カベルネ・ソーヴィニヨンを酸味の土台とし、マドラサで糖分とフェノール性化合物を補い、メルローの搾汁のしやすさや味わいへの寄与を組み合わせる考え方です。

この研究が示すのは、単一品種の一つの数値だけで原料を選ぶのではなく、糖分、酸味、色や味に関わる成分、果汁の得られやすさを組み合わせて考えるという原料設計の方向性です。著者らは、提案した配合を、カゴール型ワインに求められる特徴を整えるための選択肢と位置づけています。

原著論文の著者・所属:И.Х. Керимов(Азербайджанский технологический университет)、А.А. Набиев(Азербайджанский технологический университет)、А.А. Касумова(Азербайджанский технологический университет)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):И.Х. Керимов, А.А. Набиев, А.А. Касумова. ИССЛЕДОВАНИЕ КАЧЕСТВЕННЫХ ПОКАЗАТЕЛЕЙ КРАСНЫХ СОРТОВ ВИНОГРАДА ДЛЯ ПРОИЗВОДСТВА ДЕСЕРТНЫХ ВИН ТИПА «КАГОР». Вестник науки 2026-11-01. DOI: 10.68367/33755. 原著ライセンス:CC BY.