著者の所属・活動拠点の国は、ペルー、オーストリアです。

掲載誌:LWT

ライセンス: CC BY 対象: 公開論文 確認元: OpenAlex

研究の目的

小麦を使わないグルテンフリーのパスタは需要が高まっています。一方で研究チームは、原料や添加物の費用が高いことと、市販品の多くは栄養面で見劣りすることを課題に挙げています。

そこで著者らは、根菜のキャッサバの粉と、豆の一種であるタルウィの粉を混ぜてグルテンフリー麺を作りました。そして、原料粉の性質を測る比較的簡単な試験の結果から麺の品質を予測できるかを調べました。配合を短時間で絞り込むための目安となる指標を見つけることが、この研究の狙いです。

何を調べたのか

研究チームは、キャッサバとタルウィの配合比を75対25から25対75までの5段階に変え、無作為化した実験計画で比較しました。

原料粉については、成分の基本的な分析のほか、二つの試験を行いました。一つはRVA(ラピッド・ビスコ・アナライザー)という装置で、粉を水と加熱・冷却したときに粘りがどう変化するかを測る「糊化特性」の試験です。もう一つは、粉を加熱して固めたゲルを押しつぶし、硬さや弾力、噛みごたえなどを数値化する「テクスチャー解析」です。

麺は押し出し成形で作りました。乾燥した状態では、折れるまでにどれだけ変形するか(破断ひずみ)と、変形のしにくさを示す値を測りました。あわせて、ゆでたときの特性と、ゆで上がった麺の食感も評価しました。そのうえで、粉の測定結果と麺の品質の関連を分析しました。

主な結果

タルウィ粉の割合が高くなるほど、RVAで測った粘度の指標は有意に低下しました。対象は、ピークの粘度、加熱中に粘りが落ちた後の値、粘りの落ち込み幅、最終粘度、冷却時に粘りが戻る度合いです。一方で、粘り始める温度とピークに達するまでの時間は増加しました。ゲルの硬さ・弾力・噛みごたえは、キャッサバ粉の割合が多いほど高い方向に関連していました。

乾燥麺の破断ひずみと変形のしにくさは、加熱中の粘りの落ち込み幅、冷却時の粘りの戻り、ゲルの硬さと正の相関を示しました。

これに対し、ゆでたときの特性とは有意な相関が見られませんでした。著者らはその理由を、麺に含まれる卵白とタルウィのたんぱく質が麺の構造づくりで主な役割を果たしたためと考えています。

研究が示すこと

この研究は、でんぷんの性質に基づく粉の測定値が、グルテンフリー麺の配合を効率よく選び出す手がかりになりうることを示しました。特に、乾燥麺の機械的な性質は配合の違いを見分ける確かな指標になると著者らは強調しています。ただし、ゆでたときの特性は今回の粉の指標とは結びつきませんでした。たんぱく質が多い麺では、でんぷんだけでは品質を説明しきれない面があることもうかがえます。

原著論文の著者・所属:Irma Iglesias-Molina(Food and Agricultural Products Engineering Department, Food Industry Faculty, National University La Molina, Lima, 15024, Perú)、Laura Linares-García(Food and Agricultural Products Engineering Department, Food Industry Faculty, National University La Molina, Lima, 15024, Perú)、Regine Schönlechner(Department of Biotechnology and Food Science, BOKU University, Vienna, Austria)

※本記事は原著論文をもとに、日本語で要約・説明を加えた研究紹介です。 出典(原著論文):Irma Iglesias-Molina, Laura Linares-García, Regine Schönlechner. RVA gel texture as predictive indicator for starch-based noodle quality – a study based on gluten-free noodles from tarwi-cassava blends. LWT 2026-08-24. DOI: 10.1016/j.lwt.2026.119858. 原著ライセンス:CC BY.