著者の所属・活動拠点の国は、ナイジェリアです。
掲載誌:Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research)
ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex
研究の目的
落花生(ピーナッツ)は、世界で広く栽培され、食用油やたんぱく質の重要な供給源とされる作物です。ナイジェリアでは、落花生を煎る、ゆでる、炒る(揚げる)という三つの方法で食べるのが一般的だと論文は紹介しています。
研究チームは、こうした加工方法の違いによって落花生の栄養成分がどのように変わるのかを確かめることを目的に、生の落花生と加工した落花生の成分を比べました。
何をどのように調べたか
著者らは、ナイジェリア・アナンブラ州の市場で購入した落花生を4つに分け、生(比較の基準)、焙煎、ゆで、炒り(論文ではfried)の4種類の試料を用意しました。焙煎は鍋で約30分加熱、ゆでは1リットルの水と2グラムの塩で30分加熱、炒りは湿った茶色の粘土と混ぜて48時間空気乾燥させた後、開いた鍋で約30分加熱する方法です。いずれも薄皮などを取り除いて粉砕し、分析に用いました。
分析したのは「一般成分」と呼ばれる基本的な栄養成分で、水分、灰分(食品を高温で燃やした後に残る部分で、ミネラル量の目安)、粗脂肪、粗繊維、粗たんぱく質、炭水化物の6項目です。炭水化物は直接測るのではなく、100からほかの5項目の割合を差し引いて求めています。
主な結果
論文によると、成分の割合は加工方法によって大きく異なりました。炒った落花生は脂肪(24.66%)とたんぱく質(14.88%)が4種類の中で最も高く、一方で水分(5.13%)と粗繊維(3.71%)は最も低い値でした。生の落花生では脂肪が3.91%、たんぱく質が9.80%でした。
焙煎した落花生は灰分(21.27%)と炭水化物(34.95%)が最も高く、ゆでた落花生は水分(14.43%)が最も高くなりました。粗繊維は生の落花生が32.51%と最も高く、ゆでた落花生が約23%、焙煎が約7%と続きました。ゆでた落花生は多くの項目で中間的な値を示しました。
研究チームは、ゆでた落花生の水分が多いのは加熱中に水を吸ったため、炒った落花生の水分が少ないのは加熱で水が急速に蒸発したためと考えています。また、焙煎や炒りでたんぱく質や灰分の割合が高まったのは、水分が失われて成分が濃縮されたことによる可能性があると述べています。なお著者らは、今回の脂肪の値は他の研究で報告された値より低いものの、炒ると脂肪が増えるという傾向は共通していると指摘しています。
研究が示すこと
著者らは、同じ落花生でも、煎る・ゆでる・炒るといった加工方法の違いによって栄養成分の構成が大きく変わると結論づけています。どの成分を重視するかによって適した加工方法が異なり、加工方法の選択は求める栄養上の特徴や好みに応じて考えるべきだというのが、論文の示す見方です。
原著論文の著者・所属:Mmuo, V. E.(Federal Polytechnic Oko)、Chukwubuike, I. I.(Federal Polytechnic Oko)
※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Mmuo, V. E., Chukwubuike, I. I.. Comparative Proximate Analysis of Raw, Roasted, Boiled and Fried Groundnut (Arachis hypogaea) Seeds. Zenodo (CERN European Organization for Nuclear Research) 2026-09-10. DOI: 10.5281/zenodo.22691940. 原著ライセンス:CC BY.