著者の所属・活動拠点の国は、ブラジル、ポルトガルです。

掲載誌:ACS Omega

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

研究チームは、植物の生育を促す細菌シュードモナス・フルオレッセンスに由来する資材が、研究用の小型トマト品種「マイクロトム」の生育、収量、栄養成分の蓄積、代謝にどう影響するかを調べました。生きた菌を使う資材の効果は植物への定着に左右されるため、菌の細胞を含まない資材の働きにも着目しました。

何を、どのように調べたか

著者らは、同じ菌株に由来する、生きた菌を含む資材と菌の細胞を含まない資材の2種類をトマトに施し、葉に散布する方法と土壌に施す方法での反応を調べました。生育や収量、果実中の栄養成分を測るとともに、葉に含まれる多様な代謝物を、測定対象をあらかじめ限定せずに分析しました。

主な報告結果

菌の細胞を含まない資材では、主に葉の面積、根の重量、果実中のリンとモリブデンの濃度が増加したと報告されています。この資材を葉に散布した場合には、果汁中の糖などの可溶性成分の指標であるブリックス度と、収量の維持との両立がみられました。また、葉の代謝物ではフェノールアミド類とグリセロリン脂質類に変化がみられ、土壌に施した場合にはトリプトファンと、インドール化合物のリコペロジン-1の量が増えました。一方、生きた菌を含む資材による有益な変化は少数で、主なものは葉への散布による果実中のカルシウム濃度の増加でした。

この報告が示すこと

著者らは、生きた菌がなくても、培養液に含まれる微生物由来の代謝物が植物の反応を引き起こし、生育や果実品質の一部に働きかけうると結論づけています。その効果は、今回調べた施用条件のもとで、特定の側面に認められたものです。

※出版社の利用条件により本文を利用できないため、本記事は原著論文の抄録だけで作成しています。

原著論文の著者・所属:Stephanie Nemesio da Silva(Institute of Chemistry, University of Campinas, Campinas, São Paulo, Brazil)、Rodrigo Alberto Repke(Rovensa Next , , ,)、Lázaro Eustaquio Pereira Peres(University of São Paulo , , , ,)、Alice Aranda Peres(University of São Paulo , , , ,)、Rafael Costa Santos Rocha(Rovensa Next , , ,)、Danilo da Cruz Centeno(Center of Natural and Human Sciences, Federal University of ABC, São Bernardo do Campo, São Paulo, Brazil)、Johana Rincones Pérez(Rovensa Next , , ,)、Taicia Pacheco Fill(Institute of Chemistry, University of Campinas, Campinas, São Paulo, Brazil)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Stephanie Nemesio da Silva, Rodrigo Alberto Repke, Lázaro Eustaquio Pereira Peres, et al. Integrative Metabolomic and Agronomic Analyses Reveal the Impact of Pseudomonas fluorescens -Based Bioinputs on the Micro-Tom Tomato ( Solanum lycopersicum ) Model System. ACS Omega(出版社:American Chemical Society) 2026-09-14. DOI: 10.1021/acsomega.6c04589. 原著ライセンス:CC BY.