著者の所属・活動拠点の国は、ブラジルです。

掲載誌:ACS Omega

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、農産業の残さを水熱炭化という方法で処理した際に生じる水を、葉に散布する肥料として利用できるか調べました。この処理水は炭素や養分を豊富に含みますが、葉への散布による効果は十分に調べられていませんでした。研究では、トマトの生育と葉緑素量への影響に着目しました。

何を、どのように調べたか

サトウキビの搾りかすと、蒸留廃液であるビナスを原料に、リン酸を用いて得た処理水PWAと、水酸化カリウムを用いて得た処理水PWBを比較しました。散布液の濃度は、水中の有機物に含まれる炭素の総量(TOC)で1リットル当たり50、100、300ミリグラムに設定し、市販肥料を併用する条件と併用しない条件でトマトに葉面散布しました。研究チームは処理水の性質に加え、トマトの生育と葉緑素量を調べ、蒸留水や市販肥料を用いた対照条件と比較しました。

主な報告結果

研究チームは、生育と葉緑素量の反応が濃度によって大きく異なり、TOCが1リットル当たり300ミリグラムでは植物への毒性が見られた一方、100ミリグラムでは最も良好な生育促進効果が得られたと報告しています。生育への反応が最大だったのは、PWBをこの100ミリグラムの濃度で市販肥料と併用した条件で、地上部の長さは市販肥料のみの対照に比べて最大29%増加しました。同じ濃度でPWAと市販肥料を併用すると、増加率は11%でした。また、この濃度のPWAによる葉緑素量は、蒸留水の対照に比べて60%、市販肥料の対照に比べて49%増加しました。PWBでの増加率は、それぞれ11%、9%でした。

この報告が示すこと

著者らは、TOCが1リットル当たり100ミリグラムの処理水を葉に散布する方法は、トマトの葉緑素の生成と生育を促す肥料の補助資材として有望だと結論づけています。ただし、高濃度では植物への毒性が報告されており、処理水の利用には散布濃度が重要であることも示されています。

※出版社の利用条件により本文を利用できないため、本記事は原著論文の抄録だけで作成しています。

原著論文の著者・所属:Suelen A. Mondek(Sao Paulo State University (UNESP) , , 2265 Cristovao Colombo St. , , ,, Sao Jose do Rio preto, São Paulo, Brazil, 15054-000)、Gabriela A. Nogueira(Sao Paulo State University (UNESP) , , 2265 Cristovao Colombo St. , , ,, Sao Jose do Rio preto, São Paulo, Brazil, 15054-000)、Isabela C. Constantino(Sao Paulo State University (UNESP) , , 2265 Cristovao Colombo St. , , ,, Sao Jose do Rio preto, São Paulo, Brazil, 15054-000)、Odair P. Ferreira(Universidade Estadual de Londrina, BR)、Márcia C. Bisinoti(Sao Paulo State University (UNESP) , , 2265 Cristovao Colombo St. , , ,, Sao Jose do Rio preto, São Paulo, Brazil, 15054-000)、Altair B. Moreira(Paulo State University (UNESP) , Institute of Biosciences , Humanities and Exact Sciences (IBILCE) , Department of Chemistry and Environmental Sciences (DQCA) , Laboratory of Environmental Sciences Studies (LECA) , Sao Jose do Rio preto , Saõ Paulo 15054- 000 , Brazil; orcid.org)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Suelen A. Mondek, Gabriela A. Nogueira, Isabela C. Constantino, et al. Effect of Foliar Application of Process Water from Hydrothermal Carbonization of Sugar-Energy Byproducts on Tomato Plant Growth and Chlorophyll Content. ACS Omega(出版社:American Chemical Society) 2026-10-29. DOI: 10.1021/acsomega.6c06470. 原著ライセンス:CC BY.