著者の所属・活動拠点の国は、インドネシアです。

掲載誌:Jurnal Kesmas dan Gizi (JKG)

ライセンス: CC BY 4.0 対象: 公開論文 確認元: 論文PDF

研究の目的

インドネシアでは、子どもが学校で口にする間食を「PJAS(学童向け間食)」と呼びます。主食を補い、学習中に必要なエネルギーや栄養素をとる助けになる食べ物です。著者らは、子どもが学校で長い時間を過ごすことから、間食について安全性だけでなく栄養の質も高める必要があると述べています。

チキンナゲットは手軽で味がよく、子どもに好まれる間食です。一方で主な材料が肉なので、食物繊維が少ないという特徴があります。そこで研究チームは、鶏肉の一部をサレム魚(インドネシアでikan salemと呼ばれる魚)に置き換えてたんぱく質源とし、さらに食物繊維源としてキャッサバの葉を加えたナゲットを試作しました。緑色の葉を加えると色や味、食感が変わり、子どもに好まれなくなる可能性があります。このため、子どもが受け入れられるかどうかと、栄養成分の両方を調べることを目的としました。

何を調べたか

研究チームは、鶏肉のうちサレム魚に置き換える割合を50%、60%、70%の3段階に分けました。キャッサバの葉を加える割合は15%と25%の2段階です。これを組み合わせて6種類のナゲットを作りました。

受け入れやすさの評価には、小学4年生の10歳の子ども47人が参加しました。子どもたちは6種類すべてを試食し、色・香り・味・食感のそれぞれを「好きではない」から「とても好き」までの4段階で評価しました。結果は統計的に比べ、各要素の重要度に応じた重みをつけて総合点を出す方法で、最もよい配合を選びました。選ばれた配合については、たんぱく質と食物繊維の量を実験室で分析し、標準的な配合のナゲットと比べました。

主な結果

6種類の間では、色・味・食感の評価にははっきりした差がありました。一方、香りには差がみられませんでした。色については、魚50%・葉15%の配合が最も好まれました。普通のチキンナゲットに近い見た目だったためで、魚や葉の割合が増えると茶色や緑色が強くなる傾向がありました。味については、魚60%・葉25%の配合の評価が最も高く、47人中32人(68.1%)が「とても好き」と答えました。香りに差が出なかったことについて、著者らは調味料や衣、揚げる工程が魚や葉のにおいを和らげた可能性を挙げています。

総合評価で最もよいとされたのは、魚60%・葉25%の配合でした。この配合のたんぱく質は17.16%(100gあたり17.16g)で、標準配合の14.29%を上回りました。食物繊維は標準配合の0.39%から2.31%に増えました。論文はこのたんぱく質量について、インドネシアの鶏肉ナゲットの品質基準を満たし、「たんぱく質源」と表示できる基準も満たすと報告しています。100gあたりで10〜12歳の子どもの1日のたんぱく質必要量の約31〜34%、食物繊維必要量の約8%に当たると計算されています。ただし食物繊維は、「食物繊維源」と表示するための基準(100gあたり3g以上)には届きませんでした。

この研究が示すこと

この研究は、子どもになじみのあるナゲットの形を保ったまま、身近な地元の食材である魚とキャッサバの葉を加えることで、子どもに受け入れられやすく、たんぱく質源となる間食を作れる可能性を示しました。食物繊維は標準配合より増えたものの、「食物繊維源」と呼べる水準には達しておらず、著者らはこの点をさらに改善の余地がある部分としています。葉をもっと増やせば食物繊維は増えるものの、見た目や味の評価が下がるおそれがあり、今回選ばれた配合は栄養と好みの釣り合いがとれた初期段階の配合と位置づけられています。なお、栄養分析は最もよい配合のみが対象で、脂質やエネルギー、微生物面の安全性などはまだ調べられていないと、著者ら自身が限界として挙げています。

原著論文の著者・所属:As.syifa Kirana Novenika(Universitas Negeri Surabaya)、Wildan Alfira Gusrianto, M.Gz.(Universitas Negeri Surabaya)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):As.syifa Kirana Novenika, Wildan Alfira Gusrianto, M.Gz.. Acceptability and Nutritional Content of Chicken Nuggets with Salem Fish Substitution and Cassava Leaves Addition as an Alternative School Snack Food. Jurnal Kesmas dan Gizi (JKG) 2026-10-28. DOI: 10.35451/jkg.v9i1.3760. 原著ライセンス:CC BY.