著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。
掲載誌:Jurnal Ilmu Gizi Journal of Nutrition Science
ライセンス: CC BY-SA 2.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF
研究の目的
慢性腎臓病が進行すると、腎臓の働きの一部を機械で代わりに担う血液透析が必要になることがあります。論文によると、血液透析を受ける患者では、透析の過程で栄養素が失われることや食欲の低下、食事制限などのため、栄養不良(低栄養)が起こりやすいとされています。
研究チームは、インドネシア・バリ州デンパサールのワンガヤ地域総合病院で、血液透析を受けている慢性腎臓病患者を対象に、たんぱく質の摂取量と血液透析を受けてきた期間が、それぞれ患者の栄養状態と関連しているかを分析しました。
何をどのように調べたか
研究は、ある一時点で患者の状態を調べる横断研究として、2025年12月から2026年4月に同病院の血液透析室で行われました。対象は、週2〜3回の定期的な血液透析を受けている19〜70歳の患者36人です。重い合併症のある患者は除かれました。
たんぱく質摂取量は、前日24時間に食べたものを思い出して答えてもらう聞き取りを2回行って評価しました。透析期間は本人への面接で確認し、栄養状態は透析患者向けの栄養評価指標であるDialysis Malnutrition Score(透析栄養不良スコア)で判定しました。関連の有無は、順位にもとづいて二つの項目の関係を調べるスピアマンの順位相関という統計手法で分析しています。
主な結果
参加者36人のうち27人(75.0%)はたんぱく質摂取量が不足しており、十分だったのは7人、過剰だったのは2人でした。透析期間は1〜3年の人が19人と最も多く、栄養状態は21人(58.3%)が正常、15人(41.7%)が栄養不良と判定されました。
著者らによると、栄養不良と判定された15人は全員がたんぱく質摂取量の不足に該当していました。分析の結果、たんぱく質摂取量と栄養状態の間には統計的に有意な関連が認められました(p=0.003)。
一方、透析期間と栄養状態の間には有意な関連は見られませんでした(p=0.904)。栄養状態が正常な人と栄養不良の人で、透析期間の分布はほぼ同じでした。著者らは、透析期間よりも食事からの栄養摂取や食事指導の順守、臨床状態など他の要因が大きく影響している可能性や、参加者の透析期間が似通っていてデータのばらつきが小さかったことを理由として挙げています。
研究が示すこと
この研究は、一つの病院の36人を一時点で調べたもので、示されたのは関連であり因果関係ではありません。そのうえで著者らは、血液透析を受ける患者の栄養状態は透析期間よりもたんぱく質摂取量と強く結びついていたと報告し、個々の必要量に応じた十分なたんぱく質摂取や、病院での定期的な栄養指導・モニタリングが栄養不良の予防に重要だと結論づけています。
原著論文の著者・所属:Diva Cinta Dinanti(Poltekkes Kemenkes Denpasar, Indonesia)、Pande Putu Sri Sugiani(Poltekkes Kemenkes Denpasar, Indonesia)、Ni Komang Wiardani(Poltekkes Kemenkes Denpasar, Indonesia)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Diva Cinta Dinanti, Pande Putu Sri Sugiani, Ni Komang Wiardani The Protein Intake, Hemodialysis Duration and Nutritional Status among CKD Patients. Jurnal Ilmu Gizi Journal of Nutrition Science 2026-08-31. DOI: . 原著ライセンス:CC BY-SA 2.0.
本紹介記事の文章(題名・見出しを含む)は、CC BY-SA 4.0で提供します。原著論文をもとにNutriMap Japanが日本語で要約・説明を加えています。対象は本紹介記事の文章に限り、ヒーロー画像・サイトのロゴ・画面デザイン・他の記事・データベース全体は含みません。